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日本ユニセフ協会

ストーリー

Dear adults~おとなの皆さんへ
世界の子どもたちからの手紙 未来に向けて伝えたいこと

2024年12月4日ニューヨーク・東京

© UNICEF/Video
世界のおとなたちに宛てた手紙を書くラフィフさん(ガザ、2024年撮影)

おとなの皆さんへ――。
ユニセフは「2050年にどんな世界になってほしいか」をテーマに、世界各地の子どもたちに、それぞれの願いや考えをおとなに伝える手紙を書いてもらいました。パレスチナ・ガザ地区、ミクロネシア、インド、ベネズエラなどから届いた手紙には、紛争や気候変動が子どもたちの暮らしに与える影響や、すべての子どもに保障されるべきこととして、「子どもらしく過ごせること」、「毎晩お腹いっぱいになって、幸せな気持ちで寝床に付けること」など、子どもたちの率直な意見が綴られています。

ユニセフ本部の公式ウェブサイトに掲載された世界中の子どもたちからの手紙(英語)のうち、以下では5通を日本語でご紹介します。子どもたちが私たちおとなに宛てた手紙をご一読下さい。


「大好きな家に帰りたい」
ラフィフさん(11歳、パレスチナ)

© UNICEF
ラフィフさん。ガザ地区南部で避難生活を送る(ガザ、2024年撮影)

おとなの皆さんへ

私の名前はラフィフ、11歳です。ガザ市で生まれ育ちましたが、戦闘の激化により、今はガザ地区南部に避難しています。ここに、世界中のおとなの皆さんに伝えたいことを書きます。

私たちガザの子どもたちは戦争の影響を大きく受けています。私の願いは、朝起きて、爆撃の音が聞こえてきたり、破壊された街を目にしたりすることなく、きれいで安全な学校に通えることです。

おとなになったら、旅をしたいですし、大学に進学してエンジニアになれるよう、しっかりとした教育を受けたいです。私たちには、安全に暮らし、遊び・学び、自由に移動する権利があります。また、美しい未来を築く権利があります。

ガザ市にある大好きな家に帰りたいです。
手紙を読んでくださってありがとうございます。

ラフィフより

「力を合わせれば、豊かな地球環境を取り戻せる」
オマールさん(12歳、ミクロネシア)

© UNICEF/Video
オマールさん。将来の夢は海洋生物学者になること(ミクロネシア、2024年撮影 )

世界中のおとなの皆さんへ

僕の名前はオマール、12歳です。ミクロネシアにある美しい島、ポンペイ島から手紙を書いています。
島の子どもたちはみんな、周りを取り囲む美しい海と特別な絆で結ばれています。僕自身も、海に行ってその美しさを探求するのが好きです。

海への熱い想いを追い求めるため、おとなになったら海洋生物学者になりたいです。でも、僕の夢に立ちはだかっていることがひとつあります。それは「気候変動」です。

気候変動の影響によって、僕の島では大きな問題が2つ起こっています。1つ目は、海水の温度が上がることで褐虫藻が減って、サンゴが光合成による栄養を得られなくなり、育ちにくくなっていることです。その結果、多くの生物も生きられなくなります。

2つ目は、今年初めにこの地域を襲った干ばつです。何日も水なしの生活を送り、農家の作物も育たなくなりました。これも全て気候変動によるものです。気温が上昇すると水分がどんどん蒸発して、土に含まれる水が減り、地面が乾燥して草が生えなくなるからです。

こうした状況に対して、太陽光や風力発電のようなクリーンなエネルギー源を推進することで違いを生み出せます。温室効果ガスの排出を減らし、環境を守ることにつながります。僕たちみんなが力を合わせれば、豊かな地球環境を取り戻せると信じています。

最後にもうひとつ。島に関わる意思決定の場に、僕たちも参加させてください。僕たち子どもは明日のリーダーです。今日の僕たちの夢を応援することは、僕たちを立派なリーダーへと成長させる助けになります。

オマールより

「成功をつかむのに必要な支援を得られる世界を」
ガウランシさん(17歳、インド)

