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スーダンを襲う新たな人道危機に、国連が共同声明を発表【2009年3月9日 スーダン発】
ユニセフは9日、他の国連諸機関と共同声明を発表し、スーダン政府が人道支援活動を行っていた16の非政府組織(NGO)に対し国外退去命令を出したことに対し、深い懸念を表明しました。 この国外退去命令によって、ダルフールやその他の地域では、命に関わる様々な人道支援活動が停滞または停止しはじめています。 「これらのNGOが担ってきた支援活動がすぐに再開されなければ、何百万人ものスーダンの人々の生活に即座に、そして長期的に深刻な影響を及ぼすでしょう。どんなに短期間であっても、NGOが長年行ってきた支援活動と彼らの専門的技術を、別のもので置き換えることは出来ません。」共同声明はこのように述べています。 ユニセフ本部緊急支援局のルイ−ジョージ・アーセノールト局長は、こうしたNGOの支援活動を止めることは「考えられない事態」であると述べ、次のように続けました。「こうした支援活動が停止したままであるならば、子どもたちと女性たちの生命はさらに脅かされることになるでしょう。これは人道危機です。」 女性と子どもたちへの影響
今回の国外退去命令は、長年にわたる武力紛争や干ばつの影響を受けている女性と子どもたちに行ってきたユニセフの支援活動にも深刻な影響を与えることになります。スーダンにおけるユニセフのほとんどの活動は、今回国外退去命令を受け現在活動が出来なくなっているNGOとのパートナーシップによって実施されているのです。 ユニセフは、飲料水、衛生、保健、栄養、教育や、最も弱い立場の人々の保護等の分野での支援活動に、深刻な影響が及ぶことを懸念しています。例えば、今後数週間の間に、推定116万人(その大半はダルフールに暮す人々)が、水と衛生施設へのアクセスを失う見込みです。また、約150万人の人々は、産前産後のケアを含む基礎保健サービスの支援を失うことになるでしょう。 ユニセフ、国連難民高等弁務官、国連合同物流センター、世界食糧計画、世界保健機関、国連人道問題調整事務所が出したこの共同声明は、今回国外退去を命じられたNGOは、ダルフールで人道支援活動をしているNGOの半分以上にあたると指摘しています。 一刻を争う問題ユニセフは、ダルフールとスーダン北部のその他の地域で、こうした状況の中でも子どもと女性のための支援プログラムを継続するため、対処方法を探っています。一方、パン・ギムン国連事務総長は、緊急を要する問題として、国外退去を命じられた全てのNGOの活動を再開させるよう求めました。 ダルフールは、世界で最も深刻な人道危機に晒されている地域のひとつであると言われています。毎日何千人もの人々が、暴力、病気、飢えによって命を落としています。レイプ、殺人、放火、略奪が横行し、人々は住む場所を追われ続けています。女性と子どもたちは、長期にわたる武力紛争の影響を最も受けているのです。 共同声明によると、今回国外退去を命じられたこれらのNGOは、ダルフールだけで、470万人の命を支える活動をしていたと報告されています。 ************** ◇ 募金のお願い ◇ 日本ユニセフ協会では、スーダンをはじめ人道危機に対するユニセフの支援活動を支援するための募金を 下記の口座にて受け付けています。皆様のご協力をお願い申し上げます。 |