|
|
パキスタン地震から1年
|
ユニセフ『 EYE SEE (子どもたちの目が見たもの)Ⅱ 』写真展
|
70,000もの命を奪ったパキスタン地震の発生から1年。ニューヨークのユニセフ本部とパキスタンの首都イスラマバードでキックオフした、パキスタン地震被災地の子どもたちによるユニセフ写真展、『EYE SEE II』が、高輪のユニセフハウスとイお台場・メディアージュで開催されています。
この写真展に展示されている写真は、パキスタン地震によって被害を受けた地域の子どもたちが自ら撮影したものです。160人の子どもたちが撮影した写真は、地震発生後の子どもたちの生活を映し出しています。ユニセフは、写真を通じて「表現する」機会を提供することが、被災地に戻った子どもたちが、失った日常を再び取り戻すための一助になればと、「EYE SEE」(子どもたちの目が見たもの)と呼ばれるこのプロジェクトを展開しました。本展は、その第2次プロジェクト「EYE SEE II」を通じて撮影された写真を紹介するものです。
UNICEF事務局長アン・ベネマンは、写真展の開催にあたり、次のメッセージを寄せています。「何千人もの子どもが、パキスタン地震によって大きな被害を受けました。このプロジェクトは、子どもたち自身が撮った写真を通して、彼らの体験と地震が彼らの生活に与えた甚大な影響を世界に伝える機会を提供しました」
|
|||
|
子どもたちが撮影した写真には、子どもたちが目にした日常生活の最も重要なひとコマひとコマが映し出されています。それらは、地震によって失った「日常」を取り戻すのに、とても重要な「ひとコマ=生活の一面」を表しています。「ほとんどの人の家には水道が通っていないから、水を川から運んで洗濯や洗い物、飲み水に使うのよ」このプロジェクトに参加したある子どもは、写真にこんな説明書きをつけてくれました。
本写真展に展示される写真は、パキスタン国内外の一流写真家によって構成される審査委員会によって選ばれました。審査を終えた写真家達は、子どもたちの殆どがカメラを生まれて始めて手にしたにも関わらず、プロ並の写真を撮影したこと、そして子どもたちの創造力の豊かさに、一様に驚嘆の声を上げました。
審査委員の一人でかつてピューリッツァ賞を受賞した写真家ジョン・ムーア氏は、「パキスタン地震で生き残った子どもたちは、長い時間を掛けて心の傷を癒し、日常生活を取り戻してきました。そして今、そういった経験の一部を写真を通して私たちに伝えてくれているのです。写真を見たとき、いまだに瓦礫の中で暮らす子どもたちの日常生活を取り戻したいという願い、失ったものを取り戻したいという願いが伝わってきます」と述べています。
今回のプロジェクト、そして写真展の開催は、ソニー株式会社の支援によって、またソニービルでの開催についてはソニー企業株式会社の協力で実現しました。ユニセフは、160人の子どもたちに、撮影の基本技術だけではなく、チームワークをはじめ、生まれ育った村に戻った時に、その様子を記録したり、他人に伝えたりする方法・技術を学ぶ機会を提供。子どもたちは2人一組になってソニー製のデジタルカメラを使い、写真を撮影しました。
**************
2005年10月9日より多くの皆さまにご協力をいただきました「パキスタン地震緊急募金」は、2006年9月末日をもって受付けを終了いたしました。2006年9月25日までにお寄せいただきました募金は、総額約11億8,640万円にのぼりました。皆さまの温かなご支援に心より御礼申し上げます。
|