【2020年10月14日 ヤンゴン(ミャンマー)発】
ラカイン州での戦闘により子ども2人が命を落としたことを受けて、ユニセフ(国連児童基金)・ミャンマー事務所代表の功刀純子が共同議長を務める国連子どもの権利侵害調査・報告カントリー・タスクフォース (CTFMR)は以下の声明を発表しました。
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© UNICEF/UNI361860/Oo |
10月5日、ラカイン州ブティダウン(Buthidaung)で、タトマドゥ軍とアラカン軍の戦闘により少年2人が命を落としました。これは、15人の地元農民のグループの一員である子どもたちが、軍事キャンプへの道に地雷がないことを確認し、また敵の攻撃から兵士を守るために、タトマドゥ軍の部隊の前を歩くことを強いられた結果、起こったこととされています。道中、タトマドゥ軍とアラカン軍との間で戦闘が発生し、少年2人は銃で撃たれて死亡しているのが発見されました。
私たちはこの事件に深い悲しみとショックを受けており、2人の少年の家族に心から哀悼の意を表します。
2020年の国連事務総長による「子どもと武力紛争に関する年次報告書」に記載のある、子どもの徴用・使用をしている組織のリストからタトマドゥ軍が外れて1年と経たずにこの事件が起きたこと、そして2019年半ばより、タトマドゥ軍による非戦闘目的での子どもの使用が多く行われているブティダウンで発生したことを深く憂慮しています。私たちは、事件に対し透明性のある迅速な調査を行い、子どもの使用と死亡に責任のある者が責任を問われるよう求めます。
武装グループによる非戦闘目的での子どもの使用は、子どもの正式な徴用とは別の、より軽い違反とみなされるべきではありません。ミャンマーの児童権利法上、犯罪なのです。この痛ましい事件は、子どもたちが武装グループと関わった場合、それがどんな力や目的を持ったものでも、その期間にかかわらず、命を奪われたり、負傷したりする危険にさらされることを強く思い知らされるものです。
私たちはまた、ミャンマーでの子どもたちの殺傷事件の報告数が大きく増えていることを憂慮しています。2020年の最初の3カ月間で100人以上の子どもが紛争で死傷しました。これは2019年の総数の半数以上に達し、2018年の子どもの犠牲者の総数を大幅に上回っています。
ミャンマーが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策に取り組む中、すべての紛争当事者に対し、子どもたちがすべての重大な違反行為から守られ、人道支援とサービスへのアクセスを確保し、民間人を巻き込む武力行使を最大限に抑えるための取り組みを強化するよう求めます。
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国連安全保障理事会(安保理)決議1612号は、紛争当事国が武装グループを通じて、子どもに対する重大な違反行為を行っていることが確認された国に対し、国連が主導するCTFMRを設置することを義務付けています。CTFMR は、子どもに対する重大な違反行為について文書化し、検証し、国連安保理に報告する監視報告メカニズム(MRM)を確立することを任務としています。監視・報告される6つの重大な違反行為は以下の通りです。
CTFMR は2007 年にミャンマーに設立され、国連常駐調整官兼人道調整官のオラ・アルムグレンとユニセフ・ミャンマー事務所代表の功刀純子が共同で議長を務めています。ミャンマーのCTFMR には、関連する国連機関(UN RCO、UNICEF、ILO、UNFPA、UNHCR、UN OCHA、WFP)、セーブ・ザ・チルドレン、ワールド・ビジョンが参加しています。
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