【2019年11月12日 ロンドン/ニューヨーク/バルセロナ発】
2018年に、肺炎を原因として、39秒にひとりに相当する80万人以上の5歳未満の子どもが命を落としました。このうち、ほとんどの子どもは2歳未満で死亡し、約15万3,000人は生後1カ月以内で亡くなりました。*1
© UNICEF/UN0280720/Hashimi AFP-Services |
この忘れられた感染症について警鐘を鳴らすため、保健や子どもの専門機関6機関が本日、世界規模での行動を呼びかけます。*2 また2020年1月には、世界の指導者たちを迎えて、スペインで小児肺炎に関するグローバルフォーラムを開催します。
2018年の5歳未満児の死因第1位が肺炎でした。なお、5歳未満の子ども43万7,000人は下痢、27万2,000人はマラリアにより死亡しました。ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは次のように述べました。「毎日、5歳未満の子ども約2,200人が、治癒可能でほとんどが予防可能な肺炎で亡くなっています。この病気と闘うためには、世界規模での積極的な取り組みと投資の増加が不可欠です。子どもたちの元へ、費用対効果の高い保護、予防、治療の支援を届けることによってのみ、何百万人もの命を真に救うことができます」
ワクチンと予防接種のための世界的同盟(GAVI)事務局長セス・バークレーは次のように述べています。「この予防可能で、治療可能で、診断が容易な病気が、依然として世界の幼児の死因の1位であることは、率直に言って衝撃的です。過去10年間で大きな進歩を遂げ、世界で最も貧しい国々の何百万人もの子どもたちが今、命を救う肺炎球菌ワクチンを接種しています。主にGAVIの支援のおかげで、低所得国における肺炎球菌ワクチンの接種率は世界平均を上回りましたが、すべての子どもがこのワクチンを接種できるようにするためにはさらなる取り組みが必要です」
© UNICEF/UN0233044/Mawa |
肺炎のために運用できる資金は、他の病気よりもはるかに限られています。 5歳未満の子どもの死亡の15%を引き起こす病気にもかかわらず、肺炎に割り当てられている、感染症研究における世界の支出は3%に留まっています。
ユニセフをはじめとする諸機関は共同で行動を呼びかけ、次のことを促します。
* * *
注記:
© UNICEF/UN0270018/Prinsloo |
*1 WHO(世界保健機関)および母子疫学推計グループ(Maternal and Child Epidemiology Estimation Group:MCEE)の中間推定値と2018年の子どもの死亡率推計に関する国連の機関間グループ推定値に基づいた、ユニセフの分析(2019年9月)によるもの。
*2 ISGlobal、セーブ・ザ・チルドレン、ユニセフ、Every Breath Counts、ユニットエイド(Unitaid)、およびGAVIは、肺炎に取り組むため、高まん延国およびドナーによる具体的な行動を求めています。ラ・カイシャ財団(“la Caixa” Foundation)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、米国国際開発庁(USAID)とともに、1月29〜31日にスペインで小児肺炎に関するグローバルフォーラムを開催します。
2018年に5歳未満の子どもが肺炎で死亡した上位15カ国は次のとおりです。
国名 |
5歳未満の子どもの 肺炎関連死亡の推定数(2018年) |
ナイジェリア | 162,000 |
インド | 127,000 |
パキスタン | 58,000 |
コンゴ民主共和国 | 40,000 |
エチオピア | 32,000 |
インドネシア | 19,000 |
中国 | 18,000 |
チャド | 18,000 |
アンゴラ | 16,000 |
タンザニア | 15,000 |
ソマリア | 15,000 |
ニジェール | 13,000 |
マリ | 13,000 |
バングラデシュ | 12,000 |
スーダン | 11,000 |
全体 | 802,000 |
※WHO(世界保健機関)および母子疫学推計グループ(Maternal and Child Epidemiology Estimation Group:MCEE)の中間推定値と2018年の子どもの死亡率推計に関する国連の機関間グループ推定値に基づいた、ユニセフの分析によるもの。
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