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財団法人日本ユニセフ協会

パートナー アグネス大使

アグネス大使 ブルキナファソ視察
−気候変動と子どもたち−

アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使は、2009年4月13日から23日まで、アフリカのブルキナファソを訪れます。

ブルキナファソは、西アフリカにあるサハラ砂漠の南にある内陸国です。国土面積は27万4,200平方キロメートル(日本の約70%)約1,500万人 が住んでいます。
おもに首都ワガドゥグー周辺に住むモシ族(全体の約半分を占める部族)、南部ガーナ国境付近に住むグルンジ族、そして北部に住むプル族といった、さまざまな約60の部族がおり、公用語のフランス語のほかに、多くの部族語が使われています。
サヘル(サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域)が広がる地域に位置し、気候変動によって降雨量が激減し、砂漠化が深刻化している地域でもあります。

今回の海外視察は、昨今の環境問題への関心が高まる中で、あまり語られることのない、地球温暖化がもたらす気候変動の最大の被害者となっている、アフリカの子どもたちに起こっている問題について取り上げます。

©UNICEF/HQ02-0511/Ami Vitale

2007年12月12日、ユニセフは『気候変動と子どもたち』(Climate Change and Children)を発表し、気候変動が世界、特に開発途上国の子どもたちの生存や健全な発達に与える影響について訴えました。また、ユニセフが同月10日に発表した、ミレニアム開発目標への達成度を統計的に評価したレポート『子どものための前進』(Progress for Children)では、1990年以降、子どもの死亡率が改善されてきた状況を報告していますが、そこで公表された5歳未満の三大死亡原因である、呼吸器感染症、下痢症、そしてマラリアは、環境と密接に関連した疾患なのです。

世界保健機関(WHO)は、世界で発生する全ての死亡の約4分の1は、何らかの形で環境問題に関係しており、その3分の1以上が、14歳以下の子どもであると指摘しています。また、車や工場からの排煙が劇的に削減されない限り、子どもの慢性的な病気として知られる喘息による死亡が、2016年までに20%近く増える可能性があると予測しています。

©UNICEF/HQ06-0177/Michael Kamber

ユニセフは国連機関、パートナーであるNGOとともに、子どもたちが安全で健康的な生活をおくれる環境の維持と創造を促進するために、子どもの生命や保護・教育をリスクに晒す環境要因を削減すること、そして気候変動によって発生する自然災害などの人道危機が発生した場合、子どもたちに必要不可欠な支援を提供する能力を強化していくことを表明しています。

そしてこのブルキナファソでは、ユニセフは子どもたちにとって重要な、教育、水と衛生、栄養面だけでなく、子どもたちの環境保護意識を高め、自分から取り組むことができるように支援を進めています。

ブルキナファソに住むアリゼッタのストーリー
「干ばつのせいで、お母さんはとても貧しいのです」 −アリゼッタ(ブルキナファソ)

「ブルキナファソはサヘルの国で、国民の90%は農業を営んでいます。牧畜と農業が家族の主な収入源で、干ばつが起こったり、作物の出来が良くないと、動物たちは何も食べるものがなくなります。

私の家では、作物の出来はいつも良くなくて、十分な食べ物がありません。私や弟の学用品を買うお金も足りないし、病気になったときに、薬を買うお金もありません。

コミュニティでは、自体はさらに深刻です。農産物から得られるお金で、あらゆるものを調達しているので、作物の出来が良くないと、使えるお金がぜんぜんなくなってしまうのです。毎年、食べ物が足りなくなります。学用品を買ったり、学費を支払う余裕がなかったり、学校のある日に食べるものが何もなかったりして、子どもたちは学校に通わなくなってしまいます。こうした子どもたちのなかには、物乞いをしたり、盗みを働くようになる子どももいます。年老いた人もまた、物乞いをするのです。

女の子たちは、商店主たちを相手に体を売り、望まない妊娠をしてしまったり、性感染症に感染してしまうこともあります。

みんな保健センターに行こうとしません。そして、一部の人々は衛生の知識の欠如が原因で病気になってしまうのです・・・」。

(『気候変動と子どもたち』より)

ブルキナファソ 基本情報

首都 ワガドゥグー
公用語 フランス語
通貨 CFAフラン
総人口 1478万4000人
一人あたりのGNI (国民総所得) 430米ドル

■保健

出生時の平均余命 52歳
5歳未満児死亡率の順位 7位
5歳未満児死亡率 191/1000人
新生児死亡率 32/1000人
低出生体重児出生率 16%
はしかの予防接種率 94%
妊産婦死亡率 480/100,000人

■水と衛生

改善された水源を利用する人の比率(全国) 72%
適切な衛生施設を利用する人の比率(全国) 13%

■教育

成人の総識字率 29%
初等教育純就学/出席率 47%

■HIV/エイズ

成人の推定HIV感染率 1.6%
エイズにより孤児となった子どもの数 10万人

■子どもの保護

児童労働(5−14歳) 47%
出生登録(1999−2006) 64%

(出典:『The state of the world’s children 2009』)

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