2021年11月20日ニューヨーク発
「世界子どもの日」である11月20日、世界各地でイベントが行われ、子どもや若者が声を上げ、彼らにとっての重要な問題に対して緊急に行動するよう求めました。ユニセフ(国連児童基金)はこの日を子どもによる、子どものための行動の日と位置づけ、子どもたちの活動を後押ししています。
子どもや若者の声の実現に向け
ユニセフ事務局次長のシャーロット・ペトリ・ゴルニツカは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的なパンデミック、貧困の拡大や社会不安の中、世界子どもの日は、より良い世界を作ろうという若者たちの揺るぎない希望と決意を称える時です。COVID-19からの復興への道のりにおいて、子どもや若者を意思決定の中心に据えなければなりません。明日のリーダーとして、彼らには今日の決断に携わる権利があります」と述べました。
今週、ユニセフとギャラップ社は、子ども時代に関する初めての世代間意識調査を発表しました。これによると、若者は年上の世代(この調査では40歳以上)と比較して、世界がより良い場所になっていると考える割合が50%も高い一方で、COVID-19や気候変動などの深刻化する危機への対応には焦りを感じていることが分かりました。また、日本はインターネットの利用状況やLGBTQ+への意識などにおいて世代間格差が大きいことも示されました。
日本や世界でイベント開催
より良い世界を求める子どもや若者の声を聞き、それを広めるために、各国首脳や閣僚、企業も、オンラインや対面のイベントに参加しました。例えば、
- この日、日本ユニセフ協会は、子ども庁や子ども基本法を含めた、これからの日本の子ども施策について考える、国会議員も参加するオンラインイベント「日本子どもフォーラム」*を、日本財団との共催で開催しました。イベントに先立ち、「日本のリーダーに伝えたいこと」として、オンラインで子どもたちの声を集め、その一部は、登壇した国会議員や国内外の専門家に直接伝えられました。また、イベントには中高生3人が参加し、「子どもに関係する政策やしくみについては、子どもにわかりやすい言葉で説明してほしい」、「子どもが安心して何でも話せる機関が必要」などと訴えました。
*日本子どもフォーラムの報告レポートは後日、日本ユニセフ協会ウェブサイトに掲載されます - ユニセフが、西部・中部アフリカにおいて、第1回「サヘルからの若者の声」公開討論を開催しました。専門家や政治関係者、著名人、そして8~25歳の100人以上の若者が集まり、気候変動に焦点を当てた討論を行い、リーダーたちに向けて一連の提言を行いました。
- 子どもと若者が、4カ国(ボツワナ、ナミビア、ザンビア、ジンバブエ)の国境が交わるカズングラ橋において、それぞれの国の首脳と会談を行いました。子どもたちへの支援を象徴するように、橋は青くライトアップされました。デンマーク、ギニアビサウ、ガイアナ、オマーン、トルコ、スイスなど、他の国々でも各国首脳や閣僚、政府関係者が子どもたちと面会しました。
- ユニセフ親善大使や著名な支援者は、それぞれのプラットフォームを活用して、子どもの権利や若者に影響を与える問題に対する認識を世界的に高めるよう努め、支援を募りました。今年の世界子どもの日のビデオにおいて、ユニセフ親善大使のミリー・ボビー・ブラウンは、子どもたちに対し「おとなを信じよう。諦めないで」と話しました。また、子どもはおとなから指示を受けることが多いと指摘し、これまでとは逆に、おとなは子どもの話に耳を傾けるよう呼びかけました。
- バングラデシュ、コロンビア、フィジー、ガンビア、インドネシアなどの子どもや若者は、ニュース編集室や新聞社、放送局のスタジオを“乗っ取って”、彼らにとって重要な問題について報じました。
- フランスのエッフェル塔、インドのラシュトラパティ・バワン、ネパールのダラハラ塔、アラブ首長国連邦の2020年ドバイ国際博覧会、中国の万里の長城の一部、ルーマニアのブラン・ドラキュラ城をはじめ、他にもボスニア・ヘルツェゴビナ、ドイツ、パナマなど世界各地の象徴的なランドマークや建物が、団結のシンボルとして青く染まりました。
子どもの権利条約が採択されたことを記念する、11月20日の「世界子どもの日」は、適切な保健・医療、栄養、教育、そして保護を受ける権利を否定されている何百万人もの子どもたちへの認識を高め、子どもたちの未来を議論する上で不可欠な子どもたち自身の声を高めることを目指しています。