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日本ユニセフ協会

プレスリリース

ユニセフ、ガザ停戦合意を歓迎
人道支援拡大の用意
「子どもたちのために協力を」事務局長声明

2025年1月15日ニューヨーク

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、パレスチナのガザ地区における停戦合意が発表されたことを受け、以下の声明を出しました。

ユニセフ、ガザ停戦合意を歓迎

ガザ市の自宅が爆撃を受け、右足を失った4歳のシーラちゃん。両親と3人の姉妹を亡くし、祖母たちと生活している。(パレスチナ、2024年5月24日撮影)

© UNICEF/UNI589799/Subieh
ガザ市の自宅が爆撃を受け、右足を失った4歳のシーラちゃん。両親と3人の姉妹を亡くし、祖母たちと生活している。(パレスチナ、2024年5月24日撮影)

ユニセフは、本日ガザ地区における紛争当事者間の停戦合意が発表されたことを歓迎します。1年以上にわたって爆撃と剥奪に耐えてきたガザ地区の子どもたちと家族、そして大きな苦しみに遭ったガザ地区にいる人質とイスラエルにいるその家族にとって、これはあまりに遅すぎたとも言えることです。

この戦争はガザ地区の子どもに恐ろしいほどの犠牲を強いました。少なくとも1万4,500人が死亡し、何千人もが負傷し、推定1万7,000人がおとなの同伴者がいないあるいは親と離ればなれの状態にあり、100万人近くが家を追われたと報告されています。

大規模な支援が必要

戦闘が激化する中、ジェニン難民キャンプの破壊された道路や建物のがれきの中を歩く子どもたち。(パレスチナ、2024年9月1日撮影)

© UNICEF/UNI648530/Badarneh
戦闘が激化する中、ジェニン難民キャンプの破壊された道路や建物のがれきの中を歩く子どもたち。(パレスチナ、2024年9月1日撮影)

人道支援のニーズは膨大で、ユニセフとパートナーは対応を拡大する用意ができています。停戦により、人道支援関係者がガザ地区内で切実に必要とされている大規模な支援を、ようやく安全に展開できるようにならなければなりません。これには、すべての子どもたちとその家族に、必要不可欠な食料と栄養、保健医療ケアと心理社会的支援、清潔な水と衛生設備や物資、教育と学習、加えて現金給付、商業トラック輸送の再開を妨げられることなく提供することが含まれます。

ガザ地区全域で不可欠なサービスが崩壊している中、私たちは命を守り、子どもたちが立ち直るのを支えるために緊急に行動しなければなりません。

ガザ地区の36の病院のうち半分以下しか機能していない中、感染症の集団発生のリスクが高まり、子どもたちは危険にさらされています。 水の製造能力は最大時の25%以下しかありません。210万人の住民のほぼ全員が高いレベルの食料不安に直面しています。 また、ガザ地区の学校の95%が損傷または全壊しています。

子どもたちのために協力を

ガザ地区デルバラハにある学校に設けられた予防接種センターで、2回目のポリオワクチン経口投与を受ける子どもたち(パレスチナ、2024年10月17日撮影)

ガザ地区デルバラハにある学校に設けられた予防接種センターで、2回目のポリオワクチン経口投与を受ける子どもたち(パレスチナ、2024年10月17日撮影)

当事者たちが停戦を全面的に順守し、信頼できるすべての入域地点を通じて、ガザ地区に必要な規模の支援物資の搬入を認めることが不可欠です。また、治安状況への早急な対応も必要です。そうすればユニセフは、栄養不良に苦しむ子どもたちの検査と治療を増強し、5歳未満の42万人の子どもに対する予防接種の遅れを取り戻し、ポリオ、はしか、コレラを含む感染症の集団発生の予防を後押しすることができます。

加えてユニセフは、現在および将来の子どもたちの権利とウェルビーイングに重きを置いた、永続的な政治的解決を早急に実現するよう、紛争当事者に強く求めています。

ガザ地区での戦争はすでに子どもたちに多大な犠牲を強いています。今こそ行動を起こし、すべての子どもたちのより良い未来のために力を合わせなければなりません。


<2025年1月24日追記>

停戦後、ユニセフによるガザ人道支援の進捗

停戦発効後、ケレム・シャローム検問所からガザ地区へ入る、人道支援物資を積んだユニセフのトラック(パレスチナ・ガザ地区、2025年1月19日)

© UNICEF/UNI720579/Habeel
停戦発効後、ケレム・シャローム検問所からガザ地区へ入る、人道支援物資を積んだユニセフのトラック(パレスチナ、2025年1月19日)

停戦直後から、ガザ地区への物資搬入が拡大しています。ユニセフは、多岐にわたる支援物資をトラックで輸送し、子どもたちと家族のもとへ迅速に届けています。

  • 1月19日:ユニセフの支援物資を積んだトラック32台がガザ地区南部に入り、水、衛生用品、防寒着、その他の必需品を届けました。ユニセフのトラックを含め、この日だけで630台以上の人道支援物資を積んだトラックがガザに入り、そのうち少なくとも300台がガザ地区北部へ向かいました。
  • 1月20日:ユニセフのトラック77台がガザ地区に入りました。そのうち56台は、衛生用品、生理用ナプキン、栄養治療食、安全な水などをガザ地区南部へ、21台は防寒着をガザ地区北部へ届けました。
  • 1月21日:ユニセフのトラック51台がガザ地区に入りました。
  • 1月22日:ユニセフのトラック58台がガザ地区に入りました(39台はガザ地区南部へ、19台はガザ地区北部へ)。

ユニセフはパートナーとともに、栄養、水と衛生(WASH)、保健医療、教育、心のケアなど、命を守る支援を届けるため、支援を強化しています。これまでにトラック1,300台分の支援物資が用意され、さらに700台分を追加で用意する予定です。人道支援がすべての子どもたちに安全かつ妨害されることなく届くよう、ユニセフは、停戦合意の順守を紛争当事者に強く求めています。

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振替口座:00190-5-31000 口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会

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