【2020年4月20日 ジュネーブ/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)をはじめとする国連諸機関の各代表が、世界の最も脆弱な国に新型コロナウイルス(COVID-19)のもたらすリスクについて、警鐘を鳴らしました。
以下は共同で発表した公開親書の内容です。
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© UNICEF/UNI322641/Haro |
人類は、第二次世界大戦以来、最も困難な課題に同時に直面しています。COVID-19に国境はなく、国や大陸を選ばず、誰もがその標的になっています。おそらく、ワクチンを手にできるまでには少なくとも1年かかるでしょう。
この目に見えない敵との闘いにおいて、どの国も屈せずに闘わなければなりませんが、すべての国が同じスタートラインに立っているわけではありません。世界で最も脆弱な国々は、パンデミックに打ち勝つために人道支援と物資を必要とし、フライトのキャンセルや物資供給ルートの混乱は、非常に大きな打撃を与えています。感染拡大に歯止めがきかない状況になること、生活や経済が破壊されること、世界中に広がり続けることを阻止することは、すべての人にとって利益になります。
国連事務総長は3月25日、COVID-19人道支援計画を発表し、世界で支援活動を加速させるために20億米ドルの資金が必要であると呼びかけました。みなさまの迅速かつ寛大なご支援により、みなさまご自身がウイルスの影響で苦しんでいるにも関わらず、戦争、貧困、そして気候変動の影響下に置かれている人々の命を守ることができました。
これまでに、約5億5,000万米ドルがこの支援計画を実行するために提供され、多くの追加資金が新たに集まり、また約束されています。
国連中央緊急対応基金(CERF)は、COVID-19の対応を開始し、ウイルスの蔓延を抑制し、サプライチェーンを維持し、女性や女の子、難民や国内避難民を含む最も弱い立場に置かれた人々に支援と保護を提供するために、9,500万米ドルの資金を拠出しました。しかし、行うべきことはまだあります。
© UNICEF/UNI317382/ |
より多くの輸送を行うために、国連世界食糧計画(国連WFP)は、命を守り、ウイルスの蔓延を阻止するために重要な物流の中心を担い、必要な輸送拠点、チャーター船を手配するとともに、貨物用や医療従事者、その他の重要なスタッフ向けの航空機の手配に取り組んでいます。
支援計画のすべての要素は重要であり、継続的な資金調達が必要ですが、これらの共通の物流サービスがなければ、世界における対応は停滞する恐れがあります。今はその手を緩める時ではありません。すべての人が安全な状態になるまで、誰も安全ではありません。
私たち国連機関は、物流サービスの迅速な拡大が可能になるよう、世界的な緊急時物資輸送システムに3億5,000万米ドルの資金支援を求めています。
このサービスは、最も弱い立場に置かれた人々のためのCOVID-19への迅速で効率的な取り組みを可能にします。私たちの行動が遅れると、パンデミックを制御するための世界的な取り組みが損なわれてしまう恐れがあります。
COVID-19への対応の拡大には以下が含まれます:
© UNICEF/UNI319776/Tesfaye |
必要とされるものが何であれ、私たち人道支援機関は、人々の緊急のニーズに応えるべく取り組む所存です。誰もが必要とする共通のサービスを拡大することは、このニーズを満たすために不可欠です。
命を脅かすCOVID-19の脅威は、世界中のすべての国、すべての人に及んでいます。輸送を加速させる度に、より多くの命を守ることになるでしょう。COVID-19のパンデミックは、人類に前例のない挑戦を与えました。そして前例のない世界的な対応だけが、その拡大を止めることができるのです。
今こそ、共に前進し、不要な苦しみをなくし、すべての人にとってより良い未来の実現に向かって取り組む時です。
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