【2020年4月7日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは、世界銀行や国際通貨基金(IMF)と連携し、新型コロナウイルス(COVID-19)で打撃を受けている最貧国への債務救済が必要と呼びかける以下の声明を発表しました。
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© UNICEF/UNI316642/Mohamed |
COVID-19の感染拡大は、全世界で前例のない経済危機を招いています。そして、各国ですでに起きているように、経済の崩壊は、非情にも不平等な形で進んでいます。
最貧国では、パンデミックにより国の経済及び財政環境が著しく悪化し、債務返済義務の遂行が困難になっているため、さらなる感染を防ぎ、国民を守ることができなくなっています。
最貧国で暮らす人々の多くは、収入が減り、食料へのアクセスが制限されています。さらに、社会的距離を保つことが不可能であり、手洗いするための石けんと水はぜいたく品で、質の高い医療サービスが存在しない環境にいます。すでに悲惨な状況は、今後も悪化する一方です。
© UNICEF/UNI318714/Wasel |
子どもの多くは、パンデミックによる直接的な健康への影響を免れていますが、結果としてもたらされる経済崩壊に苦しむことになるでしょう。 2億人以上の子どもが、債務に苦しむ、またそのリスクの高い国に暮らしています。債務の負担により、各国は感染拡大への対処に苦慮しています。
特に、低所得国は、公衆衛生上の緊急事態に対応するための支出を大幅に増やしながら、無条件の現金給付、失業者への収入保障、雇用保障などの社会保障システムを拡充或いは新たに設けることを余儀なくされています。
追加の支出が必要になることで、定期予防接種、妊産婦ケア、子どもの保護など、子どものための他の重要なサービスを犠牲にしてはなりません。この重要な時期に、国は子どもたちの未来を守るためにより多くの支出をする必要があります。
感染拡大を抑え、さらなる経済崩壊を防ぐために、ユニセフは世界銀行の総裁やIMFの専務理事と連携し、債権国に対し最貧国の債務返済義務を停止し、債務再編を行うよう呼びかけています。
国連事務総長のアントニオ・ グテーレスがG20に宛てた最近の書簡で述べたように、2020年の利払いの即時放棄を含む、債務再編が優先されなければなりません。債務返済の負担を緩和することにより、各国は経済危機の影響を抑え、感染拡大を抑えるために必要な対応を積極的にとることが可能になります。
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