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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ難民危機発生から1年半
ユニセフ事務局長コックスバザール訪問 無国籍のロヒンギャの子ども50万人
人身売買や麻薬密売の標的に
教育と職業訓練の機会提供急務

【2019年2月27日  ダッカ(バングラデシュ)発】

バングラデシュ南部のコックスバザール地区に暮らす50万人のロヒンギャの子どもたちは国籍を持たない難民で、自らの将来への不安を募らせ、焦燥感や絶望感を抱えています。

国籍を持たない子どもたち

On 25 February 2019 in Bangladesh, (right) UNICEF Executive Director Henrietta H. Fore interacts with children as she visits a Learning Centre in the Camp 18 section of the Kutupalong-Balukhali mega-camp in the Cox's Bazar district. In February 2019,  half a million Rohingya children are stateless refugees in the Cox’s Bazar area in southern Bangladesh, increasingly anxious about their futures, and vulnerable to frustration and despair. The massive humanitarian effort led by the Government of Bangladesh with international support has saved countless children’s lives. There is no viable solution in sight for these Rohingya children who live in the world’s largest and most congested refugee settlement. The vast majority were forced to flee for their lives from Myanmar into Bangladesh in August 2017. In Myanmar, the majority have no legal identity or citizenship. In Bangladesh, children are not being registered at birth, they lack a legal identity, and they lack a refugee status. Until conditions in Myanmar lead to those eligible returning home, Rohingya children remain status-less minority. This excludes these children from learning a formal education curriculum and they are desperately in need of marketable skills. “The obligation we have as a global society is immense: to give children and young people the world has defined as ‘stateless’, the education and skills they need to build decent lives for themselves,” said UNICEF Executive Director Henrietta Fore, following a two-day mission to Cox’s Bazar on 25-26 February with the United Nations Secretary General’s Humanitarian Envoy, Ahmed Al Meraikhi. The results of a survey completed in December 2018 of 180,000 Rohingya childrenages 4-14 now enrolled in “Learning Centers” across the Cox’s Bazar area show the extent of the need for education. More than 90 per cent were shown to have learning competencies at the pre-primary to grades 1-2 level. Just 4 per cent were at grade levels 3-5, and 3

© UNICEF/UN0284214/LeMoyne

学習センターを訪問し、子どもたちと触れ合うヘンリエッタ・フォア事務局長。

バングラデシュ政府が国際社会の支援を得て進めている大規模な人道支援は、多くの子どもたちの命を守っています。世界で最も大きく、最も過密している難民居住区に暮らすロヒンギャの子どもたちの状況に解決の兆しはありません。圧倒的多数は2017年8月にミャンマーからバングラデシュに逃れることを余儀なくされました。

ミャンマーでは、ロヒンギャの人々の多くが法的な身分証明や国籍を取得できていません。バングラデシュで生まれた子どもたちは出生登録されず、法的身分も難民の地位も持っていません。 ミャンマーの状況が改善され、帰還が可能になるまで、ロヒンギャの子どもたちは無国籍の少数派であり続けます。そのために、子どもたちは公式な教育カリキュラムを学ぶ機会を与えられず、市場で働くための技術スキルの習得を切実に必要としています。

「国際社会に課せられた責任はとても重いものです。世界が『無国籍者』と定義した子どもや若者に、彼らが人並の生活を営むための教育と技術スキルを与えなければなりません」と2月25日と26日に国連事務総長人道担当特使アハメド・アルメライキ(Ahmed Al Meraikhi)と共にコックスバザールを訪問したユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。

人身売買や麻薬密売の標的に

4、5年生レベルのクラスで勉強する女の子たち。

© UNICEF/UN0284179/LeMoyne

4、5年生レベルのクラスで勉強する女の子たち。

2018年12月に終了した調査結果によると、4歳から14歳のロヒンギャの子どもたち18万人が、コックスバザールの「学習センター」に通っており、教育の必要性の高さがわかります。学習到達度に達した子どもの割合は1年生から2年生で90%以上ですが、3年生から5年生では4%、6年生から8年生では3%のみとなっています。15歳から24歳のロヒンギャの若者で何らかの教育または職業訓練を受けているのは僅かに3%です。

「私たちは今、今の世代のロヒンギャの子どもたちが、現在の生活を改善し、彼らが帰国できたときにミャンマーの社会構造の再構築において建設的な役割を果たせるようにするために、協力して投資することに合意しなければなりません」とアルメライキは述べました。「今も、法的身分のない子どもたちは、人身売買や麻薬密売の標的にされているのです」

教育と職業訓練の機会提供急務

コックスバザールの店で職業訓練を受ける15歳のサルマさん。

© UNICEF/UN0284148/LeMoyne

コックスバザールの店で職業訓練を受ける15歳のサルマさん。

ユニセフは現在、4歳から14歳の子どもたち15万5,000人に対して、より質の高い、より構成された学習と技術習得を含めた学習プログラムを提供しています。2019年の優先課題は、年長の若者たちが基礎的な読み書きと算数および適切な職業技術を身に着けられるようにすることです。また、バングラデシュで最も貧しい地区のひとつであるコックスバザールの受け入れ地域にもこれまで以上に重点的に支援をしていきます。

「私たちがしていることは大変重要なことですが、彼らが必要としていることがバケツ一杯の水だとしたら、そのほんの一滴にすぎません」とフォアは言います。「ロヒンギャの子どもと若者の一世代が、彼らの生活を支える教育や技術スキルを持たずに放置されてはなりません。彼らが自力で生きていけるようになれば、彼らが暮らすコミュニティも自立でき豊かになることが出来るのです。正しい投資によって、ロヒンギャの人々は地域にとっても世界にとっても資産となり得るのです」

ユニセフ・バングラデシュ事務所は2019年に、68万5,000人のロヒンギャ難民と受け入れコミュニティの住民に対して彼らが切実に必要とする支援を提供するために1億5,200万米ドルを必要としています。2月時点で、得られた資金はその29%に止まっています。

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