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日本ユニセフ協会

ストーリー

ベネズエラ
4歳で栄養不良と診断された女の子が
ユニセフの継続的な支援で元気な小学生に

2024年11月12日スリア州(ベネズエラ)

© UNICEF/UNI659794/Pocaterra
通っている小学校の校舎の前で、ほほ笑むアニータさん(ベネズエラ、2024年6月12日撮影)

アニータさん(7歳)はベネズエラにある先住民族ワユーの集落、エトニア・グアヒラで暮らしています。笑顔を見せ、元気いっぱい遊び、毎日学校に通う彼女ですが、4年前は全く異なる状況にありました。当時のアニータさんは急性栄養不良で衰弱しており、親族からは生き延びられないのではないかと心配されていました。

© UNICEF/UNI309282/Pocaterra
急性栄養不良と診断されてユニセフの支援で治療を受け、回復の兆しを見せていた4年前のアニータさん(ベネズエラ、2020年1月31日)

4年前、ユニセフの現地パートナー団体の職員で、地域の児童福祉相談員のマリベル・フェルナンデスさんは、深刻な状況にあったアニータさんを目にして、栄養治療プログラムを受けさせるべきだと判断しました。マリベルさんの上司であるジャネット・マケンガ所長は、当時のアニータさんの状態について、「体重はわずか6キロで、やせ細って骨と皮だけでした。すぐに医師の元に連れていきました」と話します。

栄養治療プログラムを受けられるようになったアニータさんは、処方された栄養補助食とビタミン剤を摂り、地域の児童福祉相談員が毎日アニータさんの経過を確認しました。その結果、1カ月後には体重は800グラム増え、アニータさんは体を起こして座ったり、少しずつ歩いたりできるようになりました。その後も治療と児童福祉相談員による日々のフォローアップのおかげで、アニータさんは十分な回復を遂げ、短期間のうちに元気な姿を見せるようになりました。

包括的・継続的な支援が支える、子どもの健やかな成長

しかし、アニータさんの健やかな成長に影を落としている問題は他にもありました。アニータさんの暮らす集落では、子どもたちが、出生登録されていないことで身分証明書がなかったり、保健サービスや教育を受けられなかったり、暴力にさらされたりするなど、さまざまなリスクに直面しています。

アニータさんの場合、そうしたリスクはさらに大きいものでした。まだ赤ちゃんだった頃に、母親が集落を出て行ったからです。「アニータの母親は『午後に迎えに来るから、しばらくこの子の面倒を見ていて』と私に言って出かけたきり、帰ってきませんでした。その後、近所の人が、母親はコロンビア行きのバスに乗っていたと教えてくれました」と、おばのオルガさんはアニータさんを預かった日のことを話します。「それから私がアニータを育て、今では法的にも私の娘です。アニータには教育を受けてほしいです」とオルガさんは言います。

エトニア・グアヒラ集落が直面する数々の課題に対して、ユニセフと現地パートナー団体は、包括的な支援を行っています。1,800人の子どもたちの身分証明書の取得を支援したほか、集落や近隣に住む1万人以上を対象に、子どもの保護やよりよい養育環境などについて、研修や啓発活動を実施しました。また、1,200人の生徒が通う地域の学校において、補習プログラムの実施や給水施設の修繕などの支援を行っています。

© UNICEF/UNI659737/Pocaterra
地域の児童福祉相談員のマリベルさん(右)と話す、アニータさんとおばのオルガさん(左)(ベネズエラ、2024年6月12日撮影)

 

© UNICEF/UNI659740/Pocaterra
自宅の庭のテーブルに集まって楽しそうに遊ぶアニータさんといとこたち(ベネズエラ、2024年6月12日撮影)

 

アニータさんもこうした包括的な支援の恩恵を受けた一人です。先の栄養治療にはじまり、ユニセフと現地パートナー団体の支援によって身分証明書を取得し、現在はユニセフが支援する学校に通っています。継続した支援がアニータさんの健やかな成長を支えています。「学校も好きだし、遊ぶのも好き」と、アニータさんは母語のワユ語とスペイン語を混じえた言葉で話します。

小学1年生になったアニータさんを見て、マリベルさんは言います。「彼女の変化が私たちに教えてくれるのは、問題意識を持ち、正しい知識を得て、物事は改善できると知れば、私たちはさまざまな困難を乗り越えられるということです」。

ユニセフは、すべての子どもの命と権利を守るため、最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、約190の国と地域で活動しています。皆さまからのあたたかいご協力が、アニータさんのような子どもたちへの包括的・継続的な支援につながっています。

© UNICEF/UNI659863/Pocaterra
補習プログラムで文字を書く練習するアニータさん(ベネズエラ、2024年6月12日撮影)

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

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※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

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