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財団法人日本ユニセフ協会
【栄養不良:各国のストーリー】ミャンマー
ビタミンAで健やかに育て!
死亡原因のグラフ

この日、アヤアヤの家には保健員さんがたずねてきています。 赤ちゃんにビタミンAを与えるためです。

お母さんに抱きかかえられている赤ちゃんのほほをやさしくつかみ、1滴、2滴・・・その小さな口の中に、ビタミンAをぽとりと落とします。 かつて、ミャンマーでは、ビタミンAの欠乏が原因で、毎年数千人もの子どもたちが失明していました。 

ビタミンAが足りないと、子どもの眼球にさまざまな症状を引き起こすからです。それだけでなく、病気と闘う免疫機能も著しく低下してしまいます。 しかし、ほんの数適のビタミンAのしずくが、子どもたちを失明から守り、病気にもかかりにくくします。 今、ユニセフは、子どもたちが視力を失うことなく、健やかに成長することができるよう、ミャンマーのすべての子どもたちにビタミンAを配給しています。

ビタミンA。命のしずく・・・。

© UNICEF Myanmar

 

「病気にかかったって、きっとすぐに元気になる。 遠い遠い、山の向こうも見渡せるほどの視力を持つわ!」アヤアヤは誇らしげに話ます。

2005年、ユニセフが行ったキャンペーンで、500万人の子どもたちがビタミンAを摂取しました。これが、嬉しい結果をもたらしたのです。 この年だけで、子どもの死亡率が23パーセントも低下したのです。「全国規模で展開したビタミンAのキャンペーンは大きな成功を治めました。ユニセフは政府や地域社会とともにビタミンAの普及に全力をささげています。近い将来、ビタミンAの欠乏症が原因で命を落としたり、視力を失ったりする子どもたちを、ゼロにすることが目標です。」 ユニセフの保健・栄養専門チーフのアン・ビンセントさんは語ります。

A balanced diet is best バランスのとれた栄養が一番

© UNICEF Myanmar

ビタミンA。それは命を守る栄養素です。人間にはビタミンAを体内で生成する機能はありません。食事で摂取するしか方法はないのです。ビタミンAが豊富に含まれる食べ物の王さまは緑黄色野菜とたまごです。でも、ミャンマーでは多くの子どもたちが、彩り豊かな野菜や、たまごを頻繁にとることができないため、ビタミンA欠乏に陥りがちです。

だからこそ、ビタミンAのカプセルが威力を発揮するのです。保健員さんたちはどんなに離れた村落にも足を運びます。一軒一軒回って、5歳未満の子どもがいれば、必ずビタミンAを子どもたちの口にポトリと落としていきます。それだけではありません栄養満点な食材やその調理方法を、お母さんたちに助言します。

テット・モンちゃんはようやく1歳になりました。保健員さんにほっぺをつままれ、泣き出してしまいました。何をされるの?という表情でぶるぶると震えています。 その瞬間、保健員さんが、テット・モンちゃんの口の中にビタミンAをポトリ。テット・モンちゃんは泣き止みました。顔中笑顔でくちゃくちゃにして、手を鳴らしているではないですか。 お母さんも笑顔でいっぱいです。子どもの笑顔が嬉しくて、そして、子どもが健康に育つことを確認して、お母さんの顔もくちゃくちゃです。

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