【2020年3月20日 ニューヨーク発】
新型コロナウイルス(COVID-19)流行への対策によって、世界の何億人もの子どもたちは、虐待やジェンダーに基づく暴力、搾取、社会的排除、保護者の同伴がないなど、増大する安全や健康面の脅威に直面します。ユニセフ(国連児童基金)は、COVID-19による社会や経済への影響が高まる中で、子どもの安全・健康を確保するよう政府に要請するとともに、人道行動における子どもの保護のためのアライアンス(Alliance for Child Protection in Humanitarian Action)と共同で、対応する政府当局や組織向けに、子どもが直面するリスクと行動指針を示した一連のガイダンス(Technical Note: Protection of Children during the Coronavirus Pandemic)を発表しました。
<2020年4月10日追記> 本ガイダンスの日本語版を公開しました。 |
© UNICEF/UNI304653/Cui |
ガイダンスは、政府と保護当局が、COVID-19の予防および対応のすべての措置には、確実に子どもを守るため以下を含めることが不可欠だとしています:
© UNICEF/UNI313417/McIlwaine |
COVID-19によって、数カ月の間に世界中の子どもと家族の生活は一変しました。休校や移動制限により、子どもたちの日常生活と彼らを支えるシステムが制限されています。また、保護者には、仕事ができないという新たなストレスが加わっています。
COVID-19に関連し、暴力や心理社会的苦痛に対しより脆弱になっている子どももいます。また、女性と女の子特有のニーズや立場の弱さへの考慮を欠いた措置によって、性的搾取、虐待、児童婚のリスクが高まる可能性もあります。例えば、中国では最近、女性と女児に対する家庭内暴力の事例が著しい増
加を示しています。
「COVID-19の影響は、様々な形で、直接の感染者をはるかに超えて子どもたちや家族に広がっています」とユニセフ・子ども保護チーフのコーネリアス・ウィリアムズは述べました。「学校は休校し、親は子どもの面倒をみて、家計をやりくりするのに苦労しています。子どもの保護におけるリスクが高まっています。このガイダンスは、政府や保護当局に向けて、流動的で不確実なこの時期に、子どもの安全を守るための対策の骨子を提示します」
過去の公衆衛生上の緊急事態の間にも、子どもの虐待と搾取の割合が高まりました。たとえば、西アフリカで2014年から2016年にかけてエボラ出血熱が発生した際の休校措置は、児童労働、ネグレクト、性的虐待、10代の妊娠が急増する一因となりました。また、シエラレオネでの10代の妊娠の事例は、感染症発生前から倍増して1万4,000件に上りました。
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