【2017年12月13日 パナマシティ(パナマ)/ニューヨーク発】
5段階で最も強い「カテゴリー5」の勢力を持つハリケーン「イルマ」と「マリア」が、カリブ海諸国で猛威を奮い、広範囲に損壊・損傷をもたらし、多くの命を奪ってから3カ月が経ちますが、地域に暮らす何千人もの子どもたちは依然として支援を必要としています。
© UNICEF/UN0119421/Valenzuela |
3カ月前、大西洋で観測史上最大級の勢力をもったハリケーン「イルマ」は、東カリブ海諸国、ハイチ、およびキューバに多大な被害をもたらしました。続いて発生したハリケーン「マリア」も地域全体にさらなる被害をもたらし、ユニセフ(国連児童基金)は、2つのハリケーンの影響で人道支援を必要としている子どもは35万人にのぼると推計しています。
「ハリケーンが上陸する前から、ユニセフは現地において、各国政府および現地パートナー団体と協力し、最もリスクの高い地域において、コミュニティの災害対策と人道支援物資の備蓄を支援しました」とユニセフ・ラテンアメリカとカリブ海諸国地域事務所代表のマリア・クリスティナ・ペルスヴァル(Maria Cristina Perceval)は述べました。それらの物資には、安全な水・避難所・社会サービスが不足した際、緊急対応に最も必要とされる、命を守るための支援物資が含まれます。
「3カ月が経過した今も、ユニセフは被災した国々や地域で活動を続けており、家族が生活を再建し、子どもたちが日常を取り戻すための支援をおこなっています」(ペルスヴァル)
© UNICEF/UN0120346/Bradley |
しかし、最も弱い立場にある家族の多くは未だに影響を受け続けており、課題も残されています。
ドミニカ共和国では、子どもの35%以上、特に避難所に暮らす子どもたちが、いまだに教育を受けることができていません。アンティグア・バーブーダでは、多くの子どもや家族がいまだに避難所生活を送り、家に戻ることができていません。
ユニセフは、政府およびパートナーNGOと協力して、最も影響を受けた人々に対して、緊急人道支援を提供するにとどまらず、長期的な復興およびレジリエンス(災害への対応力・回復力)強化にも取り組んでいます。
「多くの人々が日常を取り戻してはいますが、ハリケーンを生き延びた子どもたちと家族は、自宅やコミュニティ、そして生活を取り戻すために、継続した支援を必要としています」(ペルスヴァル)
ユニセフは、各国政府およびパートナー団体と協力して、復興・レジリエンス強化に重点を置いたプログラムを通じて、子どもたち、家族、そしてコミュニティを支援してきました。支援活動には以下が含まれます。
弱い立場にある子どもやコミュニティに対して、特に東カリブ海諸国、ハイチおよびキューバにおいて、支援の実施には資金が必要不可欠です。ユニセフはこの地域の子どもたちに命を守る支援を提供するための資金として、930万米ドル必要としています。
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