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ユニセフ協会からのお知らせ

「あなたにとって、一番大切な権利は何ですか?」

【2010年12月27日 東京発】

「あなたにとって、一番大切な権利は何ですか?」

「子どもの権利条約」が採択満20年を迎えた2009年11月から約1年間、私たちは、その特集ページを訪れてくださったみなさまにこんな質問をさせていただきました。

その結果、当初の私たちの予想を大幅に超える600名余りの方々から、多くのコメントと一緒に、投票をいただきました。ありがとうございました。

「生きる権利」

年齢や性別を問わず、最も多くの方々が選ばれた権利、それは、第6条の「生きる権利・育つ権利」でした(約33%)。

今年9月、ユニセフは、世界の5歳未満の子どもの死亡数が、年間約810万人にまで削減されたと発表しました。 かつて「3秒に一人」失われていた命。この10年あまりの間に、およそ「4秒に1人」にまで改善されたことを意味します。これは、ユニセフをはじめとする子どもたちの命を守るために日々活動している組織や、その最前線で献身的に活動する専門家やボランティアの方々、各国の現地政府や自治体・コミュニティの人々の努力、そして、そうした活動を強く支えているみなさまのご協力・ご支援の積み重ねの結果であることは言うまでもありません。

しかし、それでも、810万人もの子どもたちの命が4秒に1人という途方も無いペースで失われています。しかも、その多くが下痢や肺炎など、簡単で安価な方法で十分予防可能な原因で。

この発表の数日前、ユニセフは、「支援が届きにくい場所にいる子どもたちに支援を優先させることで、これまでのやり方よりも最大1.6倍の効率で子どもたちの命を救うことができる」とする研究結果を掲載した報告書を発表。ユニセフ自身の活動の見直しのみならず、他の開発支援、途上国支援に関わる組織や政府、専門家に支援のあり方のパラダイム(見方や考え方)の転換を訴えました。

当協会は、ユニセフファミリーの一員として、このユニセフの新たな戦略・政策を、ひとつでも多くの国や地域で具体化させられるよう、10月に開催したシンポジウムや、現在実施中の冬の募金キャンペーンを通じて、みなさまにご理解とご協力をお願いしています。

国際社会が子どもや妊産婦の死亡の大幅な削減を目標に掲げたミレニアム開発目標の達成までに残された年月はあと僅か。一人でも多くの方々に、ユニセフの新戦略への理解とご賛同をいただけるよう、新しい年も取り組んでまいります。

「差別の禁止」

おとな(18歳以上の方々)から2番目に選ばれた権利は、「子どもに最も良いことを」(第3条)と「親と引き離されない権利」(第9条)、そして「教育を受ける権利」(第28条)でした(各8〜9%)。一方、子どもたち(18歳未満の方々)の票が集中したのは「差別の禁止」(第2条)でした(16%)。

この権利を選んでくれた子どもたちのコメントを、いくつかご紹介しましょう。

「みんなと少し違ったぐらいで差別するのはおかしい」 「差別をすることで、人々の心の傷を負ってしまって、自殺や事件につながってしまうから」 「人はみんな同じかち(価値)のあるものだから。」 「みんな違ってみんないい。前にこんな言葉を聞いたことがありますが、今の世間一般には通じないようです。」

残念ながら、今年も「差別」や「いじめ」「自殺」などの言葉が、テレビやラジオ、インターネットのニュースや新聞紙面を賑わせました。「世界の子どもたちの健やかな成長を願う皆様の強い思い」は、多くの“おとな”のみなさんが持っていらっしゃいます。しかし、その一方、差別やいじめに悩み苦しむ子どもたちが少なからずいるのだということを、今回、図らずも知らしめてくれたようです。

統計

※今回、1条〜29条までの中からひとつの権利を選んでいただきました。

「生きるために生まれてきたから」

これは18歳未満の女性の方が添えてくださったコメントです。子どもたち、そして私たち一人ひとりが「生きる」ということ。それは、単に命をながらえることに留まらないのは、言うまでもありません。『子どもの権利条約』は、〝生きる″ことの内容を包括的に解説してくれているとも言えるでしょう。日本の子どもたち、そして世界に生を受けた子どもたち一人ひとりが持つ権利。それは、世界中のおとなが世界中の子どもたちに約束したこと。是非この機会に、その中身を振り返ってみませんか?

20years 子どもの権利条約

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