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子どもと青少年に対する性的搾取の問題。世界の至るところで深刻化している、この恐ろしい虐待行為を根絶し、子どもと青少年を守るためには、すべての国が協力して問題の解決に取り組まなければなりません。そこで国際社会は、1996年のストックホルム、2001年の横浜につづき、2008年にブラジルで、『第3回子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議』を開催しました。
©UNICEF/HQ01-0429/Claudio Versiani |
1996年、スウェーデンのストックホルムで「第1回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」が開催され、122の国々によって「子どもの商業的性的搾取に反対するストックホルム宣言及び行動計画」を採択。これにより、各国政府、すべてのセクター、国内、地域そして国際機関に対し、子どもの商業的性的搾取根絶に向けた行動を実施するよう求められました。その5年後の2001年12月には、日本の横浜で「第2回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」を開催。会議の最終文書として「横浜グローバルコミットメント2001」が採択されました。
ストックホルム会議から10年以上たったいま、国連の「子どもに対する暴力に関する調査」報告書を含む子ども買春や子どもポルノ問題に関する数々の調査により、子どもと青少年の性的搾取の被害が増加していることが明らかになっています。そして性目的のための子どもの人身売買、観光地における子どもの買春、そして、インターネット上における子どもポルノに関連した犯罪行為の増加が、性的搾取の被害の拡大をさらに裏付ける証拠となっています。
このように、これまでに行われてきた取り組みは十分であるとは言えません。新たな行動力、パートナー関係の構築、そして徹底的に練られた戦略によって、子ども買春・子どもポルノ・人身売買といった被害にあっている子どもたち、それは商業目的だけでなく、紛争下や世界中に蔓延するHIV/エイズ問題の影で性的搾取の被害に苦しむ子どもたちとも向き合わなければなりません。
第3回世界会議は、国連の「子どもに対する暴力に関する調査」が発表以来、初めて開催される子どもの性的搾取問題に関する会議であり、また、子どもの保護において最も複雑で困難な分野の一つである本問題の解決のためのロードマップを推し進める機会となります。今回は、過去2回の会議よりさらに議論の範囲を広げ、子どもの非商業的性的搾取についても話し合います。これにより、すべての大陸が一致団結して本問題に取り組み、あらゆる形態の性暴力と性的搾取の根本的原因との関連性を模索することが期待されています。
●エクパット・インターナショナル ロン・オグレディ氏による寄稿 〜リオへの道のり〜 はこちらからご覧ください。
日 程 | 2008年11月25日(火)〜28日(金) |
場 所 | リオセントロ会議場 (リオデジャネイロ市バッハ・ダ・チジュッカ地区) |
主 催 | ブラジル政府、ユニセフ(国連児童基金)、ECPAT(国際NGO)、子どもの権利条約のためのNGOグループ |
参加者 | 約3,000人(各国政府代表、各国官公庁関係者、市民団体、NGO、メディア、民間セクター、若者を含む) |
会議の主な5つのテーマ |
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本会議の目的 : 子どもと青少年が性的搾取の被害から守られる権利を保障するため、すべての国が協力して以下のことに取り組みます。
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子どもの権利保護を目的として活動する国際機関として、ユニセフは過去2回の世界会議においても共催団体として、日本政府、スウェーデン政府、国際ECPAT、子どもの権利条約のためのNGOグループなどと協力し、重要な役割を担ってきました。ユニセフは第3回世界会議においても、ブラジル政府、ECPAT、NGOグループと共に、引き続き中心メンバーとして活動しています。
中央組織委員会(COC)と国内実行委員会のメンバーとして、ユニセフは本会議の様々な過程で中心的な役割を期待されています。例えば、テーマごとの議論を円滑にしたり、専門知識の提供、専門家の派遣、国レベルでの参加支援、若者の参加の推進、そして、世界会議準備過程におけるアドバイスや情報提供などを通じた協力が求められています。そうした役割は、ユニセフ本部、ユニセフ地域事務所、そして日本ユニセフ協会を含む各国のユニセフ国内委員会の協力によって支えられています。
ユニセフはさらに、子どもの性的搾取の予防と対策に関連した法律の見直しを提言しています。子どもの性的搾取に関連する犯罪がグローバル化している現状において、国や地域の垣根を越えた法律の制定について新たな合意を得ることは、問題の解決に向けた大きな前進となるでしょう。
©(財)日本ユニセフ協会 第2回世界会議(横浜)に参加した各国の子どもたち |
第3回世界会議においても、若者が会議のテーマについて積極的に話し合うことが期待されています。(2001年の横浜会議にも93名の子ども若者代表が参加。35カ国から集まった若者代表は、世界会議開会前の14日から川崎でのプログラムを通じて、彼ら自身のアピールを作成。本会議最後では子ども若者代表による最終アピールが発表されました。)
ユニセフは異なる地域および各国の現地事務所と協力し、世界会議で扱われる子どもの性的搾取の様々な側面と暴力との関連性をテーマとした(たとえば東南アジアにおける性的搾取のための人身売買、中央アジアにおけるインターネット上の子どもポルノ)ビデオや出版物を制作しています。
さらに、ビデオ制作を通じて子どもの性的搾取問題について研修するため、若者のための3つのワークショップの開催を予定。若者はそれぞれ地域を選択し、ストーリーを構成し、性的搾取に焦点をあてた1分間のビデオを制作します。若者が作成したビデオの例はこちらから ≫
こうした視覚的かつ創造的な手段を用いて問題を考えることにより、若者が新たな視点で問題を捉えられ、また本問題への解決に若者の声が反響しやすくなります。インターネット上にアップされたビデオは、子どもの性的搾取が深刻な地域に問題を提起するきっかけとなります。
第3回世界会議公式ホームページは ▼こちらから▼ |