2021年10月19日カブール(アフガニスタン)発
ユニセフ(国連児童基金)は、アフガニスタン国内で増加している下痢性疾患に対応するため、急性水様性下痢症(AWD)対応キットや医薬品を含む、約40トンの医療物資を首都カブールに届けました。この医療物資は、ユニセフの緊急支援の一環で、下痢性疾患による脱水症状に苦しむ約1万人の治療に役立てられます。
症例数1,500件を超える
この数週間で、カブール市とその周辺地域で報告されている急性水様性下痢症の症例数は、1,500件を超えました。それに加え、アフガニスタンでは、5歳未満児の栄養不良、はしかの流行、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる継続的な影響など、憂慮すべき状況が続いています。
ユニセフ・アフガニスタン事務所代表のエルベ・ルドビック・デ・リスは「アフガニスタンの子どもたちは、彼らの生活を支えている保健システムが崩壊寸前であるため、命にかかわる無数の脅威に直面しています。ユニセフは、アフガニスタンの家族にとって重要なこの時期に、人々の急性水様性下痢症を治療するために必要な物資が保健施設に確実に届くよう支援を続けています」
ユニセフとパートナーは、保健施設への急性水様性下痢症対応キットの支援に加えて、家族が予防に関する情報を入手できるようにしたり、予防に欠かせない基本的な衛生キットや安全な水を提供したりと、取り組みを拡大しています。
ユニセフ物資供給センター長のエトレバ・カディリは「急性水様性下痢症が発生し、治療を受けられない日が続くと、子どもたちの命が脅かされます。そうした一刻を争う場合は、物資を迅速に届けることが特に重要であり、緊急に対応することは私たちの責務です。私たちは、困難な状況下でも、命を守る物資を必要としている人々に提供できるよう、懸命に取り組んでいます」と述べました。今後数週間のうちに、さらに9万人分の支援物資が届けられる予定です。
■ ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い
世界中で起きている紛争や武力衝突、感染症の流行など人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。アフガニスタンの子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。