2023年度 日本ユニセフ協会 収支報告概要
2023年は、ウクライナやシリア、イエメンなどで長期化する紛争に加え、スーダンやパレスチナ・ガザ地区で武力衝突が激化するなど、世界各地で子どもたちが犠牲になる人道危機が続きました。さらに、大規模な地震や、気候変動の影響による深刻な干ばつや熱波、洪水、暴風雨など、自然災害も相次いで発生しました。
そのような状況下、最も困難な状況にいる子どもを最優先に、すべての子どもたちへの支援に取り組むユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は日本国内で、募金・広報・アドボカシー活動を展開しました。
どのような危機にあっても、その影響をもっとも受けやすいのは子どもたちです。ユニセフと日本ユニセフ協会は、誰ひとり取り残されることなく、世界のすべての子どもが健やかに成長し、自らの持つ可能性を最大限に発揮できる世界を目指し、活動を続けています。世界の子どもたちのための活動を支えてくださる日本の皆さまの寛大なご支援に、改めまして心より御礼を申し上げます。
ここに、2023年の日本ユニセフ協会の収支概要をご報告いたします。
1.収支(公益目的事業会計)解説
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収入の部
2023年度、みなさまのあたたかいご支援により、日本ユニセフ協会にお寄せいただいたご寄付は、306億7,589万2,252円となりました。全体のうち、個人によるご寄付が83%、企業・団体・学校からのご寄付が合わせて17%を占めました。
募金に加え、会費、寄付金、雑収益ほかすべての経常収益計は、307億6,497万2,514円となりました。 -
支出の部
2023年、当協会は、266億円をユニセフ本部に拠出しました。これは、経常費用計307億7,011万4450円の86.4%(みなさまからお寄せいただいた募金306億7,589万2,252円の86.7%*)にあたります。経常費用計の13.6%は、ユニセフ本部との協力協定に基づき、ユニセフ支援の輪を広げるための、国内での募金活動(領収書/寄付控除申請書類の印刷・発送費や振込/決済に係る費用などを含む)、広報・アドボカシー活動、国際協力に携わる人材の育成活動などに充てさせていただきました。そのうち、事務運営費および人件費は1.9%です。
ユニセフ本部との協定により、日本を含む各国のユニセフ協会は、各国のみなさまからお預かりしたユニセフ募金のうち最大25%の範囲内で、募金活動、広報・アドボカシー活動などの国内事業をおこなっております。これらの活動は、ユニセフ支援の輪を広げ、厳しい状況に置かれている世界の子どもたちへのより大きな支援につながっています。
正味財産増減計算書(要約版)(2023年1月1日から2023年12月31日まで)
公益法人制度改革に基づき、収支報告は「正味財産増減計算書」にて示しております。ここでは、支援者のみなさまにご理解いただきやすいよう、要約版を下記の通り掲載し、分かりにくいところは注記にて説明をしております。財務諸表などはすべて、当協会ホームページで公開しております。
(単位:円)
科 目 | 公益目的事業会計 | 法人会計※15 | 合 計 |
Ⅰ.一般正味財産増減の部 | |||
1.経常増減の部 | |||
(1) 経常収益 | |||
基本財産運用益 | 203,485 | 0 | 203,485 |
基本財産受取利息 | 203,485 | 0 | 203,485 |
受取会費 | 30,881,000 | 30,000,000 | 60,881,000 |
受取寄付金・募金 | 30,707,655,068 | 0 | 30,707,655,068 |
受取寄付金 | 31,762,816 | 0 | 31,762,816 |
受取寄付金 ※1 | 171,000 | 0 | 171,000 |
受取寄付金振替額 ※2 | 31,591,816 | 0 | 31,591,816 |
受取募金 ※3 | 30,675,892,252 | 0 | 30,675,892,252 |
一般募金 | 30,464,528,952 | 0 | 30,464,528,952 |
学校募金 | 211,363,300 | 0 | 211,363,300 |
為替差益 | 9,815,040 | 0 | 9,815,040 |
雑収益 | 16,417,921 | 0 | 16,417,921 |
経常収益計 | 30,764,972,514 | 30,000,000 | 30,794,972,514 |
(2) 経常費用 | |||
事業費 ※4 | 30,770,114,450 | 0 | 30,770,114,450 |
