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日本ユニセフ協会

自然災害緊急募金

リビア洪水 影響受ける子ども30万人近くに
ユニセフ、650万米ドルの資金要請 現地代表「感染症や栄養不良の致命的な二次災害も」

2023年9月14日ニューヨーク/アンマン(ヨルダン)/トリポリ(リビア)

リビア東部全域で推定30万人近くの子どもが、「ストーム・ダニエル」と呼ばれる激しい暴風雨の影響を受けています。多くの家屋、病院、学校、そして重要なインフラに大きな被害が出たことから、人道支援を切実に必要としている子どもと家族が増え続けています。

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紛争により深刻な影響を受けていたリビア

洪水の被害を受けた町の様子。(リビア、2023年9月11日撮影)

© UNICEF/UNI435917/Alturki
洪水の被害を受けた町の様子。(リビア、2023年9月11日撮影)

暴風雨はリビア東部でダムを決壊させ、多くの町で建物を破壊し、地域全体に大惨事をもたらしました。特にアルバイダ、アルマルジュ、そして海岸沿いの都市デルナが大きな被害を受けました。人口約9万人のデルナは、すでに紛争により深刻な影響を受けていた中、今回の甚大な被害を受け、復興への道のりはさらに何年も後退しました。

報道によれば5,000人以上の命が奪われ、さらに多くの人が行方不明になっています()。国内避難民として大勢の人が学校をはじめとするさまざまな場所で避難生活を続けていますが、うち少なくとも3万人が依然として周囲から孤立しており、アクセスができない状況にあります。現在、少なくとも3つの病院の機能が停止しており、少なくとも10のプライマリー・ヘルスケア・センターが浸水しています。

※ < 2023年9月19日追記>
OCHA(国際連合人道問題調整事務所)による9月18日時点の発表では、約4,000人の死亡が確認され、9,000人以上が行方不明。

命を守るための支援を拡大

洪水により破壊された自宅や町の光景を前に、何時間も立ち尽くす男性。(リビア、2023年9月13日撮影)

© UNICEF/UNI435919/Alturki
洪水により破壊された自宅や町の光景を前に、何時間も立ち尽くす男性。(リビア、2023年9月13日撮影)

洪水被災地を訪れたユニセフ(国連児童基金)リビア事務所代表のミケーレ・セルヴァデーイは以下のように述べています。「リビアの子どもたちは、10年以上にわたる紛争の後に、再び悲劇に直面しています。私たちの優先課題は、命を守るための支援を拡大することであり、とりわけ保健物資、水・衛生物資、心理社会的支援の提供および家族の捜索、さらには水を媒介とする感染症の予防にあたります。破滅的状況を防ぐには、一刻の猶予も許されません。世界中の過去の災害から私たちが学んだのは、洪水の余波の方が、異常気象の発生そのものよりも子どもたちに致命的な影響を及ぼすということです。子どもたちは最も脆弱な立場に置かれており、病気の集団感染、安全な飲料水の欠如、栄養不良、学習の中断、暴力などの高いリスクにさらされているのです」

リビアでの洪水は子どもたちにとって、死傷するという目の前の危険だけでなく、健康と安全に対する深刻な危険ももたらしています。安全な水の供給が損なわれることで、下痢症やコレラのまん延、また脱水症状や栄養不良の可能性が著しく高まります。同時に、親を失ったり、家族と離ればなれになったりした子どもは、暴力や搾取などの危険にさらされやすくなります。

家族の捜索などが優先課題

洪水によりインフラや道路が破壊され、家や車などが水に飲みこまれたデルナの町の様子。(リビア、2023年9月11日撮影)

© UNICEF/UNI435915/Alturki
洪水によりインフラや道路が破壊され、家や車などが水に飲みこまれたデルナの町の様子。(リビア、2023年9月11日撮影)

ユニセフは1957年以来、リビアの子どもたちのために活動を続けており、このたびの緊急の人道的対応を支援するために、不可欠な物資を提供しています。その中には、1万人分の必須医療物資、1,100セットの衛生キット、水処理用品、500人分の子ども用衣類キットなどが含まれます。

ユニセフは、命を守る緊急支援のために少なくとも650万米ドルを必要としています。アルバイダ、アルマルジュ、ベンガジ、デルナなどの被災地で、人道支援を必要としている子どもや家族を支援するユニセフの態勢は整っています。当面の優先課題は、安全な飲料水、医療物資、移動式保健チーム、心理社会的支援、および家族の捜索です。

必要な人道支援の全容は、今後、現地での状況調査が進むにつれて明らかになっていきますが、ユニセフは復旧・復興に向けて、特に保健・水・教育施設について、当局と協力していく用意があります。

 

ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い

地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。リビアで発生した洪水の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

お寄せいただいたご寄付は、被災した子どもと家族が1日でも早く日常生活を取り戻せるように、安全な飲み水や衛生用品等の緊急支援物資の提供、教育の再開支援、子どもの心理社会的サポートなど、ユニセフが被災地で行う緊急・復興支援活動に役立てられます。

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