メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2020年 >

新型コロナウイルス
南アジア、教育継続に多様な施策を 地域のインターネットアクセス率33%

【2020年4月6日  カトマンズ(ネパール)発】

南アジアでは、新型コロナウイルス(COVID-19)危機が発生する前でさえ、9,500万人の学齢期の子どもたちが学校に通えておらず、慢性的な教育危機を抱えていました。現在のCOVID-19危機の中、この地域で学校休校の影響を受けている4億3,000万人の子どもたちの多くが、現在、教育システムから脱落するリスクに晒されています。

学校に戻ることができない子どもも

アフガニスタンの子どもたち。 (2020年3月3日撮影)

© UNICEF/UNI308461/Fazel

アフガニスタンの子どもたち。 (2020年3月3日撮影)

厳しい状況の子どもや支援の届きにくい子どもたちが、学校休校中の代替的な学習方法が得られずさらに取り残されてしまった場合、学校に戻ることはできないかもしれません。

COVID-19の南アジア地域の児童・生徒への影響は、学期休暇や試験への対応の工夫によって短期的には軽減されていますが、各国は今後起こりうる長い休校に備えるために、継続的な家庭学習のための計画を緊急に策定する必要があります。これは、ラジオ、テレビ、モバイル技術をうまく活用しながら教育を継続することだけでなく、こうした機器や技術を入手したり使ったりできない最も疎外された子どもたちのために、印刷した学習教材を送付することなどを意味します。

「長期の休校が、女の子や障がいのある子どもを含めたもっとも弱い立場にある子どもたちに大きな打撃を与えることを懸念しています。女の子はしばしば家事や兄弟の世話を強いられます。また、ロックダウン期間中に家庭内暴力が増えることによる子どもたちへの心理的影響も心配です」と、ユニセフ南アジア地域事務所の地域教育アドバイザーのジム・アッカーズ(Ackers)は述べました。

先進各国ではオンライン学習を通じて家庭学習を続けていますが、南アジアではインターネットの接続性というさらなる課題に直面しています。この地域でインターネットにアクセスできる人は、わずか33%です。ラジオとテレビの両方へのアクセスも、不十分な地域があります。例えば、ネパールの農村部ではテレビを視聴できる人は35%に留まります。また、親が読み書きができなかったり教育を修了できていなかったりした場合、子どもたちは家庭学習をする中で必要なサポートをしてもらうことはできないでしょう。

子どもたちの将来が損なわれないように

小学校で授業を受けるインドネシアの子どもたち。(2020年2月14日撮影)

© UNICEF/UNI308936/Ijazah

小学校で授業を受けるインドネシアの子どもたち。(2020年2月14日撮影)

ユニセフはパートナー機関と協力し、子どもたちが自宅で教育を継続できるよう、この地域の政府を支援するために取り組んでいます。

アフガニスタンとネパールはともに、もっとも疎外されている子どもたちの家庭に学習教材届ける取り組みを始めました。バングラデシュは、インタラクティブで子どもや親にとって魅力的な学習を最大数の児童・生徒に届けるために、テレビ、ラジオ、携帯電話、インターネットを活用しています」とアッカーズは説明しました。このような対策は、質の高い学習を確保するために必要とされます。

「COVID-19は、学ぶ権利を含めた様々な面で子どもや若者を脅かす、複雑な緊急事態となりました」と、ユニセフ南アジア地域事務所代表ジャン・ゴフは述べました。「子どもたちの将来が損なわれないように、地域全体で緊急の対応を考える必要があります」

シェアする


トップページへ先頭に戻る