本部拠出金 ※5 | 26,600,000,000 | 0 | 26,600,000,000 |
啓発宣伝事業費 ※6 | 361,705,583 | 0 | 361,705,583 |
啓発宣伝地域普及事業費 ※7 | 117,236,265 | 0 | 117,236,265 |
募金事業費 ※8 | 3,675,340,030 | 0 | 3,675,340,030 |
国際協力研修事業費 ※9 | 7,169,559 | 0 | 7,169,559 |
本部業務分担金 ※10 | 8,663,013 | 0 | 8,663,013 |
管理費 ※11 | 0 | 14,614,175 | 14,614,175 |
経常費用計 | 30,770,114,450 | 14,614,175 | 30,784,728,625 |
評価損益等調整前当期経常増減額 | △5,141,936 | 15,385,825 | 10,243,889 |
評価損益等計 | 0 | 0 | 0 |
当期経常増減額 | △5,141,936 | 15,385,825 | 10,243,889 |
2.経常外増減の部 | |||
(1) 経常外収益 | |||
経常外収益計 | 0 | 0 | 0 |
(2) 経常外費用 | |||
経常外費用計 | 414,401 | 0 | 414,401 |
当期経常外増減額 | △414,401 | 0 | △414,401 |
当期一般正味財産増減額 | △5,556,337 | 15,385,825 | 9,829,488 |
一般正味財産期首残高 | 4,766,273,924 | 107,075,781 | 4,873,349,705 |
一般正味財産期末残高 | 4,760,717,587 | 122,461,606 | 4,883,179,193 |
Ⅱ.指定正味財産増減の部 | |||
受取寄付金 ※12 | 41,550,000 | 0 | 41,550,000 |
一般正味財産への振替額 ※13 | △31,591,816 | 0 | △31,591,816 |
当期指定正味財産増減額 | 9,958,184 | 0 | 9,958,184 |
指定正味財産期首残高 | 61,318,718 | 0 | 61,318,718 |
指定正味財産期末残高 | 71,276,902 | 0 | 71,276,902 |
※14 | |||
Ⅲ.正味財産期末残高 | 4,831,994,489 | 122,461,606 | 4,954,456,095 |
上記は、監事及び会計監査人(小見山満、窪川秀一、川瀬一雄)の監査を受けた財務諸表の一部である正味財産増減計算書内訳表を要約し、注記を加えたものです。
- ※1日本国内で行なわれる広報・啓発宣伝事業などへの賛助金。
- ※2使途を指定された寄付受領額のうち、指定正味財産増減の部より振替えた額。
- ※3開発途上国の子どもたちへの支援を目的とされた募金。ユニセフ本部への拠出対象となる。(ユニセフ募金)
- ※4公益財団法人認定を受けた公益目的事業費に使用された額。
- ※5ユニセフ活動資金に充当されるもの。
- ※6「世界子供白書」「ユニセフ年次報告」などの刊行物の作成・配布、ホームページの作成・更新、現地報告会やセミナー、シンポジウム開催、広報・アドボカシー・キャンペーンなどの費用。
- ※7全国27の協定地域組織による広報・啓発活動関係費。
- ※8募金関連資料の作成・送付、領収書の作成・郵送料、募金の受領・領収書発行に伴う決済システムの維持管理、活動報告の作成など。
- ※9国際協力に携わる人材育成にかかる費用。
- ※10ユニセフ本部と各国内委員会が共同で行なう各種キャンペーンに対する分担金。
- ※11各事業に配賦されない、管理部門にかかる事務運営費・人件費。
- ※12使途を指定された寄付金。
- ※13使途を指定された寄付受領額のうち、一般正味財産増減の部に振り替えた額。
- ※14公益財団としての基本財産3,363,862,756円、自然災害・紛争などユニセフ本部からの緊急支援要請に応じるための積立金や什器備品等の減価償却費に相当する積立金1,242,950,445円、建物附属設備・什器等の簿価442,629,138円、次期繰越収支差額241,569,102円の合計から、職員退職時の退職給付引当金など336,555,346円を差し引いた額。
- ※15新公益法人会計基準に則り、管理部門にかかる事務運営費・人件費を公益目的事業会計とは別に区分した会計。
監査報告書
(公財)日本ユニセフ協会は、監事及び会計監査人(小見山満、窪川秀一、川瀬一雄)の監査を受けています。財務諸表などの計算書はすべて公開しております。
「ユニセフにご支援くださるみなさまへ」ユニセフ職員 杢尾雪絵
『100円の旅~みなさまのご支援で』- 日本ユニセフ協会