【2020年4月7日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)と世界宗教者平和会議(RfP)は、以下の共同声明を発表しました。
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© UNICEF/UNI242646/Husseini |
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは、全世界のすべてのコミュニティに、前例のない課題をもたらしました。仕事、教育、金融、家庭生活のシステムが停止し、人々の日常生活の大部分に影響を与えています。
未知の病の感染が拡大し、死者数が増え続ける中、子どもとその家族、特に女の子の脆弱性が高まっています。子どもたちは、健康と安全に対するさまざまな課題に直面しています。学校の休校、激しいストレス、暴力のリスクの増大、食料不安の高まりなどです。また、孤児の増加や、予防接種サービスの中断によって他の感染症の発生も見られます。そして、収入が減り、家計への圧迫がもっとも深刻になっている世帯に対し、経済的および物質的な支援を行う必要性が高まっています。
現在、多くの人々がさまざまな宗教的儀式(過越祭、イースター、ラマダン、ヴァイサキ(ウェサック)、レズワンなど)を控える中、諸伝統宗教の代表者が参加している世界最大規模の国際的宗教協力団体である世界宗教者平和会議(RfP)とユニセフ(国連児童基金)は共同で、「新型コロナウイルスに立ち向かうための諸宗教の行動イニシアチブ」(Multi-Religious Faith-in-Action COVID-19 Initiative)を立ち上げました。これは、パンデミックが世界の子どもたちに及ぼす影響について認識を高め、ともに行動することを目的とするものです。
© UNICEF/UNI318689/ |
本イニシアチブは、世界の子どもたちの成長と幸福を形づくる価値観、態度や行動に影響をもたらす、宗教指導者や宗教者の重要な役割を反映しています。「子ども、家族や地域のための前向きな行動変容のための宗教」(Faith and Positive Change for Children, Families and Communities)のグローバル・パートナーシップの下組織とされる本イニシアチブは、バハイ教、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教、ジャイナ教、ユダヤ教、シク教、ゾロアスター教、先住民の宗教など世界の宗教指導者たちから構成されるRfPの諸宗教評議会によって取りまとめられます。さらに、「信仰と地域コミュニティに関する共同学習イニシアチブ」(Joint Learning Initiative of Local Faith Communities:JLI)の協力の下、諸宗教間の若者と女性のネットワークも参加します。
このグローバル・パートナーシップは、COVID-19のパンデミックに対応するための宗教を超えた協働とコミュニティの動員強化に取り組みます。本イニシアチブは、各国政府や国連機関および多くの市民団体とともに、世界のすべてのコミュニティに、連携して以下に取り組むよう呼びかけます:
1.適応する
RfPとアクト・アライアンス(スイス・ジュネーブに本部を置く、プロテスタント、カトリック、正教会などの教会・団体が加盟する国際協力連盟であるACT Alliance)による共同声明、および宗教団体の集会、埋葬や儀礼に関するWHOのガイダンスに即した集会、儀礼や礼拝を行う。
すなわち、集会や礼拝、誕生、結婚、葬儀などの儀式を行う際、世界や各国の保健当局が示している、集会、物理的距離、その他公衆衛生上のガイダンスに従うことで、信者の健康と安全を守るとともに、宗教的指導者が果たすべき役割において、これまでとは別の手段を検討する。
2.広める
3.立ち向かう
すべての人の尊厳と権利を守るための行動を積極的に促すとともに、COVID-19に関連するあらゆる偏見・差別の蔓延を防ぐ。
4.提供する
© UNICEF/UNI318032/Robles |
地方行政と協力し、信仰に基づく女性や若者などの宗教コミュニティのネットワークを積極的に巻き込み、以下の組織化された奉仕活動を自発的に行う:
私たちは宗派を超えて団結し、子ども、家族、そして地域社会の生存、保護、そして発展のために力を尽くします。
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