2023年2月20日ウクライナ発
戦闘により閉鎖した病院
ウクライナの北東部ハルキウ州は、昨年の激しい戦闘によって、多くの建物が破壊されました。バラクリヤでも多くの家族が安全を求めて町から逃れる中で、地域医療を支えていた集中治療病院も、何カ月もの間、閉鎖されていました。
その後、ウクライナ軍がハルキウ州を奪還し、住民たちが再び町に戻り始めても、病院は患者の受け入れを再開することができませんでした。埋められた地雷を取り除く作業中に、病院の建物や設備が損傷してしまったからです。
ユニセフ、医療物資などを支援
ユニセフは、地域医療を支えるこの病院を再開するために、建物の修繕を行い、必要不可欠な医療機器や医療物資を提供しました。ユニセフの支援物資には、緊急キット、抗生物質、抗炎症薬、衛生用品、心電計、超音波装置、診療科それぞれで使用できる発電機などが含まれています。
院長のマリーナ・ルデンコさんは、「ユニセフと地元当局の支援のおかげで、今日ほとんどすべてが復旧しました」と話します。
爆撃で破壊されたボイラー室が復旧し次第、病院は救命活動を再開できるようになります。
地域医療、教育を守るために
この病院は、地域の3つの市町村で暮らす8万人にとって重要な施設です。多くの人が町から避難したため患者数は減りましたが、状況が落ち着き、戦況が落ち着き、多くの家族が戻ってきたら、また患者の数は増えると予想されます。
「病院の復旧のための資金を支援くださり、作業が遅れることもなく、まもなく完了することに感謝しています」(ルデンコ院長)
ユニセフは新たにアクセス可能となった地域を含むウクライナ全土で、医療施設や教育施設を優先的に、重要なインフラの復旧を支援しています。
※復旧した集中治療病院の様子は、下記の動画にてご覧いただけます(字幕は英語)