【2019年8月6日 パナマ発】
ユニセフ(国連児童基金)は、コロンビアで、2015年8月以降にベネズエラ国籍の両親のもとに生まれた子ども、2万4千人以上にコロンビアの国籍を与えるという、コロンビア政府の決定を歓迎します。この決定は、子どもの権利を守る上で不可欠であるとともに、無国籍状態に伴う危険を軽減することにつながります。
© UNICEF/UN0326493/Moreno Gonzalez |
例外的かつ一時的な行政措置ではありますが、コロンビアで2015年8月19日以降、ベネズエラ国籍の両親のもとに生まれた子どもたちに、コロンビアの国籍が与えられることになりました。
「この措置は、故郷を追われた子どもの権利を守る好事例であり、世界各地で、子どもたちが無国籍状態となるのを防ぐ重要な出来事として捉えています」とユニセフ・ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務代表マリア・クリスティナ・ペルセバルは述べました。「私たちは、この地域の他の国々に対しても、ベネズエラから移住してきた子どもたちやその家族を支援し、継続して、彼らの権利や不可欠な保護を保障するよう働きかけています」
また8月19日付で、国籍登録に関する決議では、制度として今後2年間(2021年8月まで)は、コロンビアでベネズエラ国籍の両親のもとに生まれた子どもは市民として登録され、コロンビア国籍が与えられるとしています。
© UNICEF/UN0326493/Moreno Gonzalez |
世界では、何百万もの人々が無国籍状態にあります。78カ国、約400万人の人々が、どの国からも認定も保護も受けずに、差別や虐待の危険にさらされ、医療や教育といった不可欠なサービスや社会参画の機会が非常に制限されている状況にあります。
コロンビアも1991年に批准した子どもの権利条約にもうたわれているように、「子どもは、出生後すぐに届出され、名付けられ、国籍が与えられ、できれば両親を知り、育ててもらう権利があります」。
コロンビア政府の要請を受けて、ユニセフは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やIOM(国際移住機関)と協同で、新しい措置を履行するために、国民登録政策を支援しています。
今回の発表により、1954年の「無国籍者の地位に関する条約」と1961年の「無国籍の削減に関する条約」といった、全ての子どもが生まれた時に国籍を与えられる権利がある点を含めた、無国籍を防止・削減するための法令順守へと、コロンビアは前進することになるでしょう。
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