【2019年2月6日 ニューヨーク発】
2月6日の「国際女性性器切除(FGM)根絶の日」に向けて、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォア、国連人口基金(UNFPA)事務局長ナタリア・カネム、およびUN Women事務局長プムズィレ・ムランボ=ヌクカは以下の共同声明を発表しました。
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© UNICEF/UN0120218/Nakibuuka |
メリー・オロイパルニ(Mary Oloiparuni)さんは13歳のときに性器切除(FGM)を受けました。ある朝、自宅の玄関口で押さえつけられ、切除され、大量に出血し、激しい苦痛を経験しました。そのときの傷は、19年経った今でも痛みをもたらします。5人の子どもの出産は毎回、耐え難く恐ろしい経験でした。
メリーさんはひとりではありません。ジェンダーに基づく暴力の中でも世界で最も非道な行為のひとつとされる性器切除に苦しむ女の子と女性は、世界に少なくとも2億人います。
「国際女性性器切除根絶の日」の今日、2030年までに切除のリスクに晒されている何千万人の女の子がメリーさんと同じ苦しみを経験しないで済むように、私たちはこの人権侵害を終わらせる意思を再確認します。
この努力が特に重要なのは、女性性器切除が長期にわたり身体的・精神的・社会的影響を及ぼすからです。性器切除は、性と生殖に関する健康、身体的統合性、差別を受けない、および残酷なまたは尊厳を奪うような扱いを受けないなどの女性の権利を侵害します。そして医療倫理にも反します。女性性器切除は、誰が実施しようと、あるいはどんなに清潔な場所であろうと、決して安全ではないのです。
女性性器切除はジェンダーに基づく暴力であることから、その他の形態の女性や女の子に対する暴力や、早婚や強制された結婚などの有害な慣習と切り離して、解決に取り組むことは出来ません。女性性器切除をなくすために、私たちはジェンダーの不平等の根本原因と闘い、女性の社会的、経済的エンパワーメントのために働かなくてはなりません。
© UNICEF/UN0199023/Noorani |
世界の指導者たちは2015年に、女性性器切除の根絶を、持続可能な開発のための2030アジェンダの目標のひとつに設定することを圧倒的多数で支持しました。これは達成可能な目標です。今こそ私たちは、政治的な約束を行動に移す必要があります。
各国において、女の子と女性が暴力や差別を受けずに生きる権利を保護するための新しい政策や法律が必要です。女性性器切除が慣習になっている国の政府は、その慣習を終わらせるための国家行動計画も策定する必要があります。計画の効果的な実施には、統合的な性と生殖に関する健康、教育、社会福祉、および法的なサービスに特化した予算が含まれなければなりません。
地域において、女性性器切断を規制する法律がより緩い国に連れて行くことを目的とした、女の子と女性の国境を越える移動を防ぐために、各国機関や経済界が協働する必要があります。
コミュニティにおいては、宗教指導者たちが、女性性器切除が宗教に基づいているという神話を打破しなければなりません。社会的圧力が慣習に向かわせる要因であることから、個人や家族が、切除を廃止することの利点に関する情報を得る必要があります。
女性性器切除を廃止する公的な宣言、特にコミュニティ全体で宣言することは、集団的意志表示の効果的な手法です。しかし、公的な宣言は、女性性器切除を容認してきた、社会規範、慣習、行動を変化させるための総合的戦略を伴わなければなりません。メリーさんのようなサバイバーの証言は、この慣習の暗い現実と女性の人生に長く影響を与えることの理解促進に役立つでしょう。アドボカシー活動やソーシャル・メディアは、女性性器切除の根絶が命を守り人生を改善できるというメッセージを広く伝えることが出来ます。
政府、市民社会、コミュニティ、および個人による集団的行動のおかげで、女性性器切除は減少しています。しかし、私たちはこの慣習の減少を目標にしているのではありません。私たちの目標はあくまでも根絶です。
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