2023年2月6日ニューヨーク/ジュネーブ/アンマン発
本日トルコ南東部とシリアを襲った2回の壊滅的な地震と数十回の余震により、数千人の子どもと家族が危険にさらされています。
トルコ・シリア国境で大地震発生
当局によると、両国では子どもを含む2,300人以上が死亡し、数千人が負傷しています(2月6日時点)。この数字は今後も増加すると予想されます。トルコでは現在、捜索と救助に重点が置かれており、ユニセフ(国連児童基金)は政府および災害緊急事態対策庁(AFAD)と、より広範な人道支援活動の開始に伴い表出する新たなニーズへの対応について調整を行っています。シリアでは、ユニセフは地震の影響を特定し、各パートナーと連携して人道支援活動をサポートする準備を進めています。
多くの子どもや家族が自宅で寝静まった現地時間午前4時過ぎにマグニチュード7.7※の地震が発生し、その後、マグニチュード7.5※の2回目の地震が発生しました。
数千の家屋が倒壊した可能性があり、人々は家から避難せざるを得ません。この時期はしばしば気温が氷点下になり、人々は雪や氷雨も日常的に降る天候にさらされています。最近、シリアとトルコの一部では猛吹雪があり、今後も氷点下が続くと予想されています。
(※地震の規模を示すマグニチュードは、ユニセフ本部の発信情報に基づいて記載しています。)
何千人もの子どもが危機に
ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「シリアとトルコから届く数々の報告は、心を痛めるものばかりです。最初の地震が、多くの子どもたちが眠っている早朝に起きたことが、より危険な状況を作り出しました。また続く余震は、継続的な危険をもたらしています。
私たちの思いは、被災した子どもたちや家族、特に大切な人を亡くした子どもたちや負傷した子どもたちと共にあります。 私たちは、被災した子どもたちや家族が切実に必要としている支援を受けられるようにすることを、当面の優先事項としています」と述べました。
地震により学校、病院、その他の医療・教育施設が損壊した可能性があり、子どもたちにさらなる影響を及ぼすことが考えられます。また、道路や重要なインフラが被害を受けている可能性もあり、捜索・救助活動やより広範な人道支援活動を困難にすることが予想されます。
シリアの子どもたちは、世界で最も複雑な人道的状況のひとつに直面し続けています。悪化する経済危機、10年以上にわたる紛争下での局所的な敵対行為の継続、大量の難民・避難民、荒廃した公共インフラにより、人口の3分の2が支援を必要としています。食料不安や、水資源への懸念、学校中退者の多さは深刻です。
水系感染症は、被災した子どもたちや家族にとって、もうひとつの致命的な脅威となります。シリアでは、2022年9月10日に発生が宣言されたコレラが瞬く間に国中に広がり、特に子どもたちが罹患しやすい状況にあります。
ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い
地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。トルコ・シリア国境で発生した地震の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。
お寄せいただいたご寄付は、被災した子どもと家族が1日でも早く日常生活を取り戻せるように、安全な飲み水や衛生用品等の緊急支援物資の提供、教育の再開支援、子どもの心理社会的サポートなど、ユニセフが被災地で行う緊急・復興支援活動に役立てられます。