2023年4月7日東京発
4月1日、「こども家庭庁」が発足し、「こども基本法」が施行されました。
子どもの権利の実現にともに取り組む
ユニセフ(国連児童基金)および日本ユニセフ協会は、子どもの権利条約に則り、すべての子どもの命と権利が守られる世界をめざして活動しています。日本ユニセフ協会会長の赤松良子は、「子どもの権利条約の精神に則るこども基本法の施行、そして、『こどもまんなか社会』の実現をめざし、子どもの意見を聴き、子どもの最善の利益を考え、子どもの権利を守ることを謳うこども家庭庁の誕生は、私たちユニセフにとって大変心強く、喜ばしいことです。日本のすべての子どもの権利が守られるよう、ともに取り組んでいきたいと思います」と述べています。
日本ユニセフ協会は、こども基本法の成立に向け、積極的に働きかけを行ってきました。日本の子どもの精神的幸福度の課題を示し、子どもの意見を聴くことや、子どもに関わる政策を調整することを提言したユニセフの報告書「レポートカード16」は、国会でも何度も取り上げられ、こども基本法やこども家庭庁の誕生を、強く後押ししました。
こども・若者の意見を政策に反映~協会も仕組みづくりに協力
また、こども家庭庁の発足に先立ち、先月24日に発表された、子ども・若者の意見を政策に反映するための仕組み、「こども若者★いけんぷらす」が作られる過程にも関わっています。昨年9月、「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会」において、ユニセフ本部や他のユニセフ国内委員会の協力を得て、先進国で子ども・若者の意見を政策に反映させる常設の仕組みがある国の事例を紹介しました。これらの事例はその後詳細に調査され、今回の仕組み作りに役立てられました。
こども家庭庁では、現在、「こども若者★いけんぷらす」の参加者を募集しています。登録をした子ども・若者は、こども家庭庁や各省庁が示したテーマだけでなく、自ら選んだテーマについて、意見を伝えることができます。また、この取り組みの運営に関わる、子ども・若者の「運営パートナー(仮)」の募集も行われています。
「こども若者★いけんぷらす」(こども家庭庁ホームページ)
「子どもが自分に関係のあることについて意見を言えて、おとなに受け止めてもらえることは、子どもの権利条約の大切な柱のひとつです。今回、日本にはすばらしい仕組みができました。多くの子ども、若者の皆さんの参加を、私たちも期待しています」(赤松会長)
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■ 「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会」について
こども家庭庁設立準備室によって2022年8月から本年2月にかけて検討が進められ、3月に報告書がとりまとめられました。日本ユニセフ協会は第2回の検討委員会に参加しています。
調査研究報告書(こども家庭庁ホームページ)
■ その他のユニセフ・日本ユニセフ協会とこども家庭庁(準備室)との直近の関わり
日本ユニセフ協会は昨年6月、「こども家庭庁設置法」および「こども基本法」が国会で成立したことを受けて、野田聖子こども政策担当大臣(当時)を訪問し、ユニセフ事務局長キャサリン・ラッセルの歓迎メッセージをお渡ししました。
10月には、来日したユニセフ事務局次長カリン・フルショフが、小倉將信こども政策担当大臣を表敬訪問し、直接、こども家庭庁・こども基本法に関する歓迎のメッセージを伝えました。大臣からは、こどもの意見反映の仕組みづくりの検討過程における、日本ユニセフ協会からの協力に対し謝意が示され、子どもの権利条約の普及啓発を含めた、こども政策に関する日本政府とユニセフのさらなる連携の強化に向けて、意見交換が行われました。