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日本ユニセフ協会
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南スーダン
人口の半数以上が深刻な食料不足 5歳未満児の栄養不良も緊急警戒レベル超える

【2019年9月11日  ジュバ(南スーダン)発】

国連の3機関は本日、南スーダンでの食料安全保障の現状について、2019年6月以降多少の改善はみられたものの、人口の半数以上の635万人が次の食事のあてもない状態にある、と発表しました。

人口の半数以上が深刻な食料不足

At Gabat OTP in Aweil, South Sudan, eight-month-old  Akot Anjue is screened for malnutrition and found severely acute malnourished. Anyang says the food situation is difficult. “I am not able to get food and I wasn't even able to get porridge when I delivered my child.” “Right now, to get my child porridge I have to go to the market to earn a living however I have not been able to do this recently because of my child's illness and as a result there has been no means for acquiring food for my children recently” “He is in poor health because there is no food available however if food like RUTF is available to him then it is possible for him to eat well and for his health to improve” “As long as there is food for children then all will be well and the only thing that will remain is medicine for them” “Previously we used to work and do farming but right now things are difficult because there are no seeds and there is not land available for farming” Akot is now enrolled in one of UNICEF’s outpatient therapeutic programmes in Aweil, South Sudan. Per 2018, UNICEF is supporting 858 outpatient therapeutic programme (OTP) centres across South Sudan. In these centres, children are screened for malnutrition, checked for some of the most common diseases such as malaria, treatment for malnutrition and underlying diseases initiated, and regular check-ups during the treatment period conducted. The actual treatment of malnutrition is happening in the children’s home. The caregivers are provided with therapeutic food for one week at the time. Every week, the child is brought back to the OTP for monitoring of progress and the caregiver will pick up supplies for the coming week. As of 2018, the recovery rate in the OTPs were 88%, meaning if UNICEF can access the children and we have sufficient funding, children suffering from acute malnutrition has a high chance of being saved. The OTPs also provide mothers and other caregivers with guidance on proper nutriti

© UNICEF/UN0338316/

上腕計測メジャーを使って栄養不良の検査を受ける生後8カ月の赤ちゃん。(2019年7月19日撮影)

本日ジュバにおいて南スーダン政府がユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)および国連WFP(世界食糧計画)と共同で発表した、総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification:略称IPC)の最新報告によると、南スーダンの人口の54%が、深刻な食料不安に陥っている、としています。

報告によれば、5段階のフェーズのうち、1万人が「大惨事(フェーズ5)」のレベルにあり、食料確保に非常に困窮しており、「緊急事態(フェーズ4)」の170万人、および「危機(フェーズ3)」の460万人についても深刻な食料不安にあります。

引き続き最も食料不安にある地域は、上ナイル州、続いてレイク州バハル・アル・ガザル地方です。「大惨事」レベルにある東イロール郡では、人々の命を守るため緊急人道支援が必要となっています。

食料安全保障の状況は依然として深刻なものの、最近みられた改善は、2018年9月に調印された和平協定によるところが大きいと考えられます。武力衝突が減ったことは、人々が自ら農業に戻るのを後押しし、おかげで生活手段の手立てが見つかり、市場活動も改善されることにつながったのです。政治的な安定によって、最も困難な状況にある人々への人道支援も改善してきました。

5歳未満児の栄養不良も緊急警戒レベル超える

一方で、重度の急性栄養不良に陥っている5歳未満児の割合は、2018年の13%から2019年の16%に急激に増えています。これは緊急警戒レベルの15%を超えており、2020年までに130万人が急性栄養不良に陥ると推定されています。

「南スーダンで急性栄養不良児が増えていることを見れば、栄養不良がいかに複雑なものなのか、また国を壊すのに比べて立て直すにはいかに時間を要するかがわかります」と、ユニセフ・南スーダン事務所代表のモハメド・アヨヤは述べました。「この状況への対処には、パラダイムシフトが必要です。治療を拡大していく前に、まず予防の対策をしなくてはなりません。たとえば、子どもの発育段階に応じた適切な栄養摂取、マラリアや下痢の予防、清潔な水、適切な衛生環境、保健ケアへのアクセスなどです。こうした対策なしに子どもが健康に成長することはできません」

南スーダンにおける食料安全保障の状況は、これから収穫期を迎え、年末にかけて改善が期待されています。しかし、ユニセフ等は、今後450万人が危機、緊急事態、もしくは大惨事レベルの食料危機に直面し、支援を必要とすると推計しています。

 

■ 危機に対する支援

ユニセフと40の市民団体は、南スーダンの子どもと女性への栄養支援を行っています。現在、ユニセフは、1,150カ所の外来治療プログラムセンター、99の安定化センターを支援しています。2019年1月から7月までの間に、14万4,000人以上の重度の急性栄養不良の子どもたちが、質の高い治療を受け、そのうち90%が回復しました。さらに、適切な栄養補助食やマラリア及び下痢の予防を拡大していく予定です。

FAOは、農家100万軒を対象に、地域の条件に合った穀物の種や農機具、釣り道具の提供、現金給付支援などを進めています。加えて、畜産業を営む700万人に対し、家畜を病気などから守り、市場に参加する機会を開放する支援として、家畜への予防接種と治療をより広範に行っています。

国連WFPとそのパートナーは、最も深刻な地域への食料と現金給付支援を行い、今年これまでのところ、390万人の厳しい状況にある人々を支援しました。今後510万人まで支援を拡大する予定です。たとえば、命を救うための食料や現金の給付、地域社会の資源の開発や再建に参加する報酬としての食料提供、学校給食のための食料支援などです。国連WFPは、160万人の子ども、妊婦や授乳中の母親に対し、栄養不良の予防と治療のための物資も提供していきます。

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