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東日本大震災から3ヵ月
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震災発生 から1ヵ月 |
緊急救援物資の提供と母子への保健衛生、栄養支援 |
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震災発生 から2ヵ月 |
学校、保育園・幼稚園の再開と心のケア拡大 |
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震災発生 から3ヵ月 |
中長期的な復興支援へ |
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© 日本ユニセフ協会/2011 |
今回の震災によって50年ぶりの日本国内でのユニセフ支援活動が決定されると、支援の主体となる日本ユニセフ協会スタッフに加え、海外の現場から応援派遣されたユニセフの日本人専門家、被災地のユニセフ県協会、そして国内の支援企業・団体の一致団結した緊急支援がスタートしました。
日本ユニセフ協会スタッフとユニセフ日本人専門家は、被害状況と医療、保健、教育などの分野の支援ニーズを確認するため、震災直後に岩手、宮城、福島の災害対策本部等を訪問し、関係各所との協議に奔走しました。
3月19日、ユニセフの支援物資第1便として飲料20トンが宮城県に到着し、その後も水、紙おむつ、お尻ふき、子ども用肌着、靴、玩具などを国内の支援企業やユニセフ物資供給センターの協力を得て調達。長年にわたるユニセフのパートナーであり、既に被災各地の避難所などへの物流ルートを確立していた被災地の生活協同組合等の協力によって、迅速に輸送・配布することできました。
飲料水(2リットル入りペットボトル) | 55,752本 |
子ども用肌着 | 267,966枚 |
子ども用靴・長靴 | 計18,866足 |
レクリエーションキット/「箱の中の幼稚園」 | 各100セット |
防犯ブザー | 10,000個 |
ランドセル/学校用かばん | 36,410個 |
*初期の緊急救援フェーズで届けた物資の一部です
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© UNICEF/NYHQ2009-1037/Markisz |
大きな災害を経験し、非日常の中にいる子どもたちは、みな心にストレスや恐怖を抱えています。それが深い心の傷となる前に、一刻も早く心理社会的な支援(心のケア)を始めることが重要です。日本ユニセフ協会は、子どもたちが安心できる場所で、遊びや周囲の人々とのかかわりの中で心を開放できるよう、各地の避難所で『子どもにやさしい空間』づくりを進めました。
その中で重要な役割を果たしたのは、ユニセフ物資供給センター(コペンハーゲン)から届いたぬいぐるみやお絵かきセット、知育玩具などが入った『箱の中の幼稚園』、そして遊具やスポーツ用品が入った『レクリエーションキット』です。
「今日、ぬいぐるみを手渡した時、子どもたちが満面の笑みを浮かべたのを見て、僕自身、涙が溢れそうになってしまいました。避難所での生活は決して楽なものではありません。そんな子どもたちが一瞬かもしれないけれど、本来の笑顔を取り戻した瞬間。ユニセフで働いていてよかったな、としみじみ感じました。」(宮城フィールドマネージャーとして活動したユニセフソマリア事務所・國井氏)
被災地に届けられたこれらのキットは、それぞれ100セット。避難所だけでなく、幼稚園や保育園等でも活用されました。
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迎えた始業式・入学式。子どもたちは離れていった仲間の分も笑顔でがんばることを誓い合い、新しい一歩を踏み出しました。 |
学校の再開は、子どもたちの“日常”の復興の第一歩です。4月の入学式・始業式に向けて、学校再開への様々な取り組みがおこなわれました。
フェースIとして、まず授業の再開に不可欠な文房具などの学用品を岩手県では被災した小中学校に在籍する全生徒に、宮城県でも73校の小中学校の生徒に、合計2万セットを届け、また、パソコンやプリンターなど先生方が必要とする機器類、学校活動再開に必要な机・椅子などの備品を100校を超える小中学校に提供しました。
学用品は、一人分ずつ、学年ごとのニーズに合わせてセットされ、かばんに入れて届けられました。また学校内の清掃や備品の搬入など、子どもたちを迎える様々な準備の影には、たくさんのボランティアの方々の協力がありました。
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5月10日、宮城県の女川第2小学校内に『ちゃっこい絵本館』がオープンしました。日本ユニセフ協会は、絵本の寄贈と共に子どもに優しいスペース作りにも協力し、カラフルであたたかな絵本館が出来上がりました。 |
