2022年7月15日ヌクアロファ(トンガ)・東京発
今年1月15日、南太平洋の島国トンガの沖合で、海底火山であるフンガ・トンガ フンガ・ハアパイ火山が噴火しました。この噴火は、高さ1.2mの津波を引き起こし、トンガの首都ヌクアロファの沿岸地域をはじめ、海抜の低い島々に押し寄せました。
そのトンガ沖大規模噴火・津波の発生から半年。現地の状況について、トンガで子どもたちの支援活動にあたっているユニセフ太平洋島嶼国事務所保健専門官のフランセス・ヴィリヴィリ氏にインタビューを行いました。
インタビューの中で、「現地は噴火前の状況に戻りつつあるのでしょうか」と尋ねたところ、フランセス・ヴィリヴィリ氏は、下記のように述べました。
「はい、とお答えしたいところですが、残念ながら、まだこの先の道は長いというのが実情です。
今回の大噴火は、数年前に襲われた、カテゴリー5(最大級)の勢力のサイクロンの被害からようやく立ち直ろうとしていたトンガを襲いました。子どもたちの命や日常を支える、医療や教育、水などの様々な社会インフラが破壊され、水産業や農業のインフラも壊滅的な被害を受けました。このため、例えば、多くの子どもたちが口にしているのは、今も輸入された加工食品ばかり。新鮮な食べものが手に入りません。また、多くの子どもたちがトラウマ(心の傷)に苦しんでいます。」
それでも、トンガの子どもたちには笑顔が溢れていると語ります。
「トンガの子どもたちには、困難を乗り越える力があります。これまでも、多くの困難を乗り越えてきました。それは、みなさんが、子どもたちの背中を押してくださっているからです。ここトンガはもちろん、(私が担当する)太平洋諸国の多くの島国の子どもたちの背中も。ご支援くださり、どうもありがとうございます。」