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日本ユニセフ協会
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シリア・ルクバン
シリア危機最大の国連人道物資輸送
ユニセフ、トラック30台分の支援物資を現地に 予防接種、保健・栄養・教育支援物資など提供

【2019年2月15日  ニューヨーク / ダマスカス(シリア)発】

ヨルダンとの国境に接するシリアの遠隔地ルクバン(Rukban)の国内避難民仮設居住区には、4万人以上が暮らしそのほとんどを女性と子どもたちが占めます。ここで、ユニセフ(国連児童基金)が支援する予防接種員が9日間にわたり、子どもたち数千人に対して予防接種を行いました。

シリア危機最大の国連人道物資輸送

ルクバン近郊に到着したユニセフとシリア赤新月社が輸送する人道支援物資。(2019年2月6日撮影)

© UNICEF/UN0279377/anonymous

ルクバン近郊に到着したユニセフとシリア赤新月社が輸送する人道支援物資。(2019年2月6日撮影)

今回ユニセフ、国連、およびシリア赤新月社が共同で行ったルクバンへの人道支援物資輸送は、8年間に及ぶシリア危機の中で最大規模のものです。118台のトラックのうち30台には、ユニセフの子どもの命を守るための支援物資が満載されています。子どもと母親推定2万人に対する保健・栄養分野の支援物資、4万人以上のための衛生キット、レクリエーション・キット、また子ども8,000人以上のための教科書、文房具、および通学バッグを含む学用品が含まれます。

「シリア国内のルクバンなど支援を届けるのが困難な場所に暮らす子どもたちは、今も生き残るための闘いを強いられており、手遅れになる前に緊急に人道支援を提供する必要があります」と昨年12月にシリアを訪問したユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「今回の人道物資輸送により、最も弱い立場にある子どもたちと家族に対して、彼らが切実に必要としている支援を提供することができました。これは歓迎されるべき一歩ですが、私たちはこれからもすべての当事者に対して、シリア全土の子どもたちへの支援ができるよう、定期的かつ持続的な、制限のないアクセスの許可を求めていきます」

予防接種、保健・栄養・教育支援物資など提供

The children walk back home after choosing their new winter clothes through the UNICEF-supported e-voucher programme. 22 January 2019 in the Syrian Arab Republic. As of 30 January 2019, with dropping temperatures, children and their families across Syria are left with nothing to fend off the cold. Families living in collective shelters for the internally displaced or those returning to their destroyed homes amid a severe lack of services are especially vulnerable. Years of violence, displacement, lost livelihoods and depletion of financial resources have left them unable to provide for their children’s most basic needs, including winter clothes. To help ease the financial burden on families, UNICEF launched the innovative e-voucher programme, providing families with smart electronic cards charged with varying amounts of money based on the number of children and their ages. The vouchers are redeemable at pre-selected shops. The cards allow families to purchase full sets of winter clothes for their children, including a jacket, a woolen sweater, a thermal outfit, a pair of trousers, a woolen hat, scarf, gloves, socks and a pair of winter boots. The programme not only gives parents flexibility in choosing products, but also maintains their dignity and empowers the local economy by creating demand. In Aleppo, with thanks to the Department of International Development (DFID), the programme aims to reach 12,000 children under the age of 15 in eight war-ravaged neighbourhoods of the city with e-vouchers, redeemable at 24 shops. Hameed, the father of 8 children; Ghada, 12, Ahmed, 10, twins Rana and Ali, 8, twins Rasha and Zakaria, 6, Mohammad, 3, and Fatima, 1, was happy to accompany his children to buy winter clothes, using the UNICEF-provided e-vouchers in the city of Aleppo. “Last month, Ahmed’s old trainers finally gave up and were torn apart, forcing him to walk barefoot!” says Hameed who works as a day laborer. “I bought him another pair from a second-

© UNICEF/UN0280490/Al-Issa

冬服の支援物資を受け取り、家に帰る途中の子どもたち。(2019年1月22日撮影)

ルクバン地域における保健サービスへのアクセスは極端に制限されています。免許を持った医師はひとりもおらず、医薬品・医療品が不足したクリニックが数カ所あるのみです。昨年12月以降、零下の気温と医療ケアの不足により、少なくとも8人の子どもが仮設居住区で亡くなり、そのほとんどが新生児でした。

「ルクバンの母親と子どもたちにとって、冬は信じがたいほど厳しいものでした。栄養不良と非常に厳しい生活環境が、彼らの健康状態を悪化させています」と支援物資輸送に同行したユニセフ・シリア事務所代表のフラン・エクイザは述べました。「適切な医療施設や資格のある医療従事者が不足しているために、出産時の単純な合併症が母親と赤ちゃんの命取りになりかねないのです」

ルクバンの学齢期の子ども3,000人近くが、教室不足、資格を有する教員の不足、および逼迫した経済状況のために学校に通えていません。収入創出の機会が極めて限られている中で、ほとんどの家族にとって、月2,000 シリアポンド(3.5米ドル)の授業料を払うことは困難となっています。

「子どもたちが床に座り、黒板の代わりに壁に紙が貼られた、混雑した、泥で作られた教室においても、学習意欲を持ち、新しい通学バッグを見て喜ぶ子どもたちに会いました」とエクイザは話します。「この子どもたちにとって、学校は学習するだけの場所ではありません。学校は、学校の外で起こっている厳しい現実を離れ、安全なスペースも提供するのです」

人道支援を届けるためのアクセス確保を

アレッポ東部の自宅で、料理をするために火をつける12歳のガーダさん。冬服が足りず、体調を崩すことも多い。(2019年1月22日撮影)

© UNICEF/UN0280489/Al-Issa

アレッポ東部の自宅で、料理をするために火をつける12歳のガーダさん。冬服が足りず、体調を崩すことも多い。(2019年1月22日撮影)

仮設居住区に暮らす親や子どもたちは、児童労働、早婚、子どもに対する暴力、および女の子や女性に対する暴力の恐れを含む、保護の問題を指摘しました。

「この遠隔地の身動きが取れない子どもたちや家族にとって、仮設居住区の人道的状況は過酷であり続けています」とエクイザは話します。「彼らは、食料、水、保健ケア、住居を切実に必要としています。人道支援の提供は一時的な解決にしかなりません」

すべての紛争当事者は、支援を必要とする子どもたちに対して、彼らがどこにいようとも、誰が管理する地域にいようとも、人道支援を届けるためのアクセスを提供する義務と責任があります。ユニセフは、シリアで活動する他の国連機関と協力して、ルクバンに暮らす家族たちが安全に、かつ尊厳を持って彼らの故郷への帰還あるいは彼らが選択する場所への移住を支援する、安全かつ自主的な長期的解決策を今後も求めていきます。

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