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日本ユニセフ協会
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エボラ危機
コンゴ民主共和国で新学期がスタート 学校の感染予防対策を強化
予防の知識を学校からコミュニティへ

【2019年9月3日  キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ダカール(セネガル)/ジュネーブ/ニューヨーク発】

コンゴ民主共和国東部のエボラ出血熱流行の影響を受けている地域に暮らすおよそ200万人の子どもたちに、新学期がやってきました。

新学期がスタート

On 2 September 2019, (left) Jacqueline Maga Znigire, Deputy Director of The Volcano School of Goma, capital city of North Kivu province, Democratic Republic of the Congo, instructs students attending the first day of school on how to protect themselves from Ebola. Here she uses a digital thermometer to check the temperature of a student. A high temperature is an early sign that one may have Ebola. Schools have reopened for an estimated two million children living in communities affected by the Ebola outbreak in the eastern Democratic Republic of the Congo (DRC). There are 6,509 primary and secondary schools in Ebola-affected areas of Ituri, North Kivu and South Kivu Provinces – 3,800 of them are in high-risk areas. As of 3 September, most have reopened for the new school term. Among the students returning to class are hundreds of school-age Ebola survivors and children orphaned by Ebola. The Ebola outbreak in eastern DRC has now resulted in more than 3,000 confirmed cases, and over 2,000 deaths. More children, proportionately, are being affected than in any previous Ebola outbreak. At the start of the outbreak in August 2018, many parents, fearful of their children contracting the virus, kept them home from school. Teachers were ill-equipped to educate their students and the community on Ebola, or to aid those affected. Over the past year, UNICEF has worked closely with the Ministry of Education and other partners to map and deliver targeted assistance to schools, teachers, parents and students in affected areas. This includes equipping schools with thermometers, hygiene supplies and handwashing stations and training school administrators and teachers on everything from prevention measures to basic case management if a student or teacher begins to show symptoms. Teaching materials were produced, including an instruction guide with child-friendly illustrations that helps teachers teach children about how the disease spreads, how to prevent it and good hygiene p

© UNICEF/UN0341062/Nybo

新学期初日の教室で体温検査を受ける生徒。(2019年9月2日撮影)

「エボラ出血熱は、この地域の子どもたちと家族に、壊滅的な影響を及ぼしました」とユニセフ(国連児童基金)・コンゴ民主共和国事務所代表エドゥアルド・ベイグベデルは述べました。「子どもたちが、安全で、守られ、彼らをあたたかく迎える学校に通えることが、日常を取り戻して学び続けられる大きな助けになるのです」

イトゥリ州、北キブ州、南キブ州のエボラ影響地域には、初等教育、中等教育を合わせると6,509校の学校があり、そのうち3,800校は危険度の高い地域にあります。それらのほとんどが、新年度を迎えて授業を再開しました。

「昨年度が始まった頃は、エボラ出血熱の集団発生が起こったばかりの時期でした」とエボラ危機の中で教育支援をおこなってきたファティ・バグナ・セイニは話します。「多くの保護者が、クラス内での感染を恐れて子どもを学校に行かせることを怖がっていました。教員もまだこの病気に関する知識が乏しく、子どもたちに病気について教えたり、影響を受けている家庭の子どもを支えたりするための研修を受けていませんでした。でも今は違います。」

学校に戻ってくる子どもたちへの支援

小学校で開催されたエボラ出血熱の啓発イベントで、手洗いを実践する8歳のリアーナさん。(2019年9月3日撮影)

© UNICEF/UN0341055/Waterton

小学校で開催されたエボラ出血熱の啓発イベントで、手洗いを実践する8歳のリアーナさん。(2019年9月3日撮影)

この1年間、ユニセフは教育省やその他のパートナーと緊密に連携し、エボラ出血熱の影響を受けている地域の学校、教員、保護者、そして生徒たちをマッピングし、必要な支援をおこなってきました。

例えば、学校に体温計や衛生資材を提供し、手洗い場を設置。学校の管理者や教員には、予防法から感染の兆候が見られる生徒や教員への基本的な対応まで、必要なすべてのことを研修しています。教員たちが子どもたちに、病気がどのように広がるか、どうやって感染を予防するか、また適切な衛生習慣を教えるために役立つイラスト入りのガイドブックなどの教材も制作しました。

教員たちはまた、エボラ出血熱であれ他の病気であれ、また暴力的な紛争であれ、この地域をむしばむ問題のために差別や汚名に苦しんでいたり、愛する人を亡くして悲しんでいる子どもを見つけ出し、支援するための心理社会的支援の研修も受けました。教室に戻ってきた子どもたちの中には、エボラ出血熱から回復した子どもや、親を失った子どもたちが何百人といます。

学校の感染予防対策を強化

エボラ出血熱に関する地域の人々の質問に答えるスタッフ。(2019年8月21日撮影)

© UNICEF/UN0339675/Nybo

エボラ出血熱に関する地域の人々の質問に答えるスタッフ。(2019年8月21日撮影)

新年度を迎えるにあたって、ユニセフとパートナーは、追加の保健・衛生資材を必要としている学校がないか調査したり、教員からの意見に基づくガイドブックやメッセージの改定、新たなポスターなど広報資材の印刷、子どもたちが通学するよう保護者やコミュニティへの働きかけの強化などを行いました。

「エボラ出血熱について知識を得た教員は、エボラ危機への対応に非常に重要な人材です。なぜなら、人々は彼らを尊敬し、耳を傾けるからです。」とバグナ・セイニは述べました。「子どもたちは、教員からエボラ出血熱の広がり方や予防の仕方を学び、それを親やコミュニティに伝えます。教員と子どもたちは、周囲に大きな影響を与えうる存在で、その力を活用することが大切です」

これまで、ユニセフとパートナーは下記の支援をおこないました。

  • 32,400人以上の教員に、エボラ出血熱の予防法の教え方や、学校を子どもたちを守る環境にする方法について研修を実施
  • 928,000人以上の生徒に、エボラ出血熱に関する重要な情報を提供
  • エボラ出血熱から回復あるいは親を亡くした432人の子どもに対し、授業料や制服、学用品を含む通学支援を提供
  • 感染の危険の高い地域にある約2,350校に、手洗い場を設置し、体温計や衛生資材を提供

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