2022年11月7日ゴマ(コンゴ民主共和国)/ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)は本日、コンゴ民主共和国東部の戦闘から逃れた数千人の子どもたちが、過密かつ不衛生な国内避難民(IDP)キャンプで非常に危険な状態にあると、警鐘を鳴らした。
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戦闘激化により国内避難民急増
危機の規模が拡大し、毎日新たに国内避難民がキャンプに到着する中、コンゴ民主共和国東部の治安は悪化し、人道的アクセスが厳しくなりつつあります。同国東部では2022年10月20日以来、政府軍と反政府武装勢力M23(「3月23日運動」)との戦闘が激化し、主に北キブ州のルチュル地区からゴマ市北部のカニャルチニャとキバティ、またルベロ地区へと何千人もが避難しています。
ユニセフの緊急支援マネージャーのドゥニア・デキリは「国内避難民キャンプは大きな危険をはらんでいます。コレラの脅威に加え、過密に人がいるキャンプの中で、子どもや若者たちはジェンダーに基づく暴力を受ける危険にさらされています」と述べています。
紛争は、ルチュルとゴマを結ぶ南北の線に沿ってさらに南と北に拡大していて、人々の大規模な移動につながっています。これらの人々は、直近の2022年3月下旬にルチュル地区で始まった戦闘で住処を追われた、約20万人の避難民に加わることになります。
過密で不衛生な避難民キャンプ
この10日間で約10万人が、ゴマとルベロにある急ごしらえの過密な仮設キャンプに避難しています。彼らは今にも壊れそうなテントで生活しており、頻発する暴風雨から身を守ることはできません。衛生的な水が足りないため、多くの人々はコレラの流行の危険にさらされています。 また防水シートを持たずに、野外で寝ることを余儀なくされている人も多くいます。
「この避難の混乱の中で、190人近くの子どもが家族や養育者と離ればなれになり、これまでにニーラゴンゴ地区だけで約80人を家族と再会させました。危機が進行するにつれ、おとなの同伴者のいない子どもや武力紛争に巻き込まれた子どもたちがさらに増えることはほぼ間違いないでしょう。また、飲料水やトイレ、十分な食料を提供することも大きな課題となっています。これらのキャンプで暮らす何千人もの人々の生命は、重大な危険にさらされていると言っても過言ではありません」とデキリ・ユニセフ緊急支援マネージャーは付け加えました。
住環境の質を向上させるために
不安定で予測不可能な環境にもかかわらず、ユニセフとパートナー機関たちは、最も弱い立場にある人々に対して、水と衛生、子どもの保護、保健、栄養に関する支援を提供し続けています。長期的には、学校の再開に向けた取り組みも進められています。
ユニセフとそのパートナー機関は、ニーラゴンゴ地区及びカニャルチニャの周辺地域にて、トラックで水を輸送することを開始し、毎日約100トンの飲料水を避難民に提供しています。
カニャルチニャで少なくとも6人のコレラ感染の疑いが報告されている中で、これまでに200世帯がコレラ予防のため、家庭用消毒剤とコレラキットの配布、衛生啓発活動の戸別訪問を受けています。さらに、深刻な栄養不良を防ぐための緊急の保健・栄養ケアも、国内避難民と受け入れコミュニティに対して提供されています。
ユニセフ・コンゴ民主共和国ゴマ現地事務所代表のジャン・メテニエは、「今優先すべきことは、安全な水と衛生設備へのアクセスを提供し、姉妹機関やパートナー団体と協力して食料を届け、住環境の質を向上させることです。私たちはすべての紛争当事者に、暴力をやめ、子どもたちとその親を保護し、平和を追求するよう求めます。ここでの苦しみはすぐにでも終わらせなければならないのです」と述べています。
注記:
危機の発生以来、ユニセフとそのパートナー機関は、水と衛生、保健、栄養、緊急教育に関する支援の提供に取り組んできました。非常に不安定で予測不可能な状況の中、ユニセフとパートナーは、この危機の影響を受けた、ルチュルやキワンジャの最も弱い立場にある避難民を支援しています。また、さらに多くの国内避難民が到着しつつある、人々が避難している様々な場所で、支援を続けています。避難家族には、バケツや石けん、浄水錠、生理用品などの非食料品を配っています。