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日本ユニセフ協会
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コンゴ民主共和国・カサイ地域
子ども26万人が重度の急性栄養不良
帰還民の急増が保健・教育サービスを圧迫 ユニセフ、水と衛生、教育分野などの支援提供

【2019年3月12日  キンシャサ(コンゴ民主共和国)発】

ユニセフ(国連児童基金)は、コンゴ民主共和国カサイ地域で、推定26万人の子どもが重度の急性栄養不良に陥っており命を守る治療を必要としていると発表しました。家族と共にカサイ地域から近隣のクウィル州やクワンゴ州に逃れた何千人もの子どもたちも栄養不良に苦しんでいます。

帰還民の急増が保健・教育サービスを圧迫

Éric Kabamba, a health practitioner at the Intensive Nutrition Treatment Unit  (INTU) examines Batuakapapa Marie, age four, who suffers from malnutrition at the Kanzala Hospital, Tshikapa, Kasai-Occidental province, Democratic Republic of Congo (DRC), 18 October 2018. The INTU receives about 20 patients per month. When the child's appetite is restored, he or she is referred to the Ambulatory Nutritional Treatment Unit (UNTA) and then released. “The province used to be affected by ethnic conflicts but nowadays calm has returned. However, the displaced people are still reluctant to return home," Eric says. Towards the end of 2016 in the Democratic Republic of the Congo (DRC), anti-government militias clashed with the Congolese security forces, the FARDC. In the provinces of North Kivu, South Kivu and Tanganyika, and in the Kasai region, violence has forced more than 2.1 million people to leave their homes. As of mid-2018, an estimated 12.8 million people were at risk of severe food insecurity and acute malnutrition, representing a 30 per cent increase since 2017. in 2019, UNICEF aimed to continue to provide an integrated, multi-sectoral response in the DRC, primarily in the regions facing constant population displacement and epidemics, including Ebola. The Rapid Response to Movements of Population (RRMP) mechanism will target areas affected by shocks and mass displacement and provide a multi-sectoral package, including non-food items, multipurpose unconditional cash transfers and water, sanitation and hygiene (WASH) services.

© UNICEF/UN0271277/Tremeau

検診を受ける栄養不良に苦しむ4歳の女の子。(2018年10月撮影)

2016年から2018年の間に発生した暴力や治安の悪化の影響を受け、カサイ地域では大規模な人の移動、子どもの権利の侵害、ならびに高いレベルの子どもの栄養不良が起きました。現在も一部地域で治安が悪い状況は続いていますが、草むらに隠れて暮らしていた数千人の家族がコミュニティに戻ってきました。

過去2年間カサイ地域において、ユニセフはパートナー団体と協力して、重度の栄養不良に陥った子ども20万人を治療しました。ユニセフは、子どもたちが学校に戻れるように、焼失あるいは略奪された教室500室を修復し、10万人以上の子どもたちに心理社会ケアおよび教育資材を提供しました。さらにユニセフは、おとなの同伴者のいない子どもや武装グループにかかわっていた子ども5,000人以上に対して、家族との再会やコミュニティへの再統合を支援しました。

キンシャサで誘拐され、心に傷を負った13歳の女の子。ユニセフは武装グループに徴兵・徴用された子どもたちへの心理社会ケアを続けている。

© UNICEF/UN0271273/Tremeau

キンシャサで誘拐され、心に傷を負った13歳の女の子。ユニセフは武装グループに徴兵・徴用された子どもたちへの心理社会ケアを続けている。

「私たちはパートナー団体ならびにカサイ地域のコミュニティと協力して、子どもたちと家族を悲惨な目に合わせた何年にもおよぶ紛争と暴力から、長い復興への道のりを支えるために活動してきました」とユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表のジャンフランコ・ロティグリアーノは述べました。「しかし、アンゴラから多くの人々がこの地域に帰還してきている脆い現状において、多少なりとも改善された子どもたちの状況は後戻りするのではないか憂慮しています」

アンゴラから少なくとも30万人のコンゴ難民が帰還することで、カサイ地域の保健センターや学校などの基本的サービスが圧迫されています。そのために、多くの子どもたちが必要不可欠かつ命を守るサービスが受けられなくなっています。

水と衛生、教育分野などの支援提供

ユニセフはパートナー団体と協力して、2017年以降にカサイ地域で行った支援は以下の通りです。

  • 400万人近くの子どもを対象にはしかと黄熱病の予防接種を実施
  • 紛争と伝染病の影響を受ける16万3,000人に対して、基本的保健ケアへのアクセスを提供
  • コレラが発生しやすい地区の90万人に対して、水と衛生キットを提供し、50万人以上に水と衛生サービスへのアクセスを提供
  • 7万8,000人の子どもたちに対して、安全に通える遊びと学習スペースを提供
  • 15万人近くの人々に対して生活必需品を提供
  • 600万人以上の人々に対して、命を守る情報を提供

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