【2018年2月7日 ヤンビオ(南スーダン)発】
本日南スーダンで、87人の女の子を含む300人以上の子どもたちが武装勢力から解放されました。今後数週間で少なくとも700人の子どもの解放が予定されており、今回はその始まりとなります。南スーダンで、前回、子どもたちが武装勢力から解放されたのは、1年以上前のことです。
© UNICEF/UN0158696/Prinsloo |
「私たちの最終的な目標は、今なお武装勢力に捉われている何千人もの子どもたち全員を家族の元に返すことですが、今回の解放はその達成のための重要な一歩となります」とユニセフ・南スーダン事務所代表のマヒンボ・ ムドエは述べました。「今回のような大規模な解放は約3年ぶりとなります。今後も交渉を継続し、このような日をさらに多く迎えられるようにしていかなければなりません」
今回、215人の子どもたちが、南スーダン人民解放運動(SSNLM)から解放されました。SSNLMは2016年に南スーダン政府との合意文書に署名し、所属する兵士たちは現在、政府軍に統合されています。
さらに、96人の子どもが、スーダン人民解放運動反対派(SPLA-IO)から解放されました。2016年7月にこの地域で発生した武力衝突の影響で、子どもたちの解放を確実にするための進展は足踏み状態が続いていましたが、今回の解放により一歩前進したと言えます。
© UNICEF/UN0158706/Prinsloo |
解放式典に参加した子どもたちは、武器を置いて正式に非武装となり、軍服を脱いで民間人の服を受け取りました。子どもたちは健康診断を受けた後、ユニセフやパートナー団体が提供する社会復帰プログラムで、カウンセリングや心理社会的ケアを受ける予定です。
この地域に家族や親戚がいる子どもたちは家族の元へと戻りますが、そうでない子どもたちは家族が見つかるまで、一時的なケアセンターに保護されます。子どもたちの家族統合に向けた最初の支援として、3カ月分の食糧が家族に支援されます。その後、家族の収入を増やして食糧を安定的に確保できるよう、子どもたちには職業訓練の機会が提供されます。子どもたちの経済的自立は、武装勢力と関係を断つための重要な要素となりえます。このような生計面での支援に加え、ユニセフとパートナー団体は、解放された子どもたちが、それぞれの年齢に沿った教育を、学校あるいは学習センターで確実に受けられるように支援を提供します。
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「すべての子どもたちが強制的に徴兵・徴用されたわけではないのです。多くの子どもたちが武装勢力に加わったのは、ほかに選択肢がないと感じたからです」とムドエは言います。「そのような子どもたち、そして南スーダン全土の子どもたちに対して、私たちが優先しなければならないのは、彼らがより明るい未来を展望できるよう支援していくことです」
2013年12月の紛争勃発から4年以上が過ぎた今でも、推定1万9,000人の子どもたちが、武装勢力に徴兵されています。ユニセフは、これからも国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)などと協力し、交渉や、身元確認・登録などの綿密な手続きを通じて、武装勢力と関わりを持つ子どもたちのさらなる解放と社会復帰を確実なものにしていきます。
ユニセフの社会復帰プログラムには十分な資金が不可欠です。ユニセフは2018年の南スーダン全土における子どもたちの解放、武装解除、および社会復帰の支援活動に4,500万米ドルを必要としています。
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