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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ユニセフ・南スーダン現地報告会
『世界一新しい国を襲う危機』
5月21日(水) 10時から ユニセフハウスにて

【2014年5月9日 東京発】

武力衝突により自宅から避難している女の子
©UNICEF/NYHQ2014-0336/Kate Holt
武力衝突により自宅から避難している女の子

ユニセフ・南スーダン事務所 山科真澄・子どもの保護専門官による現地報告会を、5月21日(水)10時からユニセフハウス(東京・品川)で、開催いたします。

南スーダンは、昨年12月に武力衝突が発生して以降、不安定な情勢が続き、国内外へ避難した人はこれまでに120万人に上ります。雨季を迎えた現地は衛生状況が悪化。また、重度の急性栄養不良に陥る子どもたちも急増しており、このままでは最大5万人の子どもが死亡する危険性が指摘されています。

報告会では、現地の最新情勢や子どもたちが置かれている状況と課題、特に暴力や搾取、虐待についてお話いただく予定です。報道関係の方ならびに一般の方のご参加をお待ちしております。ご参加をご希望される方は、ページ下記に記載の連絡先へお申込をお願いいたします。

* * *

2011年7月に独立した世界で一番新しい国南スーダン。国際社会の協力を得ながら国づくりを進めてきたものの、2013年12月に武力衝突が発生し、激化。1月下旬に停戦合意が成されたものの、情勢は緊迫し続け、ここ1週間でも新たに3万6,000人が避難しています。首都ジュバをはじめ各地の国連施設へ保護を求め、避難する人は増え続けています。一方で、避難ができず、支援も受けられないままの住民も大勢います。

現地はすでに雨季に入り、地面はぬかるみ、陸路でのアクセスは困難を増し、衛生環境も悪化しています。ビニールシートで作ったテントなどで避難生活を送る子どもたちは、衛生環境の悪化で下痢やマラリアなどの感染症にかかりやすい環境に置かれている一方、重度の栄養不良に陥る子どもも増加の一途をたどっています。

多くの人はすでに“飢餓食糧”と呼ばれる球根や草を食べざるを得ず、このままでは370万人が食糧不足に陥るとみられています。また戦闘行為に直接的・間接的に関与させられる子どもは、少なくとも9,000人以上と推計されています。

山科専門官もまた、戦闘に巻き込まれたひとりです。2月末に上ナイル州のマラカルで、国連施設内外で戦闘が発生し、命の危険と隣り合わせの緊迫した中で支援を続けました。「私が、ユニセフで子どもの保護専門官の仕事に就いたときには、まさか子どもの遺体を埋葬する日が来るとは、思ってもいませんでした」

それでも子どもたちのための支援を決意した山科氏。当日は、現地の状況に加え、家族とはぐれた子どもたちの保護や子どもの心のケアなどを行う「子どもにやさしい空間」など子どもの保護分野の活動を中心に報告する予定です。

日時 2014年5月21日(水)10時00分〜11時15分(開場:9時30分)
会場 ユニセフハウス1階ホール
(〒108-8607 東京都港区高輪4-6-12 JR品川駅または都営浅草線高輪台駅より徒歩7分)

アクセス
登壇者 ユニセフ・南スーダン事務所 山科真澄(やましな ますみ)子どもの保護専門官
定員 120名(無料)
応募
方法
Eメール( event@unicef.or.jp )か FAX (03-5789-2036)でお願いいたします。
件名に「5月21日南スーダン現地報告会」、本文にご氏名・ご連絡先(電話番号かEメールアドレス)を明記の上、日本ユニセフ協会広報室までお申し込みください

※ 締切:5月21日(水)午前9時まで
※ 複数名での申し込みの際には、それぞれのお名前をお知らせください。
備考 ※ 先着順に受付けいたします。
※ 定員に達した場合は、募集を打ち切る場合がございます。
※ 本報告会は、報道機関による取材も予定されておりますので、予めご了承ください。
個人情報の取り扱いについてはこちらをご覧ください。
ユニセフ・子どもの保護担当官の山科真澄さん

山科真澄氏プロフィール:
大学院(神戸大学国際協力研究科)を卒業後、イギリスの法律事務所で1年勤務の後、日本紛争予防センターで東京、アフガニスタン勤務 (2004年〜2005年)日本赤十字社でスリランカの津波および紛争被害者の支援(2005年〜2008年)、国際赤十字連盟にて中国の四川大地震の復興支援に従事する(2008年〜2009年)。その後2009年にジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)としてユニセフ・ジンバブエ事務所に勤務。2013年9月より現職。

■参考情報

<数字で見る概況…ユニセフ・南スーダン事務所 情勢レポート5/6付より>

  • 昨年12月15日以降、自宅を離れ避難生活を送っている人 95万9,000人
  • 上記のうち、18歳未満の子ども  51万2,823人
  • 上記のうち、周辺国へ避難した人(含・子ども) 29万3,200人
    内訳:ウガンダ9万8,300人、エチオピア9万7,200人、スーダン6万3,400人、ケニヤ3万4,300人
  • 国内で支援を必要としている人のうち、支援を受けている人の割合 16%(10人のうち約2人)
  • 2014年上半期に必要な人道支援額 7,510万米ドル(約76億6,020万円、1米ドル=102円で換算)

<現地の様子とユニセフの取り組み…ユニセフ・南スーダン事務所 情勢レポート5/6付より>

  • 上ナイル州で緊迫した状況が続き、4月23日に同州最北部のRenk Countyで激しい戦闘が発生
  • 未確認ではあるが、およそ3〜4万人が自宅を離れ、Renk Countyの南にあるMelutに向かっているとの情報
  • ベンティウやボルでは緊張が続き、国連施設内への避難者は増加の一途、ユニセフは給水支援を強化
  • 治安が悪く陸路での支援は難しいため、空路で物資の輸送を行っているが、機体や空港が不十分、大雨などで十分に行えず
  • 国連機関合同による取り組みで、保健や食糧、栄養、子どもの保護など複数の支援をまとめて実施できる拠点づくりが進む
  • 今年1月以降、栄養不良と診察された子どもは34万4,557人
  • 雨季は作付け期だが、戦闘悪化や避難で作付けができない場合、重度の急性栄養不良になる子どもが急増する恐れ
  • これまでに、子どもの保護サービスを受けた子どもは2万5,855人の子ども
  • 子どもが安心して過ごせ、遊ぶことができる「子どもにやさしい空間」を設置し、心のケアを実施
  • 戦闘激化に伴い、保護のニーズは高まる一方
  • ボルとベンティウでは戦闘激化で、新たに63名の子どもが家族とはぐれた状態で、状況を確認中、領地ではぐれている子どもはのべ184人(9名が里親のもとへ、5名は家族のもとへ)
  • 国連施設内と避難所、施設外に避難している子どもたちを確認したところ、新たに135名が家族とはぐれていることを確認、計3,501人が家族とはぐれていることに(これまでに268人が国内で家族と再会し、350人が家族や親族と電話で連絡がつき、650人が里親のもとへ)
  • これまでに、学齢期の子ども1万6,718人が緊急下の教育プログラムに参加
  • 臨時学習スペースや屋外へのテントの設置などを進めている

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