2025年3月19日サンパウロ/ニューヨーク発
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サンパウロの小学校を訪問し、生徒たちとセルフィー(自撮り)撮影をするミリー・ボビー・ブラウン親善大使(ブラジル、2025年3月17日撮影)
ユニセフ(国連児童基金)親善大使で、エミー賞ノミネートの俳優ミリー・ボビー・ブラウンさんが3月中旬、ブラジルのサンパウロを訪問。10代の女の子たち、また現地の子どもたちと交流し、日常生活や直面している課題、どう夢を追っているかについて話を聞きました。
ブラウン親善大使、女の子の権利を訴え
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ユニセフが支援する地域にある小学校で、女の子たちと話し合うミリー・ボビー・ブラウン親善大使(ブラジル、2025年3月17日撮影)
訪問に先駆けて、ブラウン親善大使は、国連本部で開催された「国連女性の地位委員会(CSW)」で、女の子の権利を訴えるスピーチを行いました。そして今回のブラジル訪問では、サンパウロのシダージ・チラデンス地区にある学校を訪れ、10代の女子生徒たちと対話しました。
「今回の訪問で、地域の若者たち、そして先生方と出会う機会をくださったことに、とても感謝しています。特に、学校で10代の女の子たちと一緒に過ごし、話を聞き、彼女たちの生い立ちや境遇、経験について学び、心を動かされました。私たちは、それぞれの挑戦を通じて、互いに支え合うことの大切さについて話し合いました。彼女たちに、自分の未来を自分で決める力があることを感じてほしかったのです。彼女たちは本当に素晴らしく、地域を変えていく存在であり続けると信じています」(ブラウン親善大使)
女の子へさらなる支援と励ましを
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ブラウン親善大使と交流した11歳のカタリナさん(写真中央)。カタリナさんは、ブラジルで女の子として経験したこと、直面する課題、そして将来の夢について伝えた(ブラジル、2025年3月17日撮影)
女子生徒たちは、自分たちが直面しているいくつかの障壁について、ブラウン親善大使に共有しました。学校で男の子と女の子の扱いが違うこと、教育の大切さ(特に月経の尊厳について学ぶ重要性)、そして女の子が自分たちのために声を上げる必要性などです。彼女たちは、女の子へのさらなる支援と励ましが必要だと強調しました。
ブラジルにおいて、10代の女の子たちは、自身の権利に対する多くの制限に直面します。月経に関する情報だけでなく、生理用品や水、せっけん、トイレへのアクセスが不足している「生理の貧困」は、ブラジル全土の1,500万人の女の子に影響を与え、学校活動への参加を制限しています。10代の女の子はまた、失業率が高く、職業訓練プログラムなどへの参加も少ない状況です。
暴力も依然として、ブラジルの重大な問題です。2023年には、8分に1件の割合で女の子に対する性暴力事件が報告されました。また、2020年の出生数の14%が10代の母親によるもので、このことがしばしば、若くして母親になった女の子にとって、教育や経済面における妨げになっています。
自分自身の可能性を信じられるように
14歳のキジーさんは次のように話しました。「学校は子どもを支えるネットワークであり、特に私たちが住んでいるような社会的に疎外された地域において、非常に重要です。多くの子どもはしばしば、情報が足りないために特定の話題を理解できないことがあり、彼らは極度の貧困下で暮らしています。学校が生徒にとって支えとなる存在であることは不可欠であり、常に生徒を最優先に考えることが非常に重要です」
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6歳のアリスさんと話しながら一緒に楽しく笑うブラウン親善大使(ブラジル、2025年3月17日撮影)
深刻な暴力や貧困、および多くの非就学児がいるという課題に直面しているシダージ・チラデンスのような地域に住む、弱い立場にある女の子や男の子のために、ユニセフはブラジル政府および地方当局と協力し、教育、保護、雇用機会の改善に取り組んでいます。
ブラウン親善大使は訪問中、学校の教師とも面会し、学校に通っていない子どもを見つけ出し、教室へ戻れるように支援するユニセフのプロジェクト「アクティブ・スクール・サーチ」について、学ぶ機会を得ました。最後に大使は、児童・生徒と共に壁に絵を描き、体育の授業に参加してブラジルの伝統的なカポエイラ(格闘技とダンスを合わせたスポーツ)を楽しみました。
ユニセフ・ブラジル事務所代表のユスフ・アブデル・ジェリルは次のように述べました。「ブラウン親善大使は、ブラジルや世界の女の子に勇気を与える存在です。彼女のブラジル訪問、特に10代の女の子との対話は、ブラジルの女の子たちが自分自身の可能性を信じる大きな後押しとなる、かけがえのない機会となりました」