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HOME > 2007年11月特集:栄養不良 > キーワードで知る栄養不良
財団法人日本ユニセフ協会

キーワードで知る栄養不良とユニセフの活動

栄養不良は、さまざまなかたちで起こります。それぞれのキーワードからご紹介します。

ビタミンA 貧血 タンパク質 母乳 ヨード
栄養知識 ブランピー・ナッツ マラリア 寄生虫 宗教

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命の可能性を広げるー【ビタミンA】

ビタミンAは身体の抵抗力をつけるために欠かせない栄養素です。足りなくなると、免疫力が下がり、病気にかかりやすくなります。他の栄養不良ともあいまって、たとえば、下痢や肺炎などのありふれた病気が子どもの死亡につながる間接的な原因になるのです。
また、ビタミンAが不足すると夜盲症など目の病気の原因にもなり、ひどい場合は失明している子どももいます。

ビタミンA欠乏症を予防する方法は簡単です。子どもに高単位ビタミンAのカプセルを年2回、飲ませるだけで多くのビタミンA欠乏症は防ぐことができます。ユニセフは、全国予防接種デーなどの機会を通じて子どもたちにビタミンAを補給する活動を大々的に繰り広げています。

ミャンマー:「ビタミンAで健やかに育って!」

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知的発達を損なうこともあるー【貧 血】

鉄欠乏による貧血症は世界で最もありふれた栄養不良のひとつです。貧血になると、体の免疫機能が損なわれ、心身の機能が低下します。 開発途上国の女性の半数以上と乳幼児の多くが貧血症にかかっています。妊産婦が貧血症だと、出産の際の大量出血の危険が高まり、高い妊産婦死亡率の原因になっています。また、貧血症のお母さんから生まれた子どもも貧血であることが多く、赤ちゃんのときから身体の発育や知能の発達が損なわれる危険を抱えてしまいます。

ユニセフは妊婦に対して、鉄分のサプリメントを補給をするなどして、出産時のリスクや生まれてくる子どもが負うリスクを最小限に抑えるための努力を続けています。 また、各国政府と協力して、小麦粉など日々使う食品に鉄分を添加するなど、栄養強化型の食品を普及するプログラムをサポートしたりしています。

ウズベキスタン:「鉄添加小麦で貧血症をなくせ!」

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子どもの成長に欠かせないー【たんぱく質】

たんぱく質は身体をつくる基本となる栄養素です。骨や筋肉、血液、心臓など、すべての身体の要素をつくる基となる大切なものです。幼い子どもがたんぱく質不足になると、成長が止まり、いつまでも歩き出すことができない、言葉を話し始めないなどの発育障害に陥ります。極端な低たんぱく症の場合、手遅れになり命を失う子どもたちもいます。
たんぱく質不足の主な原因には、食糧不足と、家族や親がどんな食べ物にたんぱく質が含まれているか知らないといった栄養の知識の不足があげられます?

ユニセフは、地域の保健センターなどを通じて、幼い子どもを持つ母親や家族を対象に栄養教室や料理教室などを開いて栄養の知識を広める活動も進めています。

インドネシア:「母乳育児で子どもを守る」

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健康な子どもを育てるー【母 乳】

母乳には赤ちゃんが生きていく上で必要な栄養素のすべてや病気を防ぐ抗体などが含まれている完璧な赤ちゃんの食事です。赤ちゃんを下痢性疾患や感染症の病気から守るだけでなく、認知力を育み、赤ちゃんの健全な成長と発達を促します。その上、無料です!
粉ミルクは費用がかかる上に、溶かす水が汚れているなど、赤ちゃんを下痢や栄養不良の危険にさらしてしまいます。生まれてから半年間を完全に母乳だけで育てることを実践するだけで、ほとんどの赤ちゃんの命と健やかな成長を守ることができるのです。

ユニセフは、政府、地域社会、パートナーと連携して、新しく母親になる女性や家族に母乳育児がどれだけ子どもに大切か、どれほど大きな力を持っているかを伝え、実践してもらえるよう、努力を続けています。また、地域レベルで妊娠中や出産後のお母さんのケアや支援を続けることで、母乳育児を根付かせようとしています。

インドネシア:「母乳育児で子どもを守る」

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【ヨード】ーという栄養素をご存じですか?

ヨードは海草などに多く含まれる栄養素です。人間の体には微量で十分なのですが、甲状腺の働きを支えるために欠かせない栄養素です。このヨードが欠乏するとあらわれる症状は、首に大きなコブのようなものができてしまう甲状腺種です。特に内陸部にある国や山岳地帯などで多く見られます。
また、ヨード欠乏症のお母さんからは、知能障害を伴う恐れのあるクレチン症の赤ちゃんが生まれることもあります。子どもにヨードが不足すると、深刻な場合、知的発達が損なわれたり、成長が妨げられたりします。 軽度の場合でも、成人や子ども知能指数(IQ)が10〜15ポイント低下し、筋肉運動の調整ができなくなったり、気力が低下したりする症状が認められています。

近年ヨード欠乏症は、ユニセフや各国の努力によりヨードを添加した塩(ヨード添加塩)が広く普及しはじめたことにより、減少に転じています。日々使う塩にヨードを添加することを義務化する国も増えています。微量栄養素欠乏のうち、解決に向かっている成功例のひとつです。

ウズベキスタン:ヨード添加塩で子どもたちに未来を!

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ミャンマー 錦織信幸(にしきおりのぶゆき) UNICEFミャンマー事務所 保健・栄養担当プログラム・オフィサー 錦織信幸(にしきおりのぶゆき) エチオピアから UNICEFエチオピア事務所 栄養担当専門官ニュートリション・スペシャリスト 岡村恭子(おかむらきょうこ) 岡村恭子(おかむらきょうこ) エチオピアから