出典:外務省
ウガンダは、東アフリカの赤道直下に位置する内陸国で、かつて英国のチャーチル首相が「アフリカの真珠」と呼んだことでも知られる大自然に富む国です。農業が主要産業で人口の約7割が従事しています。料理用バナナの世界最大の生産国ですが大部分は国内消費用で、主要輸出品はコーヒーや魚類です。
面積は日本の本州とほぼ同じ大きさで、人口は約4,150万人です。世界で最も若い国のひとつで、子どもは総人口の半数以上を占め、日本より200万人多いおよそ2,280万人におよびます。人口増加率は年3%を超え、2050年までには現在の約2.5倍の1億人に達すると見込まれています。子どもの健やかな成長に関連する指標には改善がみられているものの、その前進には遅れが出てきています。改善傾向にあった貧困指標は悪化し、最貧国に含まれるウガンダでは、国民の3人に1人以上が1日1.9ドル以下で生活しています。
【子どもの保護:児童婚】
女の子と女性の権利の侵害である児童婚は、ウガンダにおいて最も深刻な社会問題の一つです。ウガンダでは、婚姻可能な年齢が男女とも18歳と定められていますが、20歳から49歳の女性の半数、約300万人の女性は18歳を迎えるまでに結婚し、15-19歳の女性の4人に1人が妊娠や出産を経験しています。児童婚の背景は複数考えられ、農村部における慣習など社会的要因、貧困等の経済的要因、教育の機会の欠如など構造的な要因があります。幼くして結婚する女の子は、貧困家庭であることが多く、学校を退学し、家庭内暴力に苦しみ、HIV/エイズに感染し、妊娠期や出産時に合併症で亡くなる、といった確率がより高まります。児童婚はまた、経済に損害を与え、貧困の世代間連鎖につながります。
ユニセフでは児童婚を防ぐために、女の子が学校に入学し通い続けられるような支援、両親や子ども、コミュニティに対する児童婚を予防するための啓発活動や家族への経済的支援、政策面の整備の支援などを行っています。
- ご支援の活用事例
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① 月々1,500円の1年間のご支援で、児童婚を経験した母親が職業訓練を受けることができます。
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② 1000円のご支援で、ソーシャルワーカーが村の10家庭を訪問し、児童婚から子どもを守るための啓発活動を行うことができます。
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③ 3000円のご支援で、村の10代の子ども30人や両親30人に対して、児童婚を防ぐための話し合いの場を設けることができます。
【HIV/エイズ】
ウガンダは、HIV/エイズの感染拡大に伴う対策が成功した国として知られていますが、2017年時点では、130万人がHIVと共に生きていて、エイズによって両親や片親をなくした子どもは56万人にもおよびます。新たに5万人がHIVに感染し、特に15歳―24歳の女性はHIV感染に脆弱な状況下にあり、同世代の男性のHIV感染率の4倍以上に及びます。そのため、妊婦へのHIV健診、HIVと共に生きる母親と生まれてくる子どもへの適切な予防や治療によるHIV母子感染予防は重要な取組みのひとつです。ユニセフは、「エイズのない世代」の実現に向けて、子どもたちがHIVに感染せずに誕生し感染しないまま20歳を迎えられるように、検査・治療の地域間での格差解消や遅れのある新生児の治療、脆弱な子どもや若者への感染予防、HIVと共に生きる人々への治療と心のケアなどの取り組みを進めています。
- ご支援の活用事例
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① 3000円のご支援で、HIV検査を受けられていない子どもが検査を受けることができます。
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② 月々2500円の1年間のご支援で、必要な検査や治療によってHIVの母子感染予防ができます。
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③ 月々4000円の1年間のご支援で、HIVと共に生きる子どもや妊婦に治療薬を1年間提供することができます。
ユニセフは引き続きウガンダ政府とともに、その他、『保健』、『栄養』、『水と衛生』、『教育』、『子どもの保護』、などの分野でも支援活動を進めております。