被災した子どもたちが一刻も早く心の平穏を取り戻すことができるよう、「絵本」と「笑顔」を届けようと始まった支援プロジェクト。日本全国に絵本の寄贈を呼びかけると、続々と寄せられた絵本や児童書、紙芝居、そして被災地を応援する気持ち。それらを対象年齢に合わせたミニ図書館セットにして、避難所や小・中学校、幼稚園、保育園、そして子どものいる家庭へと届けています。3月26日に呼びかけをスタートしてから約2ヶ月半、すでに13万冊の図書が被災地に届けられました。
「娘は大喜びで、ダンボールを枕元に本と一緒に眠ってしまいました。ありがたくて、嬉しくて、涙が溢れました」
「届いた絵本を毎日1冊ずつ、楽しみに読んでいます」
「つらいことに、負けてはいられませんね。心温まる試みに、深く感謝しています」
受け取った方々からの喜びの声も、続々寄せられています。
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岩手県、福島県では、子どもたちの心のケアの一貫として、避難生活を贈る子どもたちや原発事故の影響で外遊びの出来ない子どもたちを対象に、安全な場所で思いっきり外遊びを楽しむバス遠足を実施しています。
たくさん体を動かしたり、自然と触れ合ったり、新しいことを体験できる様々なプログラムが用意され、ストレスを発散した子どもたちは心からの笑顔を見せていました。
これまでの参加者は1,000人以上。今後続く本プログラムへの申込者は5,000人を超えています。
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震災が起こったその日、日本ユニセフ協会が発信したのは、「子どもたちの近くに寄り添うこと。子どもの言うことに耳を傾けること。子どもたちが安全に過ごせる、子どもに優しい空間を作ること。子どものためのおもちゃなどを用意し、子どもたちが遊ぶよう勇気づけること」といった、家庭でできる子どものための心のケアのヒントでした。
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子どもたちは、日常の自然な表現方法である遊びを通して、自分の気持ちや考えを表現し、気持ちの整理や体験の対処法を学んでいきます。子どもたちのそうした“遊び”を心のケアの観点から支えていく「プレイセラピー」の研修を、日本プレイセラピー協会の協力を得て、被災地で子どもたちに関わる教員や保育士、ボランティア、児童相談所の職員等を対象に実施しました。研修を受けた方々からは、「震災の後、子どもへの接し方が分からず戸惑っていたので、研修を受けてよかった」「怖いおもちゃなどは仕舞っておいたほうがいいと思っていましたが、恐竜や兵士などを使って、子どもたちが自分の恐怖を表現できることを知りました。早速明日からとりいれていきたい」といった感想が寄せられています。
また各地で幼稚園や保育園が本格的に再開されるにあたって、5月中旬以降は園児の保護者にも対象を広げ、子どもたちの心理社会的支援を家庭と施設の両方から包括的に展開できるよう、拡大展開しています。
5月〜6月にかけて、ようやく被災地各地での乳幼児健診・予防接種が本格的に再開され始めました。
緊急救命の医療が優先される中で、幼い子どもを抱えるお母さんたちは、こうした健診を待ち望んでいました。日本ユニセフ協会は、必要な機器類(診療用具、身長・体重計など)、ワクチンや保冷庫、医師や保健師の巡回のための車両などを提供して、母子保健行政のサポートをしています。
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6月2日、予防接種が再開された陸前高田市の会場では、医師や行政の担当者からは「やっとここまで来た・・」という安堵の言葉が漏れました。「ユニセフの支援なしには、この早い段階での予防接種の実施はありえなかった。」
引き続き、母子保健にかかわる行政のサポート、また不安を抱えるお母さんたちの心のケアや栄養指導なども実施していきます。
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日本ユニセフ協会は、宮城県と岩手県の被災地の自治体からの要請を受け、保育園や幼稚園等の仮設園舎の建設や大規模な修繕のための支援活動を展開しています。
6月1日、岩手県大槌町では80日ぶりに大槌保育園が再開されました。大槌町内で一番大きな保育施設であり、子ども支援センターの機能も兼ね備えていた大槌保育園。再開へのニーズの高い同保育園の再開に向けて、日本ユニセフ協会は、4月上旬から園や自治体の関係者らと何度も協議を重ね、仮園舎の建設と保育のための備品の支援などを進めてきました。仮設ではあっても、子どもたちにとって楽しい空間となるよう、先生、ボランティアの方々、日本ユニセフ協会のスタッフ等が協力して作り上げた園舎には、再開の日、子どもたちの歓声と先生方の笑顔、安どの表情を見せる保護者の方々の姿がありました。
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今後、各地での保育園幼稚園等の仮設・恒久園舎の建設や大規模な修繕のため、関係者や子どもたちの声を取り入れるためのワークショップを開催するなど、子どもに優しい施設をつくる支援を続けていきます。