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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南スーダン:
「子どもは兵士じゃない」キャンペーン
政府軍への子ども徴用をやめる行動計画実施を確約

【2014年6 月24日 ジュバ(南スーダン)発】

©UNICEF South Sudan/2014/Kolok
会見の様子。レイラ・ゼルーギ国連事務総長特別代表 子どもと武力紛争担当(右)とユネスコ親善大使のフォレスト・ウィテカー氏(左)

2014年6月24日、ジュバのスーダン人民解放軍(the Sudan People’s Liberation Army :SPLA)本部で式典が行われ、南スーダン政府は公式に、2012年に国連と署名した、政府軍における子どもの徴用とそのほかの子どもたちへの重大な権利侵害をやめるとの行動計画を改めて確約しました。

南スーダン国防省のコウル・マンヤン・ジュンク大臣は「政府を代表して、子どもたちが軍隊に属さないこと、行動計画で定めたすべての事項を実施することを約束します」と宣言しました。

南スーダン、行動計画の実施を再確認

本日の合意では、2012年の行動計画で合意された内容が再確認されました。具体的には、政府の治安部隊に関係しているすべての子どもを解放すること、家族の下へ帰るための支援を提供すること、子どもの権利に対する重大な侵害を調査すること、加害者に責任を課すことが含まれます。政府はまた、子どもの人権への重大な侵害を終わらせることも確約しました。

トビー・ランザー 南スーダン担当国連事務総長特別副代表は、国連を代表して署名するに当たり「南スーダン政府が改めて、行動計画の実施を確約したことを大変うれしく思います。これは、南スーダンの子どもたちの権利を回復させ、新たな世代の喪失を避けるための重要な最初の一歩です」と述べました。

武力勢力への徴用や権利侵害から子どもを守る

紛争で避難している南スーダンの男の子。
©UNICEF/NYHQ2014-0350/Holt
紛争で避難している南スーダンの男の子。

レイラ・ゼルーギ国連事務総長特別代表 子どもと武力紛争担当とユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチも、署名に立ち会いました。

ゼルーギ特別代表は「行動計画を実施するとの約束は、情勢が不安定なときや紛争時も含めて、子どもの徴用やその他の重大な権利侵害から守ることになります。何よりも責任を果たすことが重要です。子どもの徴用や殺害、けがを負わせたり、男女にかかわらずレイプをしたり、学校や病院を攻撃することは、決して正当化されることではありません。そのような状況で、平和が続くことはないのです」と述べました。

2009年に署名され、2012年に更新された行動計画によって、1,000人以上の子どもたちが解放、子どもの徴用が禁止され、子どもを保護するために、スーダン人民解放軍には部署が設けられました。

ユニセフのヴェイチ代表は「この数年政府が取り組んできたことは、現在の紛争で後退しました。今回、公式に行動計画の実施を再確約することは、正しい方向へ向けた重要な一歩です。ユニセフは、政府が行動計画を順守すると信じています」と述べました。 紛争に子どもを徴用することは、子どもの命を危険にさらすばかりではありません。この国の未来を担う子どもたちを守ることは不可欠なのです。

参考情報

<子どもは兵士じゃないキャンペーンと経緯について>…2014年 3月6日プレスリリースより一部抜粋

  • 世界では、何千人もの少年少女が政府軍や武装した反政府勢力に引き込まれ、戦闘員や調理係、運搬人、伝達役やそのほかの仕事をさせられています。時に少年、特に少女の場合、性的目的のために引き込まれています。
  • 現在、子どもを政府軍の兵士として徴用している国は、8カ国(アフガニスタン、コンゴ民主共和国、チャド、ミャンマー、ソマリア、スーダン、南スーダン、イエメン)あり、南スーダンもその一つです。2014年3月、ゼルーギ特別代表とユニセフは「子どもは兵士じゃない(原題:Children, Not Soldiers)」キャンペーンを発足。2016年までに紛争下にある国で、政府軍による子どもの徴用の停止し、防止することを目指しています。過去3年間、これらのうち7カ国では、国連との間で行動計画が署名されました(2011年:アフガニスタン、チャド、2012年:南スーダン、ミャンマー、ソマリア、コンゴ民主共和国、2014年:イエメン)。スーダンは国連との協議を継続しており、軍隊に子どもの兵士を置かないと表明しています。
  • 子どもを兵士として徴用している紛争当事者は、国連事務総長の「子どもと武力紛争」年次報告書の付録に記載されています。10年前、安全保障理事会はすべての当事者に対し、子どもを兵士として徴用することを停止・予防するために、国連とともに、期限を定めた行動計画を準備することを要請しました。これにより、安全保障理事会は、政府に子どもを軍隊に所属させないことを約束させ、この取り組みを実行するのに必要な支援を受けられるようにしてきました。
  • 今後2年をかけて、子どもと武力紛争担当国連事務総長特別代表とユニセフ、国連、パートナーのNGOは、これら8カ国の政府が子どもの兵士を解放し、子どもたちが市民生活に戻り、また政府が子どもを兵士として徴用することを停止・予防する計画を完全に実施できるように、支援を倍増します。
  • 本キャンペーンでは、報告書に記載された8カ国の政府軍が対象となりますが、国連は、武装勢力による子どもたちへの重大かつ残虐な違反行為を明らかにすべく活動を続けます。
  • 行動計画には、国連と当事国が署名します。国連事務総長の「子どもと武力紛争」年次報告書の付録に掲載された紛争中の国々が、そのほかの重大な侵害行為と同じく、子どもの兵士の徴用を停止・予防させるために、具体的かつ期限を定めた措置を実施するために国連が支援することを可能にします。
  • 行動計画で要請されている方法には、軍が子どもを兵士として徴用することを禁じる命令を発行すること、子どもの兵士の徴用を犯罪とすること、軍隊からすべての子どもを解放すること、兵士だった子どもたちが市民生活に戻るためのプログラムを作ること、兵士への勧誘にあたっては年齢確認システムを取り入れること、出生登録システムを強化することなどが含まれます。以上の方法は、通例であり、上記だけに限定されるものではありません。

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