FCバルセロナ・ユニセフ パートナーシップ 1年目の成果…スワジランド
【2007年9月26日 ジュネーブ発】
FCバルセロナとユニセフは、26日、2年目に入った両者のパートナーシップを記念し、合同記者会見を開催しました。2006年にスタートした5年間のパートナーシップ。FCバルセロナは、初年度、ユニセフに対し、150万ユーロ(2億4500万円あまり)を提供。世界で最も国民のHIV感染率が高いアフリカ南部のスワジランドの子どもたちの支援に使われました。
「FCバルセロナは、“サッカーの国際化”を強く認識しています。ここ数年、バルサのサポーターやファンが世界中で劇的に増加しています。クラブには、応援してくれるサポーターやファンの期待に応える義務があります。その最善の手段が、サッカーを通じて、世界中で困窮している何百万人もの子どもたちに希望を与えることなのです。」(ジョアン・ラポルタ FCバルセロナ会長)
ユニセフ スワジランド事務所は、FCバルセロナの支援を受け、HIV検査のための器材や抗ウイルス治療薬などを購入したほか、母子感染予防サービス普及のための啓蒙キャンペーンを実施。また、23のコミュニティーに地域のケア拠点を整備しました。
これらのケア拠点では、HIV/エイズで親を失ったりして生活に困窮する1000人以上の子どもたちに、心のケアや栄養、教育、そして基礎的な保健サービスを提供しています。また、こうした拠点での活動を通じ、地域や行政、そして政治をつかさどる人々に、こうした子どもたちが抱える特別なニーズを認識してもらうとともに、国際社会から、さらなる支援を訴えるメッセージが発信されることが期待されています。
FCバルセロナの支援によって、これらの拠点で活動する地域のボランティア、885名のトレーニングや、68小学校5000人の小学生を対象に、HIV/エイズ教育なども実施されました。
追い討ちをかける干ばつ
HIV/エイズ問題で既に深刻な状況にあるスワジランドを、今年、大規模な干ばつが襲いました。国中の6割以上の家屋が安全な飲料水を確保できず、衛生的なトイレを使えない状況におかれ、今後も被害の拡大が見込まれています。伝染病の発生も予想され、特に子どもたちは深刻な危機に晒されています。ユニセフは、FCバルセロナの支援を受け、子どもたちに、安全な飲料水や衛生的な環境を確保するべく、深井戸を新たに掘削し、地方部の小学校にトイレを設置しました。
「パートナーシップの1年目、FCバルセロナはその絶大な“力”と“可能性”を私たちユニセフに認識させてくれました。」と語るのは、ユニセフ・ヨーロッパ地域事務所のフィリップ・オブライアン代表。「アンゴラからブラジルまで、ユニセフのロゴを胸に、FCバルセロナは数千・数百万の人々に、世界の子どもたちをサポートするメッセージを届けてくれました。2年目の今年は、このパートナーシップを更に強固なものとし、より多くの人々にメッセージを伝え、そして、世界で最も困難な状況におかれている子どもたちのために、そうした人々の力を結集する1年となることを期待しています。」
成人のHIV/エイズ感染率が世界で最も高いと推定されるスワジランド。妊婦に対する検査では、受験者の39.2%がHIV陽性と確認されています。また、母子感染予防治療を受けているのは、こうした妊婦の12%以下にも達していません。
FCバルセロナの1年目の支援について、ユニセフ スワジランド事務所のジャマ・グライッド代表は、次のように語りました。「FCバルセロナからの支援は、スワジランドのHIV/エイズ問題への取り組みに、非常に大きな力添えとなりました。感染予防サービス、簡易検査、HIV/エイズ教育などのサービスや支援をとても多くの子どもたちが享受できるようになりました。また、こうしたサービスや支援活動の「基盤」となる出生登録の推進や飲料水、衛生環境の改善などの活動も、FCバルセロナの支援で実現しています。今回、ユニセフ スワジランド事務所がFCバルセロナと一つのチームとなって子どもたちの問題に取り組むことができたことを誇りに思います。今後も、FCバルセロナのように、この国の子どもたちが未来を切り拓くために力を貸してくれる強力なパートナーが現れることを切に望んでいます。」
FCバルセロナは、支援2年目の07-08シーズンも、金員での寄付に加え、通常スポンサー名やロゴが入るユニフォームの胸の場所に、ユニセフのロゴを入れてくれています。プロサッカーの世界で57の世界的なタイトルを手にしてきた名門チームは、6000万以上のファンに支えられています。こうしたチームのユニフォームにユニセフのロゴが入っていることそのこと自体が、世界のサッカーファンに、ユニセフの「子ども最優先」のメッセージを届けてくれる、大きな支援となっています。
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