【2019年7月8日 コックスバザール(バングラデシュ)/ジュネーブ発】
ユニセフ(国連児童基金)ジュネーブおよびバングラデシュ事務所から届いた、モンスーンの影響を受けるロヒンギャ難民の最新状況について抜粋してお伝えします。
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© UNICEF/UN0310444/Asad/AFP Services |
何日間も続いたモンスーンの豪雨による洪水、土砂災害や強風が難民キャンプを直撃し、数千人が避難を余儀なくされ、何千件もの仮設住居が損壊し、悲惨なことに女性1人と幼い男の子が命を落としました。
巨大な難民キャンプの一部では、先週の3日間だけで、6月または7月の平均月間降雨量に相当する500ミリ以上の降雨を記録しました。脆弱な難民キャンプで活動するユニセフなどの人道支援団体は、今後数日間さらなる降雨が予想されることから、警戒を高めています。
2017年8月に難民の大量流入が始まってから2度目のモンスーンの季節を迎えたバングラデシュには、約100万人のロヒンギャ難民が暮らしています。
人道支援団体はこの数週間に数十カ所で小規模の土砂災害を確認しています。また、ロヒンギャ難民の人道支援にあたる国連機関およびNGO団体の部門間調整グループ(ISCG)によると、4月中旬から、3万8,000人以上が土砂災害、嵐、および洪水の影響を受け、そのうち4,400人が避難生活を余儀なくされています。
© UNICEF/UN0308740/ |
コックスバザールの低地にある難民キャンプと受け入れコミュニティは、この4日間の豪雨により土砂災害と広範囲における洪水に見舞われています。特にロヒンギャ難民キャンプの状況は悪く、3,000以上の家族が影響を受け、その多くが高台の避難所に移っています。
難民キャンプ内での洪水と土砂災害のために、500以上の学習センターが一部損壊しています。これらの学習センターが修復あるいは再建されるまで、5万人近くの子どもたちの教育が中断されることになります。給水所数カ所ならびにトイレ520個が損壊し、1万500人の水と衛生サービスが中断され、下痢性疾患の危険が生じています。
ユニセフは緊急時に備えて、モンスーン季節の始めから、パートナー団体と協力して、緊急支援物資を事前に手配しています。この備蓄により、今回の長引く降雨による影響に対して、迅速に対応することが可能になっています。
私たちは現在、長引く雨の影響を受ける何千人の子どもたちとその家族を守ることを重点的におこなっています。ユニセフは、子どもたちと家族に基本的な人道支援物資の配布を開始し、水と衛生施設ならびに学習センターの修復・再建を開始しました。しかし、学習センターを再開し子どもたちが教室に戻れるようになるためには、まだ多くの活動が必要です。影響を受けるすべての子どもたちに支援を届けるためには、皆様の支援が必要です。
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