【2019年9月3日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ダカール(セネガル)/ジュネーブ/ニューヨーク発】
コンゴ民主共和国東部のエボラ出血熱流行の影響を受けている地域に暮らすおよそ200万人の子どもたちに、新学期がやってきました。
© UNICEF/UN0341062/Nybo |
「エボラ出血熱は、この地域の子どもたちと家族に、壊滅的な影響を及ぼしました」とユニセフ(国連児童基金)・コンゴ民主共和国事務所代表エドゥアルド・ベイグベデルは述べました。「子どもたちが、安全で、守られ、彼らをあたたかく迎える学校に通えることが、日常を取り戻して学び続けられる大きな助けになるのです」
イトゥリ州、北キブ州、南キブ州のエボラ影響地域には、初等教育、中等教育を合わせると6,509校の学校があり、そのうち3,800校は危険度の高い地域にあります。それらのほとんどが、新年度を迎えて授業を再開しました。
「昨年度が始まった頃は、エボラ出血熱の集団発生が起こったばかりの時期でした」とエボラ危機の中で教育支援をおこなってきたファティ・バグナ・セイニは話します。「多くの保護者が、クラス内での感染を恐れて子どもを学校に行かせることを怖がっていました。教員もまだこの病気に関する知識が乏しく、子どもたちに病気について教えたり、影響を受けている家庭の子どもを支えたりするための研修を受けていませんでした。でも今は違います。」
© UNICEF/UN0341055/Waterton |
この1年間、ユニセフは教育省やその他のパートナーと緊密に連携し、エボラ出血熱の影響を受けている地域の学校、教員、保護者、そして生徒たちをマッピングし、必要な支援をおこなってきました。
例えば、学校に体温計や衛生資材を提供し、手洗い場を設置。学校の管理者や教員には、予防法から感染の兆候が見られる生徒や教員への基本的な対応まで、必要なすべてのことを研修しています。教員たちが子どもたちに、病気がどのように広がるか、どうやって感染を予防するか、また適切な衛生習慣を教えるために役立つイラスト入りのガイドブックなどの教材も制作しました。
教員たちはまた、エボラ出血熱であれ他の病気であれ、また暴力的な紛争であれ、この地域をむしばむ問題のために差別や汚名に苦しんでいたり、愛する人を亡くして悲しんでいる子どもを見つけ出し、支援するための心理社会的支援の研修も受けました。教室に戻ってきた子どもたちの中には、エボラ出血熱から回復した子どもや、親を失った子どもたちが何百人といます。
© UNICEF/UN0339675/Nybo |
新年度を迎えるにあたって、ユニセフとパートナーは、追加の保健・衛生資材を必要としている学校がないか調査したり、教員からの意見に基づくガイドブックやメッセージの改定、新たなポスターなど広報資材の印刷、子どもたちが通学するよう保護者やコミュニティへの働きかけの強化などを行いました。
「エボラ出血熱について知識を得た教員は、エボラ危機への対応に非常に重要な人材です。なぜなら、人々は彼らを尊敬し、耳を傾けるからです。」とバグナ・セイニは述べました。「子どもたちは、教員からエボラ出血熱の広がり方や予防の仕方を学び、それを親やコミュニティに伝えます。教員と子どもたちは、周囲に大きな影響を与えうる存在で、その力を活用することが大切です」
これまで、ユニセフとパートナーは下記の支援をおこないました。
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