『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』(配給元:ギャガ株式会社)は、ユニセフ(国連児童基金)が全世界でその根絶に取り組む児童労働や人身売買、ストリート・チルドレンなど、子どもたちを脅かしている様々な問題を、5歳の少年の目を通して描きます。
これらの問題は、子どもの健全な発達を脅かすだけでなく、貧困の連鎖を生み、国の経済発展や社会の安定にも悪影響を及ぼします。こちらでは、映画の舞台にもなったインドを例に、ユニセフの取り組みをご紹介します。
©UNICEF India/2013/Prashanth Vishwanathan
ある日、石切場で働いていた父親が左腕を事故で負傷したことをきっかけに、13歳のソヌくんも、家族のために一緒に働かなければいけなくなりました。
インドには、ソヌくんのように働く子どもたちが多くいます。特に、農村部での児童労働の割合が高く、インドにおいては全体の8割を占めています。ユニセフ(国連児童基金)は、ウッタル・プラデーシュ州政府や民間団体とともに、子どもの保護と権利の促進を行う児童保護委員会(CPC)(注)をウッタル・プラデーシュ州東部の5,100の村で設立しました。
それまで働いていたソヌくんも、委員会が村にできてから、私立の小学校に通い教育を受けることができるようになりました。学校に行かない子どもたちは労働に従事しやすく、搾取もされやすくなるため、教育へのアクセスを増やすことは子どもを保護するうえで最も効果的な方法の一つです。
児童労働、人身売買やストリート・チルドレンといった問題の背景には、貧困などにより子どもが養育者から適切な保護を受けられていないことがあります。
(注)児童保護委員会(CPC)
村議会、教師、親や子ども自身などから構成されるコミュニティ主導の委員会は月に1度、虐待、搾取やネグレクトなど、子どもの保護にかかわる問題について話し合います。現在、インドの10の州にわたる10,000以上の村に設置されており、児童労働などの問題を未然に防ぎ、子どもの健全な成長を守るうえで大きな役割を果たしています。
出典:UNICEF India Fact Sheet- child labour(2017年3月)
出典:Marking progress against child labour - Global estimates and trends 2000-2012(ILO-IPEC, 2013)
UNICEF global databases, 2017
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