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日本ユニセフ協会

人道危機緊急募金情報

中東・北アフリカ地域の人道支援計画発表
約半数の国が危機下に ユニセフ、高まる子どものニーズに26億ドルの資金要請

2022年12月13日アンマン(ヨルダン)

過去最高の緊急資金要請の一環として、ユニセフ(国連児童基金)は2023年に中東と北アフリカ地域の5,270万人以上の子どもたちの命を守る支援を提供するため、26億米ドルの緊急資金を要請します。

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半数近くの国が危機的状況

北東部のアルホル難民キャンプで、ユニセフが支援する予防接種を受けた2歳の子ども。(2022年10月撮影)

© UNICEF/UN0739614/Souleiman
北東部のアルホル難民キャンプで、ユニセフが支援する予防接種を受けた2歳の子ども。(2022年10月撮影)

ユニセフの中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルは、「この地域の半数近くの国が危機的状況にあるか、紛争や戦争の連鎖的な影響下にあります。子どもたちは変わらず最も大きな影響を被り、支援を大々的に必要としています。年を追うごとに、悲惨な状況が悪化し、多くの家庭が多層的危機の影響に直面して、さらに貧しくなっています」と述べています。

この地域では、世界で最も長く続く紛争が複数存在しています。シリアでは約12年にわたる紛争により、650万人以上の子どもたちが支援を必要としています。イエメンは依然として世界最悪の人道危機を抱えており、国内のほぼすべての子どもたちが支援に頼っています。レバノンの複合的な危機と、スーダンの不安定な状況により、さらに数百万人の子どもたちが危機的な状況で生活することになりました。

「これらの緊急資金が確保されれば、ユニセフは紛争や人道危機の影響を受けている子どもたちに、適時かつ適切な方法で支援を行うことができます。ユニセフは、中東・北アフリカ地域の子どもたちのニーズへ対応する上で大切な、すべてのドナーに感謝しています。この地域の子どもたちの健康的な生活と福祉に寄与するためには、適時で確実性が高く、かつ柔軟な資金提供が不可欠です」と、ホドル代表は明言しました。

高まる子どものニーズ

南ダルフールの保健センターで、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を口にする生後9カ月のイムランちゃん。(スーダン、2022年10月撮影)

© UNICEF/UN0749092/Zehbrauskas
南ダルフールの保健センターで、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を口にする生後9カ月のイムランちゃん。(スーダン、2022年10月撮影)

長年にわたり、ユニセフはこの地域の紛争や危機への対応において戦略的な取り組みを行っており、緊急人道支援の提供のみではなく、体系強化、リスクに配慮した支援プログラムの計画、また緊急事態への対策や準備にも重点を置いています。またユニセフは、地元のコミュニティに参加してもらい、支援対象の人々に対して責任を果たすことがいかに重要であるかを自覚しており、地域のパートナーと協力し、子どもたちの能力を高め人道支援の計画に参加するよう促しています。長期的な進展と効果を確実にするために、パートナーシップの構築と必要なリソースの動員にも力を注いでいます。

2022年、ユニセフは中東・北アフリカ地域の子どもたちとその家族のニーズへの対応を続けました。

当該地域全体でのユニセフの主な活動は以下の通りです。

  • 約280万人の子どもたちが公式または非公式な教育を受けられるよう支援し、120万人の子どもたち個々に学習教材を提供
  • 重度の急性栄養不良(SAM)に苦しむ33万8,000人以上の子どもたちに治療を提供
  • 生きるために必要な水と衛生に関する物資、および飲用・調理用・個人衛生用の安全な水へのアクセスを約1,310万人に提供
  • 約140万世帯に人道的現金給付を実施
  • はしか、破傷風、ポリオ、ジフテリア、B型肝炎、ロタウイルスに対する定期ワクチンを約490万回分調達および配布
  • 78万人以上の子どもたちと養育者にメンタルヘルスおよび心理社会的支援サービスを提供

 

注記:

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