© UNICEF/UN0733653/Topgyal
ガウランシさん。2022年5月のデフリンピックでは、バドミントン女子団体で金メダルを獲得(インド、2022年11月1日撮影)

おとなの皆さんへ

ナマステ(こんにちは)!私の名前はガウランシ、17歳です。インドから手紙を書いています。
私は国際試合に出場するバドミントン選手で、障がいのある子どもたちの権利向上のために活動するユニセフ・インドのユースメンバーでもあります。私は両親と同じように聴覚と言語の障がいがありますが、両親の愛情とサポートのおかげで、夢を追うことができています。

すべての子どもが能力に関わらず、自分は社会の一員であり、価値ある存在だと感じられる世の中になることを願って、私はこの手紙を書いています。

悲しいことに、障がいのある子どもたちは日々さまざまな壁に直面しており、学校へ行くことも、スポーツをすることも、必要な医療を受けることもできない状況にある子どももたくさんいます。世界には障がいのある子どもが2億4,000人以上いますが、その多くは社会から取り残されていると感じています。

私はバドミントンを通して、自信とチームワークを身につけることができましたが、障がいのある子どもたちはプレーの機会すら得られないことも少なくありません。

私は、すべての子どもが学校や遊び場で、学んだり遊んだりしながら、子どもらしく過ごせることを願っています。すべての子どもが公平に扱われ、成功をつかむのに必要な支援が得られる、そんな世界になることが必要です。

どうか私たちの声に耳を傾けてください。より良い世界に向けて、私たち子どもには希望と夢があります。私の手紙をお読みいただき、ありがとうございます。

ガウランシより

「平和になれば、すべてが変わる」
ヘインさん(13歳、ミャンマー)

© UNICEF
ヘインさん。サッカーが大好き(ミャンマー、2024年撮影)

おとなの皆さんへ

私の名前はヘイン、13歳です。ミャンマー出身です。夢は、エンジニアになって自国ミャンマーに強度があって美しいビルを建てることです。

でも今、それ以上におとなの皆さんにお願いしたいのは、民主主義の実現です。自由であることを望んでいるのに、自由を感じられません。好きなときに友だちと会うことも、外でサッカーをすることもできません。親たちは子どもの身の安全を心配しています。

この国が再び平和になれば、すべてが変わると思います。怖がらずにどこへでも行けます。もっと多くのことを学び、勉強にも集中できます。村の図書館が再開して、たくさんの本を読めるようになります。大好きなサッカーも、友だちと一緒に思う存分楽しめます。

どうか、私たち子どもたちの声を聴いてください。子どもの権利を大切にしてほしいです。平和な世界で私たちが成長できるよう、力を貸してください。

ヘインより

「毎晩幸せな気持ちで寝床につけますように」
カミラさん(13歳、ベネズエラ)

© UNICEF
カミラさん。漫画を描くのが得意(ベネズエラ、2024年撮影)

おとなの皆さんへ

私はカミラ、13歳です。ベネズエラのカラカスで暮らしています。
私が手紙を書いたのは、子どもたちの心身の安全と健康がいかに大事であるかを、思い起こしてもらうためです。

この地球に生まれたすべての子どもに、より良い未来が訪れることを願っています。
すべての子どもが屋根のあるお家で過ごせますように。
一人ひとりが当たり前に大切にされ、愛されますように。
寒空の下で食べ物を乞いながら夜を過ごすことがありませんように。
毎晩お腹いっぱいになって、幸せな気持ちで寝床につけますように。

どうか子どもたちの声に耳を傾け、子どもの権利を尊重してください。すべての子どもには、この世界で何一つ欠けることなく、最良の環境が与えられる権利があります。

子どもたちの未来の名の下に。

カミラより


ここで紹介した5人を含む世界各地の子どもたちが手紙を読み上げるメッセージ動画(日本語字幕あり)は、こちらからご覧いただけます。それぞれの未来を想う生の“こえ”に耳を傾けてみませんか。

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

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※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

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