【2019年2月14日 ジュネーブ発】
ユニセフ(国連児童基金)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ヨーロッパ各国政府ならびに地域組織に対して、域内において国籍を持たずに誕生する、あるいは国籍がないままになっている子どもをなくすための対策を緊急に取るよう求めています。
© UNICEF/UN0126131/Gilbertson VII Photo |
無国籍の子どもの正確な人数は把握できないものの、ヨーロッパ域内の無国籍者の数は50万人以上と推定されます。
ヨーロッパで難民保護申請をした子どもの数は2010年から増加し、2015年と2016年にピークを迎えました。「無国籍者」だと確認された子どもたちの数も同様に増加しています。2017年には、2,100人の子どもが「無国籍者」として登録されており、この数は2010年と比較して4倍になっています。
国籍を持たない子どもたちは、教育や保健ケアなどの基本的な人権や社会サービスを受けることが難しく、生涯にわたって差別を受ける可能性があります。公式な証明書を持たない子どもたちは、暴力、虐待、人身売買などに遭う危険が高まり、そうした子どもと家族は、逮捕や拘留されるリスクのある状態に置かれることになります。
「無国籍の子どもたちの人生は、そのスタート時点から前進しません。彼らは、私たちのように夢を見て、希望を持つことはできますが、法的な問題に阻まれ、おとなになる前にそうした夢は破れ、可能性が失われるのです」とパスカル・モローUNHCRヨーロッパ局長は述べました。
特に影響を受ける子どもたち:
「すべての子どもには、名前と国籍を得る権利があります」とユニセフ欧州地域事務所代表 兼 欧州難民危機特別調整官アフシャン・カーンは述べました。「各国政府には、無国籍の状態で子どもが生まれることを防ぐための対策を導入するだけでなく、すべての無国籍の子どもたちが国籍を得る権利を確実に実現するための法的、またその他の支援を提供する責任があります」
© UNICEF/UN0274756/Haviv VII Photo |
ヨーロッパにおける無国籍の子どもの問題への取り組みを改善するために、ユニセフとUNHCRは、低コストで効果的、そして持続可能な解決方法を提案します。
ヨーロッパにおける出生登録率は高いものの、無国籍になるリスクが最も高い家族を対象に情報提供を促進することで、未登録の子どもたちを見つけだし、その家族の登録手続きをサポートすることができます。
出生登録を通して、すべての子どもたちが法的な身分証明を得ることは、持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットのひとつです。ユニセフはすべての子どもたちが出生時に確実に登録されるための支援を行い、UNHCRは、世界で何百万人もの人々が影響を受けている無国籍者の問題を2024年までに終わらせることを目標にした #IBelong Campaignを行なっています。
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