2022年3月10日ジュネーブ/ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)は本日、紛争による被害が続くウクライナから、100万人以上の子どもが避難を余儀なくされていると発表しました。彼らの多くは家族とともに、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、モルドバ、ルーマニアに逃れています。
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子どもの難民、100万人超え
ユニセフ・欧州・中央アジア地域事務所代表のアフシャン・カーンは「避難する子どもの数は膨大で、ウクライナの子どもたちとその家族がいかに絶望的な状況に陥っているかを示しています。子どもたちは安全な場所を求めて、すべてを手放して逃げています。胸が張り裂けるような思いです」と述べました。
これまでに、6台のトラックに積まれた約70トンの支援物資がウクライナに到着しています。この物資には、個人用防護具(PPE)、医療キット、外科キット、産科キットが含まれています。
ウクライナのユニセフチームは、パートナーと協力し、ウクライナ国内の紛争の影響を受ける5つの地域にある22カ所の病院に医療物資を届け、2万人の子どもと母親を支援する予定です。
ユニセフの追加物資到着
ユニセフは、必要としている人々に支援を届けるための安全かつ迅速で制限されない人道アクセスと、人々が必要なサービスと保護を受けるための安全な移動ルートを、改めて求めています。
コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターからは、国境を越えて、幼児発達キット、レクリエーションキット、衛生キットなど、トラック3台分になる重要な追加物資が発送されました。この物資は現在、ポーランドに到着しています。さらにコペンハーゲンとトルコから追加物資が輸送されており、数日以内に到着する予定です。
避難ルート上に「ブルードット」
ウクライナからモルドバ、ポーランド、ルーマニア、ベラルーシへ避難する子どもたちとその家族を支援するために、ユニセフは避難ルート上に、「ブルードット」と呼ばれる安全なワン・ストップの支援拠点を設置し、彼らに重要な情報を提供するとともに、同伴者のいない子どもや親と離ればなれになった子どもを特定し、確実に保護できるよう努めています。
ユニセフは、ウクライナおよび近隣諸国の子どもたちの福祉がこれ以上悪化するのを防ぎ、命を守る重要な支援を効果的に提供できるよう、3億4,900万米ドルの資金支援を要請しています。その内訳は、ウクライナ国内における緊急支援に2億7,600万米ドル、近隣諸国における支援に7,300万米ドルです。
「私たちは、支援を必要としている子どもたちやその家族を助けるためにできる限りのことをしていますが、まず紛争を終わらせるべきなのです。平和が、唯一の持続可能な解決策です」(カーン)
■ユニセフ「ウクライナ緊急募金」ご協力のお願い
8年にわたって続く東部地域の紛争や、昨今の武力行為の激化の影響を受けるウクライナの子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ウクライナ緊急募金」を受け付けております。
水や電気を絶たれたり教育の機会を奪われたり、避難を余儀なくされるなど、紛争による直接的・間接的な影響を受ける子どもたちをはじめ、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。