【2020年5月6日 ウガンダ発】
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ウガンダでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、感染予防のための外出制限がだされ、多くの家族は自宅で安全に過ごすほか選択肢はありませんでした。
学校は休校になり、職場は閉鎖され、医療など必要不可欠な仕事をしている人を除いた大半の保護者は、家族と一緒に家で過ごしています。
ウガンダの首都カンパラ郊外に住むイクレント・ベロニカさんは、2歳から14歳までの5人の子どもを持つ母親です。新型コロナの影響で都市が封鎖される前は、洗濯を請け負うランドリーサービスで収入を得ていました。稼いだお金は、子どもたちの教育費と毎日の食費の支えとなっていました。
けれども現在は、お客さんを訪ねて長い距離を歩くことができないため、ベロニカさんの仕事は激減しました。他にも様々な困難に直面しているベロニカさんと家族は、この状況が早く元通りになることを望んでいます。
外出制限のなかで、ベロニカさんがどのように家族と過ごしているのでしょうか。その様子をお伝えします。
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ベロニカさん一家の1日は、家の掃除、食器洗い、水くみなどの家事を家族みんなで協力して片づけることから始まります。その後に朝食をとり、子どもたちは家庭学習に取り組みます。
「子どもたちは家にいますが、このような状況でも学習は続けて欲しいのです」とベロニカさんは話します。家にはテレビがあり、日中はテレビ放送で授業が流れますが、残念ながら、ベロニカさんの子どもたちはそのテレビ授業を受けることができません。
慢性的に電力が不足しているため、ベロニカさんの家では日中は電気が使えないからです。午後7時から深夜の間は電気が使えますが、この時間にはすでに、テレビ授業の放送は終わってしまっています。
テレビ授業が受けられないことで、子どもたちがクラスメートから学習面で取り残されてしまうのでは、とベロニカさんは心配しています。子どもたちには、学校から配られた学習教材を使って勉強しよう、と励まし続けています。
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ベロニカさんの娘、レティシア(8歳)の家庭学習は、学んだことの復習から始まります。電気がないので、窓から入ってくる小さな明かりを利用しています。「遊ぶことは大好きですが、ママは勉強もしないといけないって言うの」とレティシアは言います。
復習が終わったら、学校が休校になる前に配られた宿題に取り組みます。その宿題ももうすぐ終わりそうです。「学校で友だちと勉強をしたり、本を読んだりしたいな」(レティシア)
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難しい問題にあたると、レティシアは姉のペイシェンス(12歳)に助けを求めます。算数が得意なペイシェンスは、妹に方程式の解き方を教えることもできるからです。
ペイシェンスは、姉のシャロン(14歳)と一緒に、宿題と復習に取り組んでいます。「電気は夕方遅くまで使えないので、日中は勉強が最優先です。でも、教科書が手元にないから、家で勉強するのは大変です」とシャロンは話します。シャロンも学校に行って友達に会いたがっています。
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新型コロナウイルス感染から家族を守るため、ベロニカさんは、新型コロナウイルスについて、その感染予防策について、子どもたちと定期的に話し合います。
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自宅の玄関には、石けん水が入っている容器が当然のように置かれていて、家に入る前には必ず石けん水で手を洗うルールになっています。
シャロンは、弟のジョナサンが石けん水で手を洗うのを手伝います。ジョナサンは少なくとも20秒間かけて手を洗います。
「ママは汚れたままの手で家の中を触ると、ウイルスがついて感染するって言うの」とシャロンは話します。子どもたち全員が感染のリスクについて学んだので、手を洗わずに家に入ることはありません。
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「よく学びよく遊べ」という言葉があるように、子どもたちは学習だけでは息が詰まってしまいます。ベロニカさんは、子どもたちに家のお手伝いと勉強の時間の合間に、休憩を取ることも伝えています。
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休憩時間中、ジョナサンはサッカーを楽しみ、女の子たちは紐を跳びこえる「ブラダ」というゲームで遊びます。みんな、この「ブラダ」というゲームが大好きです。遊び場は家から数メートルのところにあり、人が集まらないので安心して遊べます。
ジョナサンは、シャドラクとボールを追いかけ、サッカーを楽しみます。
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子どもたちが勉強や遊びに疲れきってお腹がすくころ、ベロニカさんの食事が待っています。
外出制限の中、栄養価の高い食べ物の需要が高まり、さらに収入が減るなかでは入手するのが難しくなっていますが、ベロニカさんは、栄養バランスの取れた食事の大切さを分かっています。簡素であっても、栄養価が高く健康的な食事、そして安全な飲み水を、家族のために用意しています。
お祈りをしたあと食事をとり、ベロニカさん一家の一日は終わります。
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ユニセフの分析によると、世界の18歳未満の子どもの約77パーセント(18億人)が、新型コロナウイルスによって何らかの移動制限を課している132カ国に暮らしています。移動が制限され、衰退する社会や経済の下で暮らす子どもたちは、暴力や虐待、ネグレクトの被害を受けるリスクが高まっています。
ユニセフは4月に「ユニセフの子育て6つのヒント」を発信し、新型コロナウイルスによる緊急事態の中で子どもたちと向き合う保護者にむけて、子どもの心に寄り添い、また自身のストレスとうまく付き合いながら、親子で前向きに日々を過ごしていくためのヒントを示しました。
日本ユニセフ協会は、より多くの子育て世代に、この子育てのヒントを知っていただくため、漫画家のかっぴー氏のご協力のもとWEB漫画『左ききのエレン ユニセフ特別編「チームの世界」』を5月1日に公開しました。
ユニセフは、新型コロナウイルスから最も弱い立場にある子どもを守るため、世界が連携した行動をとるよう呼びかけるとともに、影響を受けている子どもへの支援を進めています。
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