2022年4月14日ニューヨーク発
ウクライナにおける戦争は、子どもたちと家族に短期的にも長期的にも甚大な影響を及ぼしています。ウクライナ国内では現在、710万人が国内避難民となり、そのうち最大280万人が子どもたちです。病院、給水施設、学校、幼稚園も破壊され、水や衛生、教育、保健・医療などあらゆる社会サービスが絶たれています。また、周辺国へ逃れた450万人以上の難民の90%が女性と子どもであり、保護と支援を必要としています。
終息が見えず、子どもたちへの長期的な影響が懸念される中、ユニセフ(国連児童基金)は、中長期的な視野に立った新たな支援計画を発表し、必要資金としておよそ9億4,900万米ドル(約1,186憶円)の支援を国際社会に求めました。(1米ドル=125円で計算)
新たな支援計画における分野ごとのターゲットは以下の通りです。また計画の詳細はこちらからご覧いただけます。
ウクライナ国内における支援
資金要請額(2022年3月~8月)
6億2,420万米ドル(約780憶2,500万円)
■ 分野ごとの支援ターゲット
栄養
・ 15万人の妊娠中の女性を対象に、予防的鉄分補給
保健
・ 生後6カ月から59カ月の子ども150万人を対象にはしかの予防接種を実施
・ ユニセフが支援する保健施設で、300万人の子どもと女性へのプライマリ・ヘルスケア支援を可能に
水と衛生
・ 357万人を対象に、飲料水や生活用水として十分な量の安全な水を供給
・ 150万人に水・衛生物資を提供
子どもの保護・暴力からの保護
・ 子どもや保護者100万人にメンタルヘルスや心理社会的支援を提供
・ 50万人の女性や子どもに、ジェンダーに基づく暴力に関するリスクの軽減、予防、被害の対応や支援を実施
・ 100万人を対象に支援従事者からの性的搾取や虐待を報告するための安全で利用しやすい手段を提供
教育
・ 就学前教育を含め、80万人の子どもたちに公式・非公式教育を提供
社会的保護
・ 26万5,000世帯を対象に人道的現金給付を支援
その他分野をまたぐ支援
・ 1,000万人に支援情報や利用できるサービスに関する情報を提供
・ 53万人を対象に説明責任メカニズム(アカウンタビリティ・メカニズム)を確立
ウクライナ周辺国における支援
資金要請額(2022年3月~12月)
3億2,470万米ドル(約405憶8,750万円)
■ 分野ごとの支援ターゲット
保健・栄養
・ ユニセフが支援する保健施設で、234万1,200人の子どもと女性へのプライマリ・ヘルスケアを可能に
水と衛生
・ 13万人を対象に、飲料水や生活用水として十分な量の安全な水を供給
・ 109万3,200人に水・衛生物資を提供
子どもの保護・暴力からの保護
・ 子どもや保護者116万4,350人にメンタルヘルス/心理社会的支援を提供
・ 81万200人の女性や子どもに、ジェンダーに基づく暴力に対するリスク軽減・予防・被害の対応と支援を実施
・ 60万1,400人を対象に支援従事者からの性的搾取や虐待を報告するための安全で利用しやすい手段を提供
教育
・ 就学前教育を含め、46万3,600人の子どもたちに公式・非公式教育を提供
社会的保護
・ 4万2,500世帯を対象に人道的現金給付を支援
・ 8万世帯を対象にした、政府による新たな、もしくは追加の社会保障への専門支援
その他分野をまたぐ支援
・ 507万5,600人に支援情報や利用できるサービスに関する情報を提供
・ 4万3,900人を対象に説明責任メカニズム(アカウンタビリティ・メカニズム)を確立
■ユニセフ「ウクライナ緊急募金」ご協力のお願い
8年にわたって続く東部地域の紛争や、昨今の武力行為の激化の影響を受けるウクライナの子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ウクライナ緊急募金」を受け付けております。
水や電気を絶たれたり教育の機会を奪われたり、避難を余儀なくされるなど、紛争による直接的・間接的な影響を受ける子どもたちをはじめ、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。