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公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ緊急募金 第9報
マラウイ:コレラ感染拡大の恐れ
患者39人、うち2人の死亡を確認
洪水被災地、モザンビーク国境地域の2地域で

【2015年2月27日 リロングェ(マラウイ)/ジュネーブ発】

自宅が洪水の被害を受け、避難所のテントに身を寄せる人々。
© UNICEF/NYHQ2015-0048/van de Merwe
自宅が洪水の被害を受け、避難所のテントに身を寄せる人々。

ユニセフ(国際連合児童基金)マラウイ事務所は、南部国境地帯にある避難民キャンプが、コレラ流行に備えて厳戒態勢にあると発表。そのキャンプでは、今年1月に発生した洪水災害により、避難している大勢の人々が溢れかえっている状況です。

39人がコレラに感染

マラウイ保健省は、マラウイ全土において、この2週間で2人の死亡を含む39人*がコレラに感染していることを確認しています。急速な感染拡大はより大きな集団感染につながる恐れがあり、仮にそれが起こった場合、すでに過重負担となっている保健サービスの対応能力を超えてしまう可能性が新たに懸念されています。

*マラウイ保健省によると2月24日時点、39人の感染者のうち34人が洪水で被災したンサンジェ県で発症。残り5人は、洪水の被害を受けていない隣国モザンビークの国境に近い南西部ムワンザ県で発症。第1例目の確認日は今年2月13日。すべての発症例がモザンビーク・テテ県のコレラ流行と関連しているとみられている。
(出典:ユニセフ・マラウイ事務所情勢レポート2015年2月25日付)

隣国モザンビークでは、2014年12月25日以降、多くの子どもたちを含む3,400人以上のコレラ感染例と37人の死者という憂慮すべき状況が報告されています。

感染拡大阻止のため、求められる迅速な支援

洪水の被害にあった人々が身を寄せている避難民キャンプの中を歩く子ども。
© UNICEF/NYHQ2015-0051/Chagara
洪水の被害にあった人々が身を寄せている避難民キャンプの中を歩く子ども。

コレラ感染の初期症状は、殆ど、あるいは全く見られません。しかし、初期段階でも人から人へと感染するため、感染の拡大につながります。その後、下痢や嘔吐の症状がみられて、さらに進行すると重度の脱水症状を引き起こします。適切な治療を受けられないと数時間で死に至る病気のため、特に幼い子どもにとっては危険な感染症です。

ユニセフ・マラウイ事務所代表のマヒンボ・ンドエは、「マラウイにおける国際人道支援組織として、ユニセフは、さらなる感染拡大を阻止するために迅速に行動する必要があります。避難している人々、特に免疫力が低下している栄養不良の子どもたちは、非常に危険な状況に置かれています。ユニセフは、コレラ拡大を防止する上で重要な、移動式の保健サービスや、安全な水と衛生などの支援を実施し、マラウイ政府を支援しています」と述べました。

人口が密集し、安全な水と衛生が確保できない環境下で暮らす人々にとって、コレラは公衆衛生の深刻な問題です。コレラはマラウイの風土病である一方、過去3年間、一度も感染例の報告がありませんでした。マラウイで最後に大規模なコレラ流行が発生したのは2009年で、その時には1,000人を超える感染者が出ました。

ユニセフとマラウイ保健省や世界保健機関などのパートナー機関・団体は、現在、日常的に状況を監視し、疑いのあるすべての感染例に対応しています。

* * *

■マラウイ洪水について

  • 2015年1月、マラウイの国全体の15県が洪水によって甚大な被害を受けました。今もなお雨が続くため、23万人が避難しており、172人が依然として行方 不明となっています。
  • ユニセフ・マラウイ事務所は、洪水発生以来、現地でコレラや水に起因する感染症に対応できるよう多面的なアプローチを実施しています。
  • ユニセフは現在、診療施設や被災地での予防接種を含む「はしかキャンペーン」を展開する準備を進めています。
  • 水と衛生は緊急支援における重要な分野であり、1月以降に衛生施設を使えるようになった人は、計6万8,487人 のぼります。

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