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日本ユニセフ協会
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8/1-7は『世界母乳育児週間』
コロナ禍も母乳育児の保護を ユニセフ・WHO共同声明

【2021年8月2日  ニューヨーク/ジュネーブ発】

本年の母乳育児週間に際し、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアとWHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長は以下の共同メッセージを発信しました。

* * *

母乳育児は赤ちゃんへの最初のワクチン

アッサム州にある保健センターで、赤ちゃんに母乳をあげる母親。(インド、2021年7月9日撮影)

© UNICEF/UN0491471/Vishwanathan

アッサム州にある保健センターで、赤ちゃんに母乳をあげる母親。(インド、2021年7月9日撮影)

各国政府、ドナー、市民社会、民間セクターが一体となって取り組む「成長のための栄養:行動の年」である今年は、子どもの栄養不良をなくすという世界的な約束に対する取り組み方を変えていく歴史的な機会です。

この約束を実現するためには、母乳育児が重要な役割を果たします。

生後1時間以内に母乳育児を開始し、6カ月間は完全母乳育児を行い、その後少なくとも2年以上は母乳育児を続けることで、消耗症や肥満を含むあらゆる形の子どもの栄養不良を防ぐことができます。また、母乳育児は赤ちゃんへの最初のワクチンとしての役割も果たし、多くの一般的な小児疾患から赤ちゃんを守ります。

過去40年間で母乳育児率は向上しており、世界的には完全母乳率が50%増加していますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、こうした成果のもろさを浮き彫りにしています。

今回のパンデミックにより、多くの国で母乳育児支援サービスに大きな支障が生まれ、食料不安や栄養不良のリスクが高まっています。いくつかの国では、ベビーフード生産者が、母乳育児でCOVID-19が感染するという根拠のない不安を煽り、母乳育児に代わるより安全な方法として自社製品を販売して、さらにリスクを増大させているとの報告がありました。

コロナ禍も母乳育児の保護を

南西部にある病院で、生後11日の娘に授乳する母親。(カメルーン、2021年2月撮影)

© UNICEF/UN0419340/Dejongh

南西部にある病院で、生後11日の娘に授乳する母親。(カメルーン、2021年2月撮影)

今年の世界母乳育児週間は、「母乳育児の保護:皆で担うもの」というテーマのもと、母親と赤ちゃんにとって母乳育児がしやすい環境を優先することによって、今年初めに決めた約束に立ち返る機会となっています。これには以下が含まれます。

  • 「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」が政府、保健員、ベビーフード業界によって完全に実施されるようにすること。
  • 「赤ちゃんにやさしい病院イニシアティブ」や「母乳育児カウンセリングに関するガイドライン」などの世界的な取り組みを通じて、保健員が母親の母乳育児を効果的に支援するために必要な資源や情報を得られるようにすること。
  • 雇用者は女性の授乳に必要な時間と場所を確保すること。これには、有給の育児休業とより長い産前産後休業、職場における母乳育児ができる安全な場所、手ごろな価格で良質な保育サービスの利用、誰もが受け取れる児童手当と十分な賃金が含まれる。

9月の「国連食料システムサミット」と12月に東京で行われる「東京栄養サミット2021」に向けて、各国政府、ドナー、市民社会、民間セクターは世界的な栄養危機を乗り越えるために、より強力な政策、プログラム、活動を通じて、母乳育児の保護、促進、支援を含む賢明な投資と取り組みを行う機会があります。

今は私たちの野心を捨てる時ではありません。今こそ、高い目標を掲げる時です。全ての子どもたちが母乳育児に始まり栄養価の高い、安全で手頃な価格の食料と十分な栄養を得る権利を、生まれた瞬間から実現することを約束します。そして私たちは「成長のための栄養:行動の年」を成功させるために尽力します